TEAM BEYOND CONFERENCE
企業と社員の心をつなぐ パラスポーツの魅力 ~近年の大規模大会からの事例紹介~

2025年8月27日(水曜日)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて、TEAM BEYOND CONFERENCE「企業と社員の心をつなぐパラスポーツの魅力~近年の大規模大会からの事例紹介~」を開催しました。

本年11月に記念すべき100周年大会として行われる「東京2025デフリンピック」、来年10月開催の「第5回アジアパラ競技大会(2026/愛知・名古屋)」の成功に向けて、企業の取組への期待が高まってる中で、積極的にパラスポーツの普及・支援をしている4企業の好事例を紹介し、パラスポーツへの関わりが社員やビジネスにもたらす好影響について語っていただきました。

アーカイブ映像(令和8年8月26日まで公開)

基調講演①

登壇者:
公益財団法人東京都スポーツ文化事業団デフリンピック準備運営本部 総務部シニアマネージャー
板倉いたくら 広泰 ひろやす 氏
東京都スポーツ推進本部 国際スポーツ事業部 事業調整担当課長
横山よこやま 智行 ともゆき 氏
テーマ:
「東京2025デフリンピックに向けた準備状況と都の取組について」

最初の基調講演では、板倉氏から、今年11月開催の東京2025デフリンピックの概要を紹介し、「大会を契機として共生社会づくりに貢献するため、子どもたちの投票による大会エンブレムやメダルのデザインの決定、メダルセレモニーなど子どもにも参画してもらうなど、様々な取組を進めています」と報告しました。

協賛募集について、広告代理店を通さずとも、「1万円から協賛金を設定、過去大会の協賛企業等へのアプローチ、企業の要望に応えたネットワークの構築に向けた交流会開催など、大会の特性に合致する層にアプローチできれば効率的な営業が可能」と紹介しました。

最後に「デフスポーツの認知度はまだ低く、アスリートへの支援も十分ではありません。企業の皆様には、障害者スポーツやアスリートへの支援をお願いします。」と締めくくりました。

さらに、横山氏から、「デフリンピックを契機にデジタル技術を活用したユニバーサルコミュニケーションを促進し、インクルーシブな街、東京の実現を目指しています。具体的には、競技音を文字で表示する技術、言語を見える化することで皆がつながれる期間限定の『みるカフェ』、デフリンピックや手話を漫画形式で学べるハンドブックを都内の小学4~6年に配布、デフリンピックの競技観戦の機会を都内の学校に提供する」など報告しました。

最後に、「東京大会を成功させることでデフリンピックの価値をさらに高め、次の100年につなげていきたい」と締めくくりました。

基調講演②

登壇者:
公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会
井田いだ 朋宏  ともひろ 氏
テーマ:
愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 ~大会概要及びパラスポーツの価値~

続いての基調講演では、井田氏が「愛知・名古屋2026 アジアパラ競技大会の概要と歴史」を紹介し、井田氏は「アジア競技大会では水泳・馬術の会場が東京となる」と触れたうえで、「アジアパラ競技大会は2026 年10 月18 日~24 日の7 日間、45 の国・地域から約2,400~2,700 名の選手が参加し、名古屋市内を中心に19 競技会場で18 競技が実施される」と話しました。

また既存施設の活用をコンセプトに掲げ、バリアフリー改修を行うとともに、選手村を設置せず既存宿泊施設と名古屋港に設置するアクセシビリティの確保された移動式宿泊施設を活用することを説明しました。

続けて、「1年前イベントで車いすテニスの小田凱人選手を起用。アスリートによる学校訪問や車いすラグビー体験会、IPC公認教材『I’mPOSSIBLE』日本版の導入など、多様性や公平性への理解促進を目的とした取組を展開している」と紹介しました。

企業向けには「協賛金額に応じて4つのパートナーシップ枠があり、選手用ゼッケンや会場内看板へのロゴ掲出、会場でのショーケーシングの実施、大会マーク使用などの権利が付与される」と説明。さらに「協賛を契機に、所属選手が出場する大会観戦や社員向けパラスポーツ体験会、パラアスリートを招いた社員研修、大会ボランティア参加を見据えた勉強会など、社員のD&I理解促進にも大きく寄与していきたい」と話しました。

最後に井田氏は「大会の開催意義は『行動変容』『移動の自由』『公平な機会』の創出であり、共生社会実現への一歩となる。企業の積極的な参画と支援を期待しています」とまとめました。

事例紹介①

登壇者:
株式会社JTB ツーリズム事業本部 スポーツ・エンタテイメント共創部 アジア競技大会統括担当部長
安達あだち 裕介 ゆうすけ 氏
テーマ:
パラスポーツのチカラと意識改革
~パラスポーツへの取組で得た社内外エンゲージメントの浸透~

最初の事例紹介は、2025年7月14日付で愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会とパートナーシップ契約を締結し、大会公式スポンサーとなった株式会社JTBです。

安達氏は、スポーツビジネスの取組を紹介し、「当初はパラスポーツも一案件でしたが、経験値とノウハウの蓄積により、関係者の意識が向上し、今では一つの事業として取り扱われています」と嬉しそうに話しました。

続けて、「現在は、子どもたち向けのパラスポーツクラスの開催、パラアスリートによる学校・企業での講演・パラスポーツ研修、福祉施設や企業との連携などの事業にも広がっています。長年の取組で専門組織が立ち上がり、社外パートナーとも共通の意識とノウハウを得たことで、障がい者対応のための各種チェックや準備は当然のものとなっています。」と紹介しました。

さらに、旅行会社で唯一の特例子会社である株式会社JTBデータサービスを紹介し、「約141名の社員のうち93名が障がいのある社員で、今では社員自ら新事業を立ち上げ挑戦し、社会への価値提供を目指す形に発展しています。」と話しました。

最後に安達氏は「パラスポーツへの協賛は事業成長のみならず、ネットワークの構築、社内外のエンゲージメントの向上、一体感や帰属意識につながります。本日ご来場の皆様の中からもパラスポーツに関わりを持つ企業が増えることを願っています」とまとめました。

事例紹介②

登壇企業:
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 広報部コーポレートスポーツ・コミニケーショングループグループ長
渡邊わたなべ 英隆 ひでたか 氏
福岡支店 デフサッカー男子
松元まつもと 卓巳 たくみ 選手
テーマ:
全社員一丸となって取り組むスポーツ支援~スポーツを通じた社会的価値創造~

続いての事例紹介は、2006年の日本車いすバスケットボール連盟への協賛をきっかけにスポーツ事業を開始したあいおいニッセイ同和損害保険株式会社。

渡邊氏は、「交通事故で障がいを負った方々の社会復帰支援として障がい者スポーツ支援に取り組み、2014年から日本パラスポーツ協会への協賛を皮切りに本格支援を展開。『みて・感じて・考える』をスローガンに大会応援を実施しました。」と語りました。

アスリート雇用では「デュアルキャリア」「エリアサポート」「セカンドキャリア」の3方針を掲げ、現在20名の所属選手のうち14名がパラアスリート。練習環境整備として「みなし勤務制度」「報奨金制度」「アスリート研修」などを導入し、勤務地もトレーニング拠点や住まいを考慮。バリアフリー化や駐車場確保、心のバリアフリー研修、シスター社員制度も整備しています。

地域貢献活動では、所属選手による講演会や体験会、小学校での授業などを年間約150回実施。「マラソンキャラバン」では社員の意識改革とCSV推進に成果を上げています。

デフサッカー日本代表・松元卓巳選手は、デュアルキャリアの充実や地域貢献への意欲を語り、「東京2025デフリンピックでは満員のスタジアムでプレーしたい」と述べました。

渡邊氏は、東京都スポーツ推進企業としての殿堂入りを紹介し、「どんな形でも構いませんので、パラスポーツ支援の第一歩を踏み出していただければ嬉しいです」と締めくくりました。

事例紹介③

登壇企業:
住友電設株式会社 総務部長兼東京総務部長
堀内ほりうち 佐 たすく 氏
東京総務部 課長
永橋ながはし 学 まなぶ 氏
東京総務部
長谷山はせやま 優美 ゆうみ 選手
人事部
古島ふるしま 啓太 けいた 選手
テーマ:
デフアスリート支援を通じたDEIの更なる向上

3番目の事例紹介である住友電設株式会社は、障がいのある方を含めたすべての社員が安全で働きがいのある職場づくりを目指し、パラアスリートの競技と仕事の両立を支援しています。柔軟な勤務制度(みなし勤務)や金銭的支援、社内理解促進のためのDEI研修などを通じて、社員の意識変革にもつながる取組を展開しています。

古島啓太選手は「週に1回、私の部署で手話講座を行っており、今では部内の全員が簡単な自己紹介をできるようになりました。東京2025デフリンピックが、聴覚障害に関する理解や、コミュニケーション促進の面でも絶好の機会になると考えています」と語りました。

また、長谷山優美選手は「住友電設入社前は、別の企業でフルタイム勤務をしていましたが、現在は、仕事と競技の両立支援、金銭的バックアップなどをいただき、本当にありがたく思っています。東京2025デフリンピック後も、聴覚障害者、手話に対する理解が広まり、それが当たり前の社会になってほしいと考えています」と述べました。

最後に永橋氏は、「本当に大事なのは、デフリンピック終了後も、多様な支援や活動を継続していくことだと考えています。そして、その先にある共生社会実現の一役を担い、引き続き、支援に取り組んでいく所存です。東京2025デフリンピックでは、日本代表選手団はもちろん、当社の古島、長谷山、亀澤の活躍にもぜひ注目いただきたいと思っております」と締めくくりました。

事例紹介④

登壇者:
株式会社ゴールドウイン サステナビリティ推進室
坪井つぼい 修 おさむ 氏
サステナビリティ推進室
鈴木すずき 孝幸 たかゆき 選手(水泳男子)
テーマ:
従業員の多様性を推進するパラスポーツ支援

最後に登壇したのは、2015年から企業全体でパラスポーツ支援を明確化している株式会社ゴールドウインです。

坪井氏は「人を挑戦に導き、人と自然の可能性を広げる、そしてスポーツに関わる人の挑戦を応援していくこと、その可能性を広げていくことです」と支援の目的を語りました。

パラスポーツを取り巻く環境を良くしたいとの思いから、支援対象は「する人」「見る人」「支える人」。鈴木選手は「する人」への支援として金銭支援、活動支援、留学支援の3つを挙げ、遠征費や大会費、講演活動のマネジメント、イギリス留学支援などを紹介しました。

「見る人」への支援では、チーム全体への応援や社内体験会等による社員のパラスポーツ支援、また子どもたちへの教育や鈴木孝幸杯の運営などを通じて、共生社会の理解促進に取り組んでいます。

「支える人」の一つであるウエア開発では、日本代表選手へのヒアリング・試作・評価を繰り返し、完成形にしていったと語られ、鈴木選手監修の誰もが使えるバッグ開発秘話も紹介されました。

坪井氏は「多くの従業員が自社のパラスポーツ支援を認知し、社会貢献や共生社会実現が企業価値向上につながるという認識が強い。支援の継続や障がい者向け製品の事業化などの意見もあり、パラスポーツ支援には社内のエンゲージメントや他者への思いやり、コミュニケーション力を養う効果がある」とまとめました。

交流会

すべての講演終了後は交流会が行われました。ワーキング・プレイス5005(ごーまるまるごー)の奥村泰人(おくむら やすと)氏による、デフアスリートを応援する手話「サインエール」の3種類の講習後、名刺交換、情報共有などの光景が至る所で見られました。活気にあふれた明るい雰囲気の中でTEAM BEYOND CONFERENCEは幕を閉じました。

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20251112

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