支援企業・団体の声
中外製薬株式会社

だれもが一緒に楽しめる障がい者スポーツ
その支援を通じ、共生社会の実現に貢献

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製薬会社という性格上、社員はみな健康や障がいへの関心が高いという中外製薬。障がい者スポーツ支援のスタートとして啓発冊子を制作したところ、反応は上々だったといいます。さらに活動を展開するうえで、キーワードとなっているのが「延長線上」という考え方。従来から行っている社会貢献活動や社員の関心の高いスポーツの延長線上にあるものを上手に活用することで、社内外の巻き込みに成功、社員の成長にもつなげています。

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啓発冊子と写真パネルの作成からスタート

医療用医薬品を扱う中外製薬株式会社。かねてより子ども向けの生物・科学実験教室や医療をテーマとした大学への寄附講座、環境保全活動といった社会貢献活動を積極的に行っていましたが、さらにスポーツ・文化分野で同社らしい活動をと模索した結果、2013年9月より公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(JPSA)のオフィシャルパートーナーとなりました。その理由をサステナビリティ推進部の加藤正人副部長が説明します。

「JPSAのオフィシャルパートーナーになったのは、障がい者アスリートの支援を通じて、病気やけがに立ち向かったり、リハビリに取り組んだりしている方々を応援させていただきたいとの思いからです。とはいえ、私自身、障がい者スポーツについてまったく知らなかったため、ゼロからのスタートでした」(加藤さん)

正直、何から始めたら良いか分からなかったと振り返る加藤さん。それでも、ジャパンパラ水泳競技大会(JPSA主催)観戦で受けた感動を原動力に、まずは社員に障がい者スポーツを知ってもらうことから始めようと、障がい者スポーツを紹介する冊子と写真パネルを作成。冊子は、全社員に配布するとともに、その家族や取引先にもお渡ししたところ、好評だったそうです。

「会社柄、“だれもが健康に活き活きと生活する”ということに社員の関心が高いため、反応が良かったのだと思います。また、取引先にお渡ししたところ喜んでいただけたそうで、もっとほしいとの声が次々と届きました」(加藤さん)

この冊子をきっかけに、独自の活動を展開する事例も登場しました。同社青森オフィスの社員が冊子を渡した顧客から「青森でも障がい者スポーツの体験会を」との要望を受けます。ぜひ実現させたいと青森県障害者スポーツ協会とタッグを組み、2015年1月~3月に八戸市、青森市、五所川原市の3か所で障がい者スポーツの用具と写真パネルの展示会を開催。そのうち八戸市では、パラアイスホッケーの体験会、地元チームによるエキシビジョンマッチの観戦会も行い、同社社員がボランティアとして運営サポートを行いました。

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社員の関心が高い競技の延長線上に、巻き込みのヒントがある

活動を展開する中で、新たな繋がりも生まれました。盲学校の甲子園ともいわれる全国盲学校野球(グランドソフトボール)大会神奈川大会(2014年)への協賛をきっかけに、横浜市立盲特別支援学校を訪問。その際、加藤さんはグランドソフトボールとサウンドテーブルテニス、ゴールボール、そしてフロアバレーボールのブラインドスポーツ4競技を体験しました。

「障がい者スポーツは、用具やルールを工夫すれば、障がいの有無にかかわらずだれでも一緒に楽しめると聞いていたのですが、この体験で得心しました」(加藤さん)

この体験は共生社会への理解にもつながる。そう実感した加藤さんは、社員にもぜひ体験してほしいと、同校と協力し、社員対象の「ブラインドスポーツ体験会」実施も決めました。なお、この取り組みは継続して行っており、社員と視覚に障害のある生徒たちとの交流の場にもなっています。

同社では、この「ブラインドスポーツ体験会」以外にも、車いすテニスなどの障がい者スポーツの体験会やボランティア活動を実施。社員たちは積極的に参加しているのですが、その背景には、加藤さんの気づきから生まれたある仕掛けがあります。

その仕掛けを生むきっかけとなったのが、2016年から協賛している「親子で楽しむチェアスキー教室」(日本チェアスキー協会主催)で聞いた社員からの声です。

「スキー検定1級取得者や指導員の資格を持っているなど、スキー経験者たちが集まってくれたのですが、みな自分が得意なことや興味のあることでボランティアができるのがいいねと言っていました。ならば、社員が好きな競技の延長線上にある障がい者スポーツなら、より多くの社員がボランティアや体験会に参加してくれるのではないか。そう気づけたのは大きかったです」(加藤さん)

この気づきを活かし、車椅子ソフトボールの大会のボランティア活動や競技体験会の際に、同社の工場や研究所にある野球チームを中心に声をかけたところ、参加者をスムーズに集めることができたそうです。以後、障がい者スポーツの大会ボランティアや体験会の参加者を募集する際は、愛好家のグループを意識して告知しています。また、一度、障がい者スポーツを体験した社員はその面白さに目覚め、他競技の体験会やボランティアにも積極的に参加するようになるという好循環も生まれました。

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デフサッカー選手の入社で、さらなる展開へ

こうした活動を通じて、障がい者アスリート支援の重要性もたびたび耳にしていた同社は、新たな決断をします。2017年に障がい者アスリート雇用制度を整え、2018年9月、デフサッカー・デフフットサル選手の設楽武秀(したらたけひで)さんを迎え入れたのです。デフとは耳が聞こえない、または聞こえにくいという意味で、デフサッカー・デフフットサルは「音のないサッカー」とも呼ばれる、聴覚障がいのある方(ろう者)が行うスポーツです。日本のデフサッカー・デフフットサル界をけん引する一人でもある設楽さんは、自身の競技活動と並行して、障がいへの理解促進や競技の普及活動への強い思いを抱いて入社。現在、サステナビリティ推進部社会貢献グループに所属し、障がいや障がい者スポーツの普及・啓発活動に携わっています。勤務は週に3日で、大会や合宿に参加する際は、自己負担分の遠征費用が同社から支援されています。

「自分の身体に向き合う時間が作れるようになったおかげでケガが減り、より競技に集中できるようになりました。2020年2月に、ヨーロッパのデフフットサルクラブ最高峰の戦いの場である欧州チャンピオンズリーグ(DCL)にアジア人として初めて出場したのですが、こうして競技活動の幅が広がっているのも当社に入社したからこそです」(設楽さん)

こうした活動の様子を社内のSNSを通じて発信。応援メッセージが寄せられるとともに、活動予定を知った社員が試合の応援に駆けつけてくれることもあるといいます。また、同社の「障がい者スポーツ体験会」に参加し、ブラインドスポーツも体験。体験ではアイシェードをつけて視界を遮断するため、もともと聞こえづらい上に見えない状態となるわけですが、トップアスリートらしく、「最初にどんなスポーツかを見てイメージを膨らませ、あとは気持ちで」(設楽さん)プレーしたと語ります。

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「この体験会を機に、目の見えない方とも友だちになれたのはうれしかったです。障がいの有無だけではなく、障がいが異なる者同士も仲間になれるし、一緒に頑張っていけるのだと分かりました」(設楽さん)

設楽さんの入社は、同社にとっても活動の幅を広げるきっかけになったと、加藤さんも喜びます。例えば、一般社団法人日本ろう者サッカー協会のゴールドスポンサーとなり、デフフットボールガイドブック『FLAG』の制作・発行を支援。また、社員とその家族や聾学校の生徒に向けて、デフフットサル体験会や交流会を開催。もちろん、社内体験会の際には、社内のフットサルチームを中心に声をかけています。

こうした活動に社員を上手に巻き込むことで、社員の意識に変化が生まれてきました。

「障がいのある方との関わり方が分かるようになり、街の中でも声をかけやすくなったとの声が挙がっています。また、障がいのある方と一緒に障がい者スポーツを楽しむことで、共生社会実現の大切さを実感し、理解するようになっています」(加藤さん)

さらに、人材開発面での効果も実感しているといいます。

「例えば、車いすソフトボール体験を通じて車いすで移動することの難しさを体感した社員たちは、車いすユーザーの立場で街を見られるようになります。このように、障がいや障がい者スポーツを知ることは、視点を変えた考え方や豊かな発想を身に着けることにもつながっていると感じています」(加藤さん)

同社の活動の目的は、障がいや障がい者スポーツへの理解促進から、活動の推進とともに「共生社会実現への貢献」へと自然と発展していきました。だからこそ、今後も共生社会をキーワードに障がい者スポーツに関わっていきたいといいます。

「パラリンピックに出場するアスリートたちは、本当に素晴らしいです。でも、それを見て、私にはできないとあきらめてしまう人がいるかもしれない。しかし、それではもったいないですよね。そうならないためにも、私たちはもっと敷居を下げ、障がいの有無にかかわらず、みんなで一緒にスポーツをしましょうというところを目指していきます」(加藤さん)

障がい者スポーツ支援を始めるにあたっては、まずは身近なところからが良いのではと語ります。

「例えば、家族向けの工場見学といった社内イベントの際に、車いす体験などから始めてみてはいかがでしょうか。また、現在、社会貢献活動をされているようでしたら、その延長線上にいる方に声をかけてみると良いかもしれません。世の中には、障がい者スポーツ支援をしたいと考えている方は案外たくさんいます。そうした方たちと協力し合い、モノや人、場所といった資源を出し合うことで、さほどコストをかけずに活動を始められると思います」(加藤さん)

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住所 東京都中央区日本橋室町二丁目1-1
電話 03・3281・6611(代表)
URL https://www.chugai-pharm.co.jp/
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