支援企業・団体の声
野村ホールディングス株式会社

シッティングバレーボールとボッチャで
社内のD&Iとコミュニケーションの活性化を推進

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東京2020大会ゴールドパートナー(証券)の野村ホールディングス。日本パラバレーボール協会のスペシャルトップパートナーとなったことを機に、パラスポーツの観戦や体験会を通じ、社内でダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の理解と普及を進めています。すでに東京2020大会後を見据え、D&Iを通じた豊かな社会の実現に向けて、この活動を一過性ではなく末永く続けるための体制を整えています。

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“一生涯”スポーツのサポートを通じて、社内のD&Iも推進

東京2020大会のゴールドパートナーとなったことを機に、パラスポーツ支援を検討し始めた野村ホールディングス株式会社。シッティングバレーボールの選手で、北京2008パラリンピックにて女子日本代表主将を務めた金木絵美さんが同社に在籍していたことから、一般社団法人日本パラバレーボール協会にヒアリングに訪れました。その際、同協会の真野嘉久代表理事から受けた説明が支援の決め手となったと説明するのは、同社コーポレート・シティズンシップ推進室の園部晶子室長です。

「シッティングバレーボールは、障がいの有無も性別も年齢も関係なく楽しめるスポーツであり、その意味では“障がい者”スポーツというより“一生涯”スポーツなのです、とのことでした。これは当社が経営戦略の一つとして掲げているダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進とも重なる。そう判断し、支援を決めさせていただきました」(園部室長)
https://www.nomuraholdings.com/jp/csr/paravolley.html
※PR動画「それは立ち上がらない、スポーツ」

同協会のスペシャルトップパートナーとなった同社は、社内への周知と浸透に向けて動き出します。その活動が本格化するきっかけとなったのが、役員に向けたシッティングバレーボールの体験会でした。

「これは当時の執行役員の発案で、社内浸透を促すには、経営のトップ層からとなったようです。トップ層が方針を示せば、それに呼応して全社がスムーズに動き出すところがあります。その意味で、役員がシッティングバレーボール支援やD&I推進への積極的な姿勢を示したことには大きな意味があったと思います」(園部室長)

役員による体験の様子を、社内イントラネットで発信。さらに、より競技を身近に感じられるようにと、社内の有志で、シッティングバレーボールチーム「チームNOMURA」を結成。2017年より全国大会に出場し始めました。

「実は最初の試合ではスポーツ自慢が集まっても1ポイントも取れませんでした。最近でこそ少しずつポイントが取れるようになってきましたが、苦戦続きであることに変わりはありません。こうした試合参加を通して、ルール次第で障がいの有無は関係なくなるということや、障がいは、障がい者自身ではなく取り巻く環境が作るということをつくづく実感しました。自社のチームがあることで社員の関心もより高まり、観戦者も増えたのですが、皆同じようなことを感じているようで、障がいやパラスポーツについて知り、自分ゴト化する良い機会となっています」(園部室長)

なお、2020年1月末までに、観戦会は11回開催し計557名が、体験会は18回開催し計439名が参加したそうです。

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社内コミュニケーションのツールとして広まったボッチャ

シッティングバレーボールと共に同社で広く親しまれているのが、ボッチャです。2017年夏に開催された企業対抗ボッチャ大会「Office de Boccia」(オリンピック・パラリンピック等経済界協議会主催)への参加を決めたことをきっかけに、役員による体験会を実施。その後、社員向けの体験会も開催し、希望者を募って参加しました。

同大会はその後、大阪や名古屋、札幌、仙台、広島、福岡といった全国の都市で開催されていますが、同社は全国に支店があることを活かし、支店を会場として提供。その際、会場である支店の社員もチームを組み、参加しています。

「ボッチャは参加者全員がボールに触れるため、参加者の当事者意識が高く、すごく盛り上がります。Office de Bocciaとともに、当社の全国の社員にもボッチャが自然と広まっていきました」

と語るのは、同社東京2020オリンピック・パラリンピック推進室の髙橋智彦室長です。

さらに社内のパラスポーツであるボッチャに対する関心を高めようと、2018年1‐3月期に、関東の部店を対象に社内対抗戦を開催したところ、のべ158部店が参加。練習会をした上で、予選会、そして決勝戦を行うという大掛かりなものでしたが、これをきっかけに更にボッチャが広がり、現在では、部店内の懇親会としてボッチャ大会が全国のあちらこちらの支店で自主的に開かれるようになっています。

同社でボッチャが親しまれているのは、競技への理解が進み、その楽しさが伝わっていることもあるでしょう。しかし、それだけではないと髙橋室長は指摘します。

「世の中の取り巻く環境変化によって、社内コミュニケーションのあり方が従来とは大きく変わってきていて、正直、マネジメント層は遠慮気味になりがちです。一方、上司ともっとコミュニケーションを取りたいと思っている部下もいて、双方で戸惑っています。その両者をつなぐツールとして、終業後に職場の空きスペースで手軽に楽しめるボッチャにスポットライトが当たっているのだと思います」(髙橋室長)

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地道な活動が現在の盛り上がりにつながっている

シッティングバレーボールをD&Iの促進へ、ボッチャを社内コミュニケーションの活性化へとつなげている同社は、さらにこれらを社外へ展開していきます。

シッティングバレーボールを支援している同社は、中田久美監督率いるバレーボール女子日本代表チームが世界で戦う姿にも共感し、2018年4月にオフィシャルスポンサー契約を締結。これを機に、多様なバックグラウンドを持つ人たちが一つのボールをつなぐ「バレーボール」という競技を通じてD&Iを推進し、豊かな社会の実現を応援する「Ball for All」プロジェクトを始動させました。

また、社内で行ったボッチャ対抗戦を社外へと拡大。2019年6月ごろから他企業とのボッチャ対抗戦を実施しています。この対抗戦のポイントの一つは、参加者の人選にあると髙橋室長は説明します。

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同社東京2020オリンピック・パラリンピック推進室
(右) 髙橋智彦室長 (左) 羅宇沢(ら・うたく)課長代理

「社内コミュニケーションに苦労している企業が多いような気がします。ですので、両社ともに幅広い世代で構成するようにしています。また当社からは、相手企業とかかわりのある部署のメンバーに出場してもらい、ビジネス面での両社の関係性がより深くなるような工夫をしています」(髙橋室長)

スペースに応じて参加人数は調整しており、1回につき40~50人ずつ、最大で80人ずつ160人で対戦。2020年1月末現在で、12社のべ1200名ほどが参加しました。

「パラスポーツの理解と普及が進み、社内のいろいろな部署を巻き込みながら、社内外のコミュニケーションが深まる。しかも、お互いのオフィスで行うので、コストもかかりません。通常のイベントに比べて、その効果は一石三鳥にも四鳥にもなっていると思います」(髙橋室長)

また、全国の支店で東京2020大会に向けた応援イベントも開催。近隣の商業施設や駐車場などの空きスペースを利用し、東京2020マスコットやオリンピアン・パラリンピアンの講演会とともに、ボッチャ体験会を実施しています。このイベントは子どもを中心とした家族連れを対象としており、普段あまり業務上で接することの多くない地域の方々に同社を知ってもらう良い機会にもなっています。さらに、お客様向けセミナーや小・中学生向けの金融経済教室を行う際も、会場にボッチャコートを併設して体験の機会を提供し、こうした活動をイントラネットを通じて発信。その成果を知った全国の支店から開催希望が届くようになりました。

「現在、当社ではボッチャセットを6セット所有しているのですが、部店内の懇親会やイベント、セミナーなどへの貸し出し依頼が増えており、最終的には、2019年度の一年間で100を超える部店に貸し出すことになりそうです」

と、同室の羅宇沢(ら・うたく)課長代理も手ごたえを感じているようです。

東京2020大会本番が迫るに従い、同社ではこうした活動が全国で活発化しているわけですが、それもこれまでの地道な活動があってこそ、と羅課長代理は語ります。

「当社の東京2020オリンピック・パラリンピック推進室が立ち上がったのは2015年12月で、私が着任したのが2016年3月です。実はシッティングバレーボールもボッチャも、最初はイントラネットでの告知だけではなかなか参加者が増えず、一人ひとりに声をかけたり、メールを送ったりしながら、地道に参加者を増やして来た背景があります。当時にしてみれば東京2020大会は数年先のことですから、関心が集まらなかったのも当然だったと思います」(羅課長代理)

「誰でも業務以外の活動は面倒に感じるものです。ところが、実際に趣旨を説明し体験してみると、いいね、面白いね、なるほどねと、次からは自主的に参加するようになります。そういう姿を見ると、やはり最初は多少強引にでも誘い、“来て、見て、触って”という体験をしてもらうことがポイントだったのではないかと思います」(髙橋室長)
そのうえで、タイミングも重要だったと振り返ります。

「社内のボッチャ大会も企業対抗戦も、そして東京2020大会応援イベントも、実は本番の1年前というタイミングを見計らって仕掛けました。パラスポーツ関連イベントを企画する場合、開催理由を求められることが多いかと思いますが、〇日前だからというと説得性・納得性が増し、ではやってみようかとなる。それを見越してのことです」(髙橋室長)

その結果、参加者が増え、現在の活発な動きへとつながっているわけです。

こうした取り組みは、東京2020大会をきっかけにしてはいますが、決して一過性のものではないと、園部室長と髙橋室長は力強く語ります。

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同社コーポレート・シティズンシップ推進室 園部晶子室長

「東京2020大会の閉幕とともに、企業による支援も終わるのではと心配されている競技団体さんや選手がいらっしゃるようです。しかし、私たちはこの盛り上がりを継続させたいと思っていますし、パラスポーツを一緒に育てていきたい、そしてより豊かな社会の実現につなげていきたいとの強い想いで関わらせていただいています。だからこそ、シッティングバレーボールは、CSRを担う私たちの部署で担当させていただいています」(園部室長)

「東京2020大会があったからこそ、当社にパラスポーツを通じたD&I推進という機運が生まれましたし、最近、その土壌ができつつあると感じています。また、個人的には社外人脈が大きく拡がり、当社の人事制度や働き方、社会貢献活動などを客観的に見つめ直す貴重な機会ともなりました。私どもの部署(東京2020オリンピック・パラリンピック推進室)は東京2020大会とともにその役割を終えますが、この活動で得た知見を糧に、当社の未来を見据えた様々な活動・社内価値観の変化へと結び付けていきたいと思います」(髙橋室長)

野村ホールディングス株式会社
担当部署 東京2020オリンピック・パラリンピック推進室(所属人数:9名)/コーポレート・シティズンシップ推進室(所属人数:13名)
住所 東京都千代田区大手町二丁目1-1
電話 03・3278・0725(代表)
URL https://www.nomuraholdings.com/jp/tokyo2020/
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20200323

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