支援企業・団体の声
PwC Japanグループ
2023.3.16

車いすバスケットボールの社内外での活動を推進
世の中にインクルーシブな文化を根付かせる

監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務など各領域において卓越した専門性を結集し、企業の経営課題解決のための総合的なサービスを提供するPwC Japanグループ(以下、PwC Japan)。同グループにはパラアスリート(Challenged Athlete)が所属し、スポーツとビジネスの世界で可能性に挑戦し続けるとともに、社内のインクルージョン&ダイバーシティの推進や、社外でのパラスポーツ認知活動を通じて、インクルーシブな社会の実現に向けて取り組んでいます。

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障がい者アスリートのデュアルキャリアを持続的に支援

“社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する”をパーパス(存在意義) に掲げるPwC Japan。車いすバスケットボール日本代表男子チームの元監督で、 Challenged Athleteチームリーダーの及川晋平さんが、パラスポーツへの取組として「デュアルキャリア」の仕組み作りを社内で始めたきっかけを話してくださいました。

「私が入社した2010年に提案したのがひとつのきっかけです。パラアスリートがアスリートとしてのキャリアを終える際に、所属企業がその後も応援する仕組みを作っていきたいと思いまして。例えば、当初は競技に従事し、将来的にはオフィスワークなどで働いていけるよう、ビジネスパーソンとしての仕事のスキルも身につけていくという、長期的な視点も含めた関わりを作っていきました」

入社当時は現役の選手兼、日本代表チームのコーチでもあった及川さん。自身も代表の活動と並行しながらPwC Japanの支援を受け一般業務を両立し、これまで約12年かけて人事とともに社内プログラムを構築。メンバーが安心してアスリート活動と業務を両立できる環境を整備してきました。

「具体的には、パラアスリートのキャリアをサポートする『チャレンジドアスリート・プログラム』。これは競技と仕事を両立するデュアルキャリアを支援する仕組みです。入社の段階からビジネススキルを学ぶためのeラーニングや研修、または実際の仕事を覚えていくことです。当社は人事コンサルティングのプロもおりますので、専門家の知見を活かし、どういうあり方がいいんだろうと議論しながら毎年変化させて今の時代にあった働く環境を作っています。また、選手を支援する取組は、所属するクラブチームへの支援まで波及しています。

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「チャレンジドアスリート・プログラム」の具体例として、アスリートの成長過程に合わせて柔軟なサポートが行われているといいます。

「私の場合は当時、午前中に一般業務を行い、午後はトレーニングに行くなどさまざまな働き方で柔軟性を持たせていただきました。そして東京パラリンピックが決まった際は、『及川を競技に専念させよう』ということで100パーセント、コーチ 活動をさせてもらいました。

他方、ケガがあって選考から漏れ、これ以上続けられないから業務にシフトしますという選手もいます。その場合はビジネススキルを1、2年で磨き、社内で活躍できるようなポジションを周囲とも検討・相談をしながら活躍するケースも。このように、パラアスリート雇用で入社した人でも、アスリートとしての活動を引退し、フルタイムで業務に従事する場合には通常の評価軸を適用して働くようになります。」

こうした取組の根底には、PwC Japan独自のI&D(Inclusion & Diversity)があります。

「多様性の先に、まずその人の個性や特性を知り、当たり前に尊重するインクルーシブなカルチャーですね。だれもが活躍できる環境を作っていくために、多様なスキル、専門性、経験を持つ人材が集まり社会課題を解決していくプロフェッショナルのコミュニティ作りが、私たちの目指すところでもあります。そのあり方として、障がいがあるないにかかわらず、誰もが社会課題を解決していくための一員として、コミュニティに入っていることが欠かせません。

ただ特別に障がい者支援をしているとか、障がい者が働けるようにというものではなく、そもそもインクルーシブなカルチャーを作っていくうえでは、誰でも活躍できる機会や場が、会社や社会の中に必要であると。多様な人が会社で活躍できる、自分たちに合った環境を作っていこうという考えが大前提にある中での取組として、障がい者雇用にも取り組んでいこうということです」

国際大会へのボランティア参加が一体感醸成に寄与

PwC Japanでは、社員がチームリエゾンボランティアとして車いすバスケットボール国際大会に参加した実績があるほか、パラスポーツ体験会の開催や観戦企画など、社員参加型の取組を積極的に行っています。

「当初は社内でも『どう活動していけばいいかわからない』という声も少なくありませんでした。そこで、まずは参画して身近に感じようと。チームリエゾンボランティアは、ちょうど私が日本代表のヘッドコーチになり、国際大会を東京で開催する機会でもありましたので、会社に呼び掛け社員を巻き込ませてもらいました。

当社には外国語が堪能なメンバーも多いので、トルコ、オーストラリア、イギリスといった各国のチームに帯同ボランティアとして参加してもらい、彼らが空港から東京に来て、宿泊して練習して、大会に入っていくという部分のサポートをお願いした形です」

この経験は、社内の一体感醸成にも役立ったといいます。

「仲間に日本代表メンバーもいましたからね。応援のやりがいや感動もひとしおだったでしょうし、あれ以来、何かある際に声をかけると、積極的に参加してくれる環境になりました。

また、当社は日本車いすバスケットボール連盟のオフィシャルサポーターを務めています。先日の天皇杯(第48回日本車いすバスケットボール選手権大会)では観戦企画を実施したのですが、約200人の社員やそのご家族の方がコーポレートカラーのオレンジのTシャツで駆けつけてくれまして、大いに盛り上げてもらいました。 参加者からは「PwCの雰囲気を一緒に味わうことができ、よい時間だった」という感想をいただいており、改めて一体感の醸成を実感したところです。この企画には、天皇杯に出場した当社所属の選手にも決勝戦直前まで、盛り上げに準備段階から携わってもらっています」

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競技用の車いすを購入し社外活動も積極的に実施

社外的な取組のひとつとして、同社では小中学校向けの車いすバスケットボール体験会も開催。このきっかけと言えるのは、東京2020パラリンピックでした。

「当時は小中学校でもパラリンピック教育が始まっており、学校から当社への依頼もありました。インクルーシブな教育の観点でカリキュラムを組まれる先生も増えていましたし、我々としても教育はきわめて大切だと思っていましたから。こうした積み重ねで、車いすバスケットボール体験会は、2022年は約10校で1500人の子どもたちに展開できるようになりました。

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加えて、当社では競技用の車いすを10台購入しました。やはり、今後も持続的に取り組んでいきたいですから、自社で調達したほうが運営しやすいと考えました。活動は、地域の小中学校から大学まで、最近では教育委員会の事業と連携したりなど、幅を広げて活動をしています」

小中学校向けの体験会でも、多くの気づきがあると及川さんは言います。

「小学校低学年の場合、障がい者と健常者の区別がされていないケースも多いです。そのため、体験会で初めて車いすユーザーと触れ合うことで、最初の認識を作っていくことができますし、スポーツを通して楽しい記憶とともに共生社会づくりに向けた考え方を学んでもらえるという点が大きいかと思います。

というのも、車いすに乗っている人イコールかわいそうなど、助けてあげる対象としてではなく、一緒に楽しい時間が過ごせたというところでの接点や入口を作れると思うんですね。決して特別なものではなく、まずは遊びながら関心を持ってもらうと。そこから『なんで歩けないんですか』みたいな質問が出てきて、余計なフィルターなしに現実を知ることにもつながります」

子どもたちへの教育的な価値がある一方で、親や教師が学ぶ機会にもなっていると及川さん。

「子どもが活動している姿を見て、障がい者への偏見や誤解を解かれる親御さんもいらっしゃって、そういった反響にも私たちは価値があると思っています。中には、車いすの生徒がいなくても、学校の設備としてスロープや障がい者用トイレができているなど、車いすの子どもが入学してきても安心して学べる環境を整える学校もあり、そういった環境の変化を見ると、私たちも非常にうれしいです」

主役は全員。インクルーシブなカルチャーを根付かせたい

東京2020パラリンピックから間もなく2年。及川さんは次なる価値を作っていくことが大切だと言います。

「目指すのは、誰もが活躍できるインクルーシブなカルチャーを作っていくこと。パラスポーツはその中のひとつであり、そこにつなげるためにどうやって取り組んでいくかが大切だと思います。どうしてもパラアスリートをサポートするために、という考えになりがちですが、主役は全員、誰でもです。車いすバスケットボールは健常者もできますし、インクルーシブな競技でもあります。そういう特徴をうまく活かしつつ、新しい関わり方を作っていきたいです」

及川さんが繰り返し説くのは、インクルーシブなカルチャー。誰もが活躍できる環境や文化があるかどうかという観点の共有が、共生社会の実現に欠かせないことなのです。

「世の中には障がいを経験している方がたくさんいて、社会環境のなかでいろいろなバリアがあることは事実。例えば体育館を借りるにしても、一般の体育館は障害があるので専用の体育館で、どうしても手厚く管理された場所でやるみたいなことになりがちです。

障害(バリア)はどこにあるのか?そういった課題をもっと考えていきたいと思います。そのためにも、障がい者目線の気づきをインクルーシブな環境づくりの中にしっかりと活かしていきたいです。健常者だけで障がいのことを考えていて、やったつもりになってしまうことがありますが、そうではない新しい価値を一緒に作っていきたいです」

PwC Japanがそうであったように、まずは見て知って関わっていくところから。実際パラスポーツを見て触れて、パラアスリートに会って関わることによって気づくことは多く、そのアクションがやがて企業の文化となっていくのです。

「東京2020パラリンピックのレガシーは残したいと強く思いますし、そこからの活動を飛躍させる価値は非常に大きい。最初は1人や2人でもいいんです。そしてチャレンジを止めないことが大切。TEAM BEYONDも同志として、非常に期待しています!」

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20230316

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