支援企業・団体の声
株式会社オーエックスエンジニアリング

世界のトップアスリートが信頼を置く競技用車いす
手に入りやすくすることで、車いすスポーツの普及を目指す

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競技用車いすを手がけるオーエックスエンジニアリング。創業者が車いす生活となったことをきっかけに、オートバイ販売店から車いす事業へと転換。競技に関わる喜びとやりがいを胸に競技用車いすを開発、数々のメダル獲得に貢献しています。競技レベルに関係なく、一人ひとりの選手にとってのベストな競技用車いすを提供すべく努力を重ねています。

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オートバイから車いすへ、事業を転換

車いすの開発・製造・販売を行う株式会社オーエックスエンジニアリング。日常用に加え、競技用車いすも手がけており、国枝慎吾選手や上地結衣選手(ともに車いすテニス)、佐藤友祈選手(陸上)など、世界のパラスポーツ界をけん引するトップアスリートたちに同社の製品を提供し、サポートしています。

同社が車いす事業に乗り出したのは、1992年のこと。それ以前は「スポーツショップ イシイ」として、オートバイの販売を手掛けていました。

「当社の創立者である故・石井重行は、もともとモーターサイクルレースのライダー兼ジャーナリストだったんです。自社で開発したパーツを搭載したオートバイでレースに出場し、結果を出すことで、自社が扱う製品を広く知っていただき、販売につなげるというスタイルでした」

と説明するのは、同社広報室の櫻田太郎さんです。

この戦略はうまく行き、業績も好調だったといいます。ところが1984年、新型車の試乗中に事故で脊髄損傷を負い、石井前社長は車いす生活となります。それからは、乗り物好きのアクティブ派らしく自分にぴったりの車いすを求めて次々と乗り換えていきました。しかし、デザイン面でも機能面でも、なかなかこれという一台と巡り合えなかったそうです。

無いならば、作ればいい。そう考えた石井前社長は、オートバイの販売を続けながら、自社の工作機械を使い、自分用の車いすの製作を始めます。最初は市販車の改造から始め、次第に一から作るようになっていったそうです。

そして1990年、ドイツで開催されたオートバイの展示会を訪れた際、現地の記者からお手製の車いすを称賛されたのを機に、事業転換を決意します。

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「世の中には、自分同様、もっとアクティブに動けて、デザイン的にも魅力のある車いすに乗りたい人がいるのではないかと思ったようです。オートバイブームが収束に向かう時期でもあったことから、思い切って事業転換を決めたと聞いています」(櫻田さん)

とはいえ、市場調査を行ったわけでも、明確な根拠があったわけでもなかったとのこと。同社は石井前社長の直感と決断力、そして類まれなる行動力に導かれて、新たな道へと踏み出すことになりました。

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競技用車いすに取り組み、数々のメダル獲得に貢献

同社は車いす業界全体から見れば、後発です。そのため、最初からターゲットを絞る戦略を取りました。日常的に車いす使用し、外出する機会が多い方にも使いやすい日常用車いすを、オーダーメードで提供することとしたのです。

「乗りたくなる、出かけたくなる車いすを目指し、機能やデザインにこだわりました。塗装だけでも100色以上用意しています」(櫻田さん)

また、これと同時に競技用車いすを手掛けることも決めました。

「競技用をアスリートに提供し活躍していただくことで、私たちのことや製品について広く知っていただく、という発想です。これはオートバイ事業とまったく同じ考え方です」(櫻田さん)

とはいえ、当時はパラスポーツについての知識は皆無だったといいます。ところが折よく、同社が競技用車いすの開発・製造に乗り出すと聞きつけたパラアスリートがいました。元陸上と車いすバスケットボールの選手で、1990年から車いすテニスに転向していたパラスポーツ界のレジェンド、星義輝さんです。星さんらの依頼を受け、同社は4輪型のテニス車と、形が似ているバスケットボール車の開発をほぼ同時期に着手。テニス車は1993年5月、バスケットボール車は同9月に発売しました。

この出会いは非常に重要でした。星さんが後にコーチを務めた千葉県柏市のTTC(公益財団法人 吉田記念テニス研修センター)車椅子テニススクールに、同社のテニス車が備品として置かれるようになります。やがて齋田悟司選手や国枝慎吾選手といったトップ選手も同社のテニス車を使用するようになり、選手たちの活躍とともに、車いすテニス界における同社の国内シェアも高まっていくのです。

また、同社は1994年より陸上用車いす(レーサー)の開発にも乗り出しました。まだ事業としては苦戦していた時期でしたが、短距離ランナーの畝(うね)康弘選手を社員に迎え入れて開発。その結果、畝選手は1996年のアトランタパラリンピック陸上男子200m(T52)にて、世界新記録で金メダルを獲得します。当時、米国製レーサーが主流だった陸上界において、初めて日本車が金メダルを獲った――。このニュースは瞬く間にパラスポーツ界を席巻、オーエックスエンジニアリングの名を広く知らしめることとなりました。

以後、同社はサポート契約を結んだ国内外の選手たちに競技用車いすを提供。1996年のアトランタから2016年のリオまでの夏季・冬季パラリンピックで、実に122個ものメダル獲得に貢献してきました。

「選手の皆さんに当社の車いすを使っていただき、その使用感や世界の動向をフィードバックしていただく。それを反映してまた次の開発に活かす。この繰り返しが現在につながっていますし、多くの選手が活躍してくださることで、当社の製品を知っていただく機会も増えていると思います」(櫻田さん)

なお、同社の日常用車いすは、2000年にテレビドラマで採用されたことをきっかけに人気に火が付くとともに、同社のサポート選手たちに使用してもらうことでも広く知られるようになっていき、売り上げを順調に伸ばしていきます。現在の競技用と日常用の販売台数の割合は、1対9とのことです。

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車いすスポーツをもっと多くの方に楽しんでいただくために

同社の競技用車いすの特徴の一つは、トップアスリート用もパラスポーツ愛好家用も同じ材料、同じ製造工程で作られていることにあります。

「全ての製品を同じ条件で製造することで、スポーツを身近で楽しく感じていただけるようにしています。主な材料にはアルミニウムを使用し、カーボンを使用する機種の場合は、多くの選手にご使用いただけるよう、設計を工夫し価格を抑える努力をしています。また、すべてのオーダーに対し、乗る方の身体状況やプレースタイルを考慮しながら、シートの幅や高さ、位置、ホイールやハンドリムのサイズなどを細かく採寸。簡単な図面を起こし、それをもとにさらに打合せを重ねてから製造に入ります」(櫻田さん)

そこには、車いすスポーツをもっと盛り上げたいという想いが込められています。

「東京2020大会に向けて、たしかにパラスポーツは注目されるようになりましたが、当社としては、もっとスポーツを始める車いすユーザーが増えて欲しいと考えています。当社の社員たちはスポーツやレースが好きで、そこに関わることがやりがいであり、喜びでもある。だからこそ、創業の苦しい時期から続けてきましたし、車いすスポーツの楽しさを一人でも多くの方に知っていただきたいと思っています」(櫻田さん)

車いすスポーツの愛好家を増やすためには、次世代の育成も重要でしょう。同社では、子どもたちがもっと気軽にスポーツや遊びを楽しめるようにと、楽に動けて、ターンもしやすいキッズモデルも発売。サイズを2種類に絞ることで価格を抑えたところ、好評だそうです。

さらに、同社ではバドミントン用の車いすも開発、同種目の2選手を含む34選手をサポートしています。競技の特性によって、車いすの特長も大きく異なり、例えばテニス車は旋回性を重視し、タイヤの八の字の角度は大きめですが、バスケットボール車は狭いコートの中で選手間に入り込まなければならないため、その角度は小さめです。また、バドミントンでは、前後の動きが多いため、スタート&ストップの性能を重視するとともに、上体が後ろに大きく反っても転倒しにくいよう安定性を高めています。さらに、陸上用のレーサーは、直進安定性を高め、風の抵抗を受けにくいよう流線型にしたり、ホイールのスポークの数を極限まで減らしたりしています。

同社の技術が詰まった競技用車いすを選手たちがどのように操作し戦っているか――。今後、観戦をする際には、そんなところに注目してみるのも面白いかもしれません。

株式会社オーエックスエンジニアリング
住所 千葉県千葉市若葉区中田町2186‐1
電話 043・228・0777(代表)
URL http://www.oxgroup.co.jp/
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20200324

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