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BEYOND CONFERENCE REVIEW

BEYOND CONFERENCE
WITHコロナの新たな日常におけるパラスポーツ支援

2020年12月21日。東京都によるパラスポーツの応援プロジェクト「TEAM BEYOND」の取組の一環として、企業・団体がパラスポーツ支援への関わりを考える機会を設けることを通じ、パラスポーツが2020年以降も社会に根付く土壌をつくることを目的として、「BEYOND CONFERENCE」が初めてオンラインで開催された。
テーマは「WITHコロナの新たな日常におけるパラスポーツ支援」。コロナ禍において新しい生活様式が求められる中、パラスポーツの最前線で活躍する方々による基調講演や、パネルディスカッションなどのプログラムを通して、コロナ禍における企業、競技団体、パラアスリートや支えるスタッフの現状を知り、企業・団体におけるパラスポーツへの関わり方を様々な視点から活発な議論が展開された。

基調講演「誰もが素敵に輝く社会を目指して」~パラスポーツが持つ力~

元車いすバスケットボール日本代表主将
根木慎志氏
根木氏

私は18歳の時に交通事故にあい、下半身不随になりました。18ヶ月の入院生活を経て、20歳になり、初めて車いすバスケットボールと出会いました。それまで人前で話す経験はありませんでしたが、20歳で講演会を始め、現在までの36年間で、全国の小・中・高・支援学校3,600校を訪問し、延べ参加生徒数は80万人を超えています。
車いすバスケットボールも講演会もはじめから上手くできたわけではありません。
当初、学校からの依頼内容は、「障がい者の人達の日々の困難さや大変さを伝えて欲しい!」でした。もちろん車いすに乗って生活していると困ることもあるし大変なことも起きます。情報としてはどれも、とっても大切な内容でした。しかし、困りごとや大変さだけを伝えることによりそれを聞いた子供達は、「障がい者=困っていて大変な人」場合によれば「かわいそうな人達」という印象を与えてしまっていました。自分で話しておきながら、ずっと違和感があったのも事実でした。それが、とある学校での講演で初めて車いすバスケットボールのデモンストレーションを披露してみました。すると、これを見ていた多くの生徒達から思いもしてなかった言葉が出ました。「根木さんカッコ良い、僕も根木さんみたいになりたい。」「私もオリンピック・パラリンピックに出場したい」と。車いすバスケットボールをしている私の姿を見て、子供達は障害が「ある」とか「ない」とかは全く関係なく、ただ一生懸命にチャレンジすることがカッコ良く、素敵に輝いて見えたのだと思います。私が「一生をかけて、パラスポーツを通じて、人間の可能性や、チャレンジすることの素晴らしさを伝えて行くぞ」と決意した瞬間でした。

企業・競技団体の取組事例「パラスポーツへの取組みと大切にしていること」

株式会社丸井グループ
サステナビリティ部サステナビリティ担当
兼ESG推進部ESG推進担当
沓澤優子氏
丸井グループ

「共創」。「信用は私たちがお客さまに与えるものではなく、お客さまと共に創るもの」が当社の経営の中核をなす考え方です。本日のテーマであるパラスポーツ振興についても、「共創」という軸で取り組みを進めています。
3年前から毎年、社内向けのイベント「インクルージョンフェス」を行っています。この取り組みのひとつとして、2019年11月には、障がいのある方の目線や気持ちを実感するとともにパラスポーツの魅力を感じてもらうことを目的に、車いすラグビーやボッチャなどのパラスポーツを社員が体験できる機会を設けるほか、パラアスリート選手を呼んで、トークショーやデモンストレーションを実施しました。
直近では、2020年6月に当社の研修センター内において、国内初のブラインドサッカー®専用コート、「MARUIブラサカ!パーク」をオープンしましたが、この取り組みもNPO法人日本ブラインドサッカー協会、自治体、当社との「共創」から実現したものです。そのほかにも、お客さま、企業・団体、地域の皆さまと一緒にさまざまな取り組みを進めており、ビジネスを通して、社会課題を解決し、すべての人が幸せを感じられるインクルーシブで豊かな社会の実現をめざしています。
一方的な支援ではなく、それぞれの「めざすべき社会」に共感し、強みを提供し合い、共に創っていくことが信頼関係の構築につながり、継続した取り組みが実現できるのだと考えています。
パラスポーツと関わったことで、社員ひとりひとりが、障がいのある方の気持ちに寄り添い、何ができるのか考え、行動できるようになったことが、本業にもたらした大きなメリットと考えています。

企業・競技団体の取組事例「ピンチをチャンスに。不自由はある、不可能はない。」

一般社団法人日本肢体不自由者卓球協会
立石イオタ良二氏
パラ卓球協会

新型コロナウイルスの感染が拡大し、社会のシステムや、人々の生活に大きな影響を及ぼしています。人々にとって、今まで経験したことがない不自由な状況下にあります。ご存知の通り、パラリンピックも延期となりました。選手たちも活動を自粛せざるをえず、海外遠征も、国内で主催するイベントや大会も、軒並み中止となり、パラ卓球にとってもとにかくピンチな状況です。しかし、このピンチは我々が常に向き合ってきたこと、常にチャレンジしてきた事と似ています。私たちパラ卓球は、これまで常に社会におけるマイノリティな存在でありながらも、パラ卓球ならではの価値を創造し、マジョリティな存在の企業・団体とwin-winの関係を構築してきました。今、社会がコロナ禍にあり、ネガティブなニュースや情報が多い中であるからこそ、我々「パラ卓球」がポジティブな情報を発信することで、社会に元気を届けられる、インパクトを与えられるのではないかと考えました。
そこで、「パラスポーツの素晴らしさを発信したい、不安に思っているパラアスリートにエールを送りたい。」という目的で、本来であれば、パラリンピック本番に向けて順次発表し盛り上げていく予定だった新プロジェクトを、出し惜しみせず自粛期間中に毎週発表しました。
今こそ、パラの力で社会に貢献できる時です。パラアスリートは、例えば、身体的には手や足が「ない」という事実はありますが、「ない」中で工夫と創造を重ね、健常者の方と同じ世界を生き抜いています。パラアスリートは、常にチャレンジし、勝ち続けているからこそ明るく、そして強い。全ては捉え方次第、ピンチはチャンスです。不自由はありますが、不可能はありません。これからも選手の支援と活動を通してパラ卓球を普及し、社会に勇気と元気を届け、貢献していきます。

パネルディスカッション

コーディネーター
日本福祉大学スポーツ科学部
第27期東京都スポーツ振興審議会委員
藤田紀昭氏
パネリスト
元車いすバスケットボール日本代表主将
根木慎志氏
タレント、陸上十種競技の元日本チャンピオン、TEAM BEYONDメンバー
武井壮氏
走り幅跳び・東京2020パラリンピック競技大会出場内定
東京アスリート認定選手
髙田千明氏
東京パラスポーツスタッフ認定者
髙田千明氏のガイドランナー兼コーラー
大森盛一氏
藤田氏

基調講演、企業・競技団体の取組事例の発表に続き、パネルディスカッションが行われた。コーディネーターは、日本福祉大学スポーツ科学部教授の藤田紀昭氏。ディスカッションのテーマを「WITHコロナの新たな日常におけるパラスポーツ支援」とし、まずは4名のパネリストが、新型コロナウイルスが拡大する前、そして拡大後の活動について語った。

元車いすバスケットボール日本代表主将の根木慎志氏は、「パラアスリートは誰もが諦めて止めてしまいそうなことを様々な工夫や努力を通じて自分の可能性を広げてきた人たち。だからこそ、パラスポーツの祭典であるパラリンピックは、これからの社会の可能性を証明できる存在(象徴)になれるのではないか。コロナ禍のこの状況を、パラアスリートのように様々な工夫や努力、色々な発想の中で可能性を広げていきたい。」と話した。

TEAM BEYONDメンバーで十種競技の元日本チャンピオンの武井壮氏は、コロナが拡大する前は、主にパラアスリートと真剣勝負する番組に出演していた。「パラアスリートと身体能力だけの勝負なら負けないのに、競技で勝負をして、パラのルールで勝てたことはない。パラアスリートと交流して、彼らの技術や、その競技に向けて鍛えた能力のレベルの高さを実感した。スポーツのさらに進化した姿を見せてくれるのが、これからのパラスポーツの正しい位置なのではないかと感じている。パラスポーツに関する興味・関心は少しずつ広がっているが、選手個人の知名度はまだまだ足りない部分がある。パラスポーツがポピュラーになるためにも、パラアスリートがもっと認知されるようパラリンピックが大きな市場として盛り上がることを期待している。」と語った。

東京2020パラリンピック競技大会への出場が内定(走り幅跳び、T11(全盲)クラス)している髙田千明氏。「コロナが拡大する前は、週4~5日、ガイドランナー兼コーラーの大森盛一氏のクラブチームのメンバーと練習をしていた。コロナ拡大後は、それまで練習をしていた競技場が使えなくなったので、感染症対策を行いながら、家の近くで大森氏と練習をしている。パラリンピックは延期になったが、既に内定が出ていた選手はそのまま2021年も引き続き内定であるという方針になっている。ただ、いつ大会があるのか、練習をどうするかは今も心配。家族や周りの方に支えてもらって、モチベーションを上げ続けている。」と心境を吐露した。

髙田氏のガイドランナー兼コーラーをしている大森氏。彼は元アスリートで、陸上男子短距離で、92年バルセロナ、96年アトランタと、オリンピック2大会に出場をしているが、髙田氏とともにリオパラリンピックに出場した時には、「会場の雰囲気、観客の熱気など、すべてがオリンピックと変わらないと感じた。」と言う。コロナ拡大後の状況については、「体力や技術は練習でカバーできるが、モチベーションのキープが本当に難しい。東京大会で完全燃焼するために4年間やってきたが、1年間先延ばししないといけなくなった。選手は喪失感でいっぱいのはず。私はコーチの立場からモチベーションを高く保てるように選手に話しかける。それが大事だった。」と話した。

そして、次は「パラスポーツと企業・団体との関わり方」、そして、「今後、企業・団体にどのような支援を期待するか」についてディスカッション。

髙田氏は「東京2020パラリンピック競技大会は、自国開催のため気運が高まっているところが大きい。しかし、パラスポーツやパラアスリートにとって東京大会は、ゴール地点ではない。その先も続いていく。パラリンピックがどういうものかということを観て、知ってもらい、選手がどういう競技・練習をしているのか、費用面の支援だけではなく選手にしっかりと寄り添い、選手と共存していただきたい。」と思いを述べた。

大森氏は「パラスポーツにおいて、ガイド等のパートナーが必要不可欠であることは認識されてきたように感じる。しかし、どれだけ重要なのかが認識されておらず、十分に理解されていない。自分は海外に遠征に行く時も、2~3週間休んでいいよという会社の理解をもらっている。その理解がないと大変。ガイドという立場上、常に選手と一緒にいなければならない。この先自分のような社員がいたら広い心で迎え入れていただきたい。」と語った。

その話を受けて武井氏は「選手には厳しい言い方かもしれない。」と前置きしつつ、「支援はもう一歩先に進むべき。サポートされている間は、まだ本物ではないと感じる。」と言う。「企業・団体に支援したくなってもらうためには認知度が非常に重要。現在は、SNSなど様々なメディアがあり、一般の方でも活動を広く知ってもらえるし、ビジネスにもなる。競技団体や、選手、サポートをする方も、自分たちの活動を「知ってもらう」という受け身ではなくて、自分たちから能動的に「知らせにいく」ことが重要だし、必要。大勢の人がパラスポーツやパラアスリートを見たくなる表現をする。パラスポーツに関わると絶対に企業にプラスがあるという形が作れたら、パラスポーツがサポートしてもらわないとならないという状況はなくなると思う。そういった活動をメディアを通して伝えたい。」と決意を述べた。

根木氏は「武井氏の言葉は、誰よりもパラアスリートの価値を知っているからこそ出た発言。
アスリート自身も、パラスポーツに取り組むことによる自分の前向きな変化や周囲への良い影響を実感して、そのパワーに気付いているはず。だからこそ、高い成績を出すことと同じくらい、価値を伝えていくことも大切。
企業・団体にもその価値を大いに活用して欲しいが、それぞれの強みや理念に合ったアスリートとタッグを組むためにも、パラスポーツと関わることの目的や結果を広げるためにも、まずはパラスポーツ・パラアスリートを見て、発信をキャッチして、知ることから始めてもらいたい。」と語った。

パネルディスカッション

そして、最後に藤田氏が次のような言葉で締めくくった。「選手の皆さんが持っている技術はオリジナル。これまで人間が培ってきた技術とは違い、自分に合ったやり方を開発してきた。身に付けるまでに多くの苦労があったと思う。コロナ禍の今、自分で考えて出口を見出して、前に進まないといけない状況。選手の皆さんには、工夫をして前へ進む姿を持続して見せていただきたい。それが私たちの希望に変わる。企業に対しては、単にサポートをしてもらうだけでなく、自分の価値を高めていく必要がある。価値をどういった形で会社や社会に貢献していくのか、しっかりと持っていただきたい。また、企業の皆さんには、まずはパラスポーツに関心を持っていただき、やれるところから関わっていただきたい。選手を応援したり、企業イメージを向上させるということだけではなくて、事業を通じてこういった社会にしていきたい。そのパートナーとして、選手や競技団体を理解していただきたい。パラリンピックの目的はまさにそこにある。行政にも、パラリンピックの後を見据えた持続可能な支援を考えていただきたい。社会全体の意識を変えていくためには、パラリンピックを開催しておしまいではなく、支援や事業を継続していくことが非常に重要。東京にはぜひ率先してやっていただきたい。」

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20210212

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