１年後に控えた東京2020パラリンピック。障がい者スポーツの世界最高峰の舞台でパラリンピック競技やパラアスリートの魅力を伝えようと、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」でTEAM BEYONDのコーナー「ビヨンド・ザ・パラスポーツ」のMCを務めるTBSテレビの熊崎風斗アナウンサーが、パラリンピック実況アナウンサーを目指します！第一回目の今回は7月16日（火）にセントラルフィットネスクラブ用賀を訪れ、将来パラリンピック出場を目指す３人のパラスイマーの泳ぎの実況に挑戦しました！

ご協力いただいたのはアテネパラリンピック男子400ｍ自由形リレーで銅メダルを獲得した杉内周作コーチと、冨樫航太郎選手（低身長：Ｓ６）、遠藤珠美選手（全盲：Ｓ11）、中道穂香選手（先天性右下肢欠損：Ｓ９）です。

まず最初に、選手の泳いでいる“生の感覚”をつかもうと、遠藤選手と同じ全盲クラスの選手たちが装着している“ブラック・ゴーグル”を装着し、視覚からの情報を遮断した状態で25ｍを泳いでみました。

「まったく何も見えません！漆黒の世界となっています！これで泳げるのかなぁ……。25ｍをクロールで泳いでみたいと思います！」

さぁ、熊崎アナ、スタートです！

右往左往しながら、スロースピードでなんとか25ｍを泳ぎ切った熊崎アナ。はた目からも“恐る恐る”泳いでいたことが分かります。果たして、泳いでみた感想はどうだったのでしょうか？

「自分がどの方向に泳いでいるのかも分からなくて、とても怖かったです。実は、“見えなくても、まぁ真っすぐに泳げるだろう”と思っていたのですが、とんでもない。最初の５ｍくらいで壁にぶつかって、そこから方向を修正することでいっぱいいっぱい。体力的な疲れだけでなく、見えていないためにいろんなことに気をつかうし、集中しなければならないので精神的な疲れがすごい。本当に、選手たちのすごさを肌で知りました……」

次はいよいよ実況に挑戦です。杉内コーチに解説をお願いし、３人の選手の泳ぎを実況しました。

＜遠藤選手＞

熊崎アナ：さぁ、遠藤珠美、全盲の選手が今、自由形50ｍスタートしました！そうこうしているうちに、もう半分の25ｍに到達しようとしていますが、杉内さん、全盲の選手が泳ぐ際の難しさとは何でしょうか？

杉内：見えていないわけですから、どういう形で体を動かすかということを頭でイメージするということが一番大変かなと思います。

熊崎：もうあっという間に残り10ｍ。全盲の中で、なぜこれだけスピーディな泳ぎができるのか不思議です！そして今、フィニッシュ！

＜冨樫選手＞

熊崎：さぁ、冨樫選手、飛び込んでいきました！このピッチのスピード！

杉内：低身長の選手は、ピッチを速くしてスピードを稼ぐという泳ぎになりますね。

熊崎：もう前半25ｍを終えてターンをしました。ここから後半です。ペースがまったく落ちることがありません。軽快なピッチも研ぎ澄まされたスピード感があります。残り10ｍ…残り５ｍ…冨樫航太郎、あっという間に50ｍを泳ぎ切ってフィニッシュ！すごいスピードでした！

＜中道選手＞

熊崎：中道選手がスタートしました！杉内さん、中道選手の障がいについて教えてください。

杉内：彼女は右足が付け根から欠損した状態の選手です。

熊崎：ただ、右下肢が欠損していることが全く分からないほどの泳ぎで、あっという間に25ｍをターンし、後半に入っています。中道選手の泳ぎの素晴らしさとはどこにあるのでしょうか？

杉内：足に障がいがありますので、腕で持っていくというのが特徴です。

熊崎：さぁ、ラストスパートです！中道穂香、今、フィニッシュ！あっという間に、50ｍ自由形を泳ぎ切りました！

３人の予想以上のスピーディな泳ぎに触発され、熊崎アナもエキサイティングな実況に！すっかりパラ水泳に魅了された熊崎アナでした。

ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました！

さぁ、次はどのパラ競技の現場を訪れるのでしょうか？熊崎アナが自身で体験しながら、パラ競技の魅力に迫る実況リポート、乞うご期待です！

※今回の熊崎アナの実況の様子『ビヨンド・ザ・パラスポーツ「熊崎風斗、パラスポーツ実況者への道！ 第一回：パラ水泳編」（2019年7月29日放送）』はTBSラジオクラウドからお聴きいただけます。