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企業・団体向けセミナー・交流会
BEYOND CONFERENCE REVIEW

令和時代の新思考
パラスポーツで会社を変える

東京2020パラリンピックまで、あと390日となった2019年7月30日。東京都によるパラスポーツの応援プロジェクト「TEAM BEYOND」の一環として、「令和時代の新思考 パラスポーツで会社を変える」と題したセミナー・交流会が開催された。パラスポーツ支援が企業にもたらす影響などについて活発な議論が交わされた。パラスポーツを応援する人を増やす東京発のプロジェクト「TEAM BEYOND」。アスリートをはじめ、観る人、支える人、企業・団体などジャンルを超えてメンバーが集まり、様々な活動を展開している。その一環として開催された今回のカンファレンスの目的は、企業・団体がパラスポーツ支援への関わりを考える機会を設けることにより、パラスポーツが2020年以降も社会に根付く土壌をつくること。すでにパラスポーツと積極的に関わっている企業の取り組み事例やアスリートを交えたディスカッションなどのプログラムを通して、パラスポーツ支援がどう企業経営に影響し、社内活性化につながっていくかなどパラスポーツの可能性を探った。

基調講演障がい者スポーツが会社を変える

日本航空株式会社 執行役員
コミュニケーション本部長
東京2020オリンピック・パラリンピック推進委員会委員長
下條 貴弘氏
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障がいのあるお客さまへの対応は運輸業である弊社にとって重要課題であり、法整備を含めた社会の動きに合わせて、1994年に「プライオリティ・ゲストセンター」を開設するなど様々な取り組みを進めてきました。また、2005年、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会とのオフィシャルパートナー契約締結を皮切りに障がい者スポーツと関わるようになり、13年には車いすテニスの上地結衣選手らとスポンサー契約を結び、16年には一般社団法人日本車いすラグビー連盟などへの支援を開始しました。こうした仕組み作りも大事ですが、同時に必要なのは仕組みを回す人の意識です。その点においては個人選手や競技団体へのサポートが社員の意識を変える大きな転換点となりました。サポートを通じて、社員は障がいのある方をより身近に感じるようになり、接客の向上だけでなく、障がい者スポーツの観戦や大会運営のボランティア、アスリート支援策の発案など自主的な活動が増えていったのです。この一連の動きを概観したところ、見えてきたものがありました。それは、①世の中の動きに呼応した会社の対応②障がい者・障がい者スポーツへの関わり③社員の意識変化④よりお客さまの立場に立った会社の対応というサイクルです。なかでも、「障がい者スポーツヘの関わり」は、「会社の対応」と「社員の意識変化」をつなぐ大きな役割を果たしました。このサイクルを回すポイントは3つ。まず、仕組みを動かすための社員の意識変化が重要だということ。2つ目はサイクルの構成要素は業種・業態によって千差万別なので、いろいろ試してみるということ。3つ目はサイクルが見えたら、大きく、長く回し続けていくこと。一つひとつの事例に目を配り、社内全体に広げていくことが重要だと考えています。

企業事例1日本パラスポーツの父、中村裕博士の想いと共に

三菱商事太陽株式会社 代表取締役社長
福元 邦雄氏
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弊社の始まりは、障がい者の就労と自立のために中村裕博士が開設した「太陽の家」との出会いです。1983年に両者の出資により情報処理会社「三菱商事太陽」は設立されました。また、中村博士が実現させた「大分国際車いすマラソン大会」を支援してきた三菱商事は、パラスポーツ支援のさらなる充実を目指して2014年から「DREAM AS ONE.」プロジェクトを展開しています。「失ったものを数えるな、残されたものを活かせ」とは中村博士の言葉ですが、それは「多様な個性」を受け止め、できることに焦点を当てること。パラアスリートの方々は体の創(きず)をバネに創造力を働かせて活躍しています。そこに想いを寄せ、「創(きず)の力」を引き寄せられたら、皆さんの会社は革新的な挑戦を続ける素晴らしい集団になると思います。

企業事例2社員の目が変わる パラスポーツとの向き合い方

株式会社セレスポ
経営企画部コーポレートデザイン室長
越川 延明氏
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イベント制作会社である弊社が持続可能な成長を目指すうえで重要なことは、顧客の要望に応え、参加者と感動を共有し、社会課題に応えて信頼を積み上げることだと考えています。社会課題としては、ダイバーシティ&インクルーシブを取り上げ、パラスポーツ推進に取り組んできました。こうした会社の考えをいかに社員に浸透させ、自分ゴト化していけるか。ユニバーサルイベント研修やパラスポーツ体験会といった取り組みを進めるにあたり、意識的に若手を巻き込むことで「パラスポーツには挑戦できるチャンスがあるかもしれない」という期待感を醸成し、様々な工夫を重ねました。弊社の活動が評判となり、他社とのユニバーサルイベントにつながるなど好循環も生まれました。起点は社員の意識と行動。そして、始めることと続けることが大切です。

企業事例3パラスポーツを通じた一般社会への技術提供

株式会社RDS
代表取締役社長
杉原 行里氏
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RDSはモータースポーツや医療福祉、最先端ロボットなどの先行開発を得意とする企業。父を見舞った病院が気の滅入るような雰囲気だったことから福祉に関心を持った。世界最軽量の松葉杖も近未来的な車いすも「カッコいい」ことが基準。健常者も使いたくなるボーダーレスなモノづくりを目指しています。例えばモーションキャプチャーなどを用いて選手一人ひとりの最適解を探し、感覚を可視化して精度を高めます。今開発中の車いすレーサーも、技術を駆使して世界最速を狙います。パラスポーツで培った技術は一般社会にも落とし込めるはず。人がモノに合わせる時代は終わり、一人ひとりのニーズに応えていく。福祉にもそうしたパーソナライズの時代がくるでしょう。そこに新たな選択肢を付与できるモノづくりを続けたいと考えています。

パネルディスカッションパラスポーツで会社を変えるには何が必要か?

パネリスト
日本航空株式会社 執行役員
コミュニケーション本部長
東京2020オリンピック・パラリンピック推進委員会委員長
下條 貴弘氏
SMBC日興証券株式会社所属
鈴木 徹氏 (陸上)
元プロ野球選手
MLBサンディエゴ・パドレス
ベースボールオペレーションアドバイザー
兼パシフィックリムアドバイザー
斎藤 隆氏
<モデレータ>
日経BP経営メディア局 局長
伊藤暢人氏
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左から伊藤氏、下條氏、斎藤氏、鈴木氏

基調講演、企業事例の発表に続き、パネルディスカッションが行われた。まずは、パネリストが各々の立場からパラスポーツの魅力を発信。交通事故で右足膝下を失うも、走り高跳び選手として2000年のシドニーパラリンピックから5大会連続で出場している鈴木徹選手は「マイナスから始まるパラリンピック選手は心の限界を突き進み、そこを乗り越えて東京2020大会に臨む。記録はもちろん、その選手の生き方も見ていただきたい」とアピールした。

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鈴木氏

元プロ野球選手の斎藤隆氏は「右手首から先がないジム・アボット投手がメジャーリーグで投げるのを見たことがあるが、心に響くものがあった。そのプレーは、見る者の気持ちを奮い立たせてくれる」と語った。

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斎藤氏

日本航空の下條貴弘氏は企業の立場から「弊社にとって最も大切なことはお客さまの安全・安心。その点、パラアスリートの移動や競技団体・大会のサポートに携わることで社員の意識が変わり、サービスの向上に結びついている。組織の運営面では、パラスポーツを通じて社員が障がいのある方を身近に感じるとともに、共感性を育み、多様性の重要性を認識するきっかけになっている」とコメントした。

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下條氏

パラスポーツヘの応援をいかに会社に根づかせ、東京2020大会後もムーブメントを広げていくか。今回のテーマについて、斎藤氏は「アスリート側からいうと、見る方に感動を届けられるかどうかが鍵。パラリンピック以降も常に真剣勝負で挑み、応援したくなる存在であり続けることが大切」と話した。

一方、東京2020大会がひとつのゴールになってしまうのではという危機感を感じているという伊藤氏。解決策として「次世代の子どもたちにパラポーツの楽しさを伝えていくことがひとつの軸になる。もうひとつは、心から声援を送りたくなるようなレベルの高い国際試合を企業としていかに支援していくかがポイント」と述べた。

最後に鈴木選手は次のような言葉で締めくくった。「選手としてはパラリンピックで結果を残すことがすべて。企業の皆さんにはパラスポーツの支援だけでなく、障がい者の人材雇用をお願いしたい。自分の例だが、健康やスポーツの知識を社内誌などに活かしたり、年に40回以上講演を行ったりとプラスになっている部分はあると思う。自分たちにしかできないことがあると思うので、その部分をクローズアップしていただき、私たちも期待に応えられるように努力していきたい」

コーヒーブレイクセミナーこれからのパラスポーツ界の課題と展望について

登壇者
元プロ野球選手
斎藤 隆氏
三菱商事太陽株式会社
代表取締役社長
福元 邦雄氏
<パラアスリート>
SMBC日興証券株式会社所属
鈴木 徹氏 (陸上)
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社所属
廣瀬 順子氏、廣瀬 悠氏
(視覚障害者柔道)
リーフラス株式会社所属
安達 阿記子氏
(ゴールボール)
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左から伊藤氏、鈴木氏、廣瀬悠氏、廣瀬順子氏、安達氏、斎藤氏、福元氏

パラアスリートとフランクに接することができるミニセミナーでは、鈴木徹選手に加え、夫婦で視覚障害者柔道に取り組む廣瀬順子選手、廣瀬悠選手、ロンドンパラリンピックのゴールボール金メダリストの安達阿記子選手が登壇。「2020年を過ぎてもパラスポーツを応援していただけることが当たり前になるように、自分たちも頑張りたい」(安達選手)、「パラリンピックはオリンピックよりメディアの露出が少ないので、限られた大会で結果を出したい」(鈴木選手)、「夫婦でメダル獲得を目指す」(廣瀬順子選手)など各選手が抱負を語った一 方、「近年、パラアスリートも競技に集中できる環境が整い、ありがたい限り。次は引退後のセカンドキャリアが課題になると思う」(廣瀬悠選手)という意見も。これには斎藤氏も同意し、企業のサポートを呼びかけた。そして、福元氏は企業にパラスポーツを浸透させる方法として「応援レベルではなく、現場でのボランティアなどで選手の日常に触れることが大事」と言及。ミニセミナー後は、参加者との交流の時間が続いた。

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アスリート視点を中心に様々な意見交換がなされた。斎藤氏はアイマスクをして安達氏とゴールボールを体験する場面も。

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1.廣瀬夫妻 2.福元氏 3.鈴木氏 4.障害者スポーツコンシェルジュ相談ブース((公社)東京都障害者スポーツ協会)

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