支援企業・団体の声
ピップ株式会社

商品サプライヤーとしての活動からパラスポーツ支援を開始
小さくても一歩踏み出すことの重要性を実感

「ピップエレキバン」や「スリムウォーク」といったヘルスケア用品、日用品、健康食品などの製造・販売を手がけるピップ株式会社。同社では、スポーツケア総合ブランド「プロ・フィッツ」を日本知的障がい者陸上競技連盟に提供する活動を通じて、パラスポーツ支援を行っています。

ブランドのリニューアルが、パラスポーツ支援のきっかけ

ヘルスケアカンパニーのピップ株式会社は、長年の歴史のなかで培ってきた「もの作りに対する品質へのこだわり」を大切に、2019年1月ごろから企業としてのブランディングを強化。また、それと時を同じくしてスポーツケア総合ブランド「プロ・フィッツ」を2019年2月にリニューアル。ブランドのリニューアルとタイミングを同じくして、日本知的障がい者陸上競技連盟への支援を決めました。

また、同社の理念とTEAM BEYONDの活動に共通するものを感じたことから、TEAM BEYONDにも参加。現在は、商品のサプライヤーとして、パラスポーツ支援に取り組んでいます。

「支援がスタートしたのは、2019年11月24日に山梨県で開催された富士山マラソンにブースを出展した際、たまたま知的障がい者陸上連盟の事務局の方とお話をしたのがきっかけです。当時、どういった形でパラスポーツ支援をしたら良いのか分からない状況だったので、事務局の方に直接伺い、まずはお金やモノの支援が効果的だと知りました。当時の連盟は財政が潤沢ではなく、練習に使う消耗品などの購入に手が回らないという状況にあるとのことでしたので、同社の商品を提供するという支援であればスピード感を持ってできると判断し、パラスポーツ支援がスタートしました。」と、説明するのは、商品開発事業本部 ブランド戦略本部 スポーツライフブランド ブランドマネジャー(課長)の松浦由典さんです。

支援企業・団体の声 ピップ株式会社 画像01 | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト

「商品の提供だけでなく、大会へ応援に行ったり、その競技会場にブースを出展して選手を直接サポートするなどの活動をする予定でした。しかし、新型コロナウイルスが流行した影響で開催予定の大会がなくなり、直接的なふれあいが難しくなってしまったため、今後の状況を見ながらどのように進めていくかを検討しているところです。」(松浦さん)

社内のパラアスリートも積極的に支援

同社では、日本知的障がい者陸上競技連盟への商品提供だけでなく、社内にいるパラアスリートを応援することでも、パラスポーツ振興に携わっています。支援内容について説明するのは、人財採用・企画室  人事企画担当の新井初佳さんです。

「当社には、佐賀にある九州物流センターでパートとして勤務している山本駿太という、知的障がい者卓球の選手がいます。会社として彼の活動を支援することを始めました。」(新井さん)

支援企業・団体の声 ピップ株式会社 画像02 | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト

九州物流センターでは、もともと佐賀の特別支援学校の生徒を研修や実習という形で受け入れる社会支援を行っていた経緯もあり、山本選手もその流れで2018年に入社したそう。同所のセンター長が卓球をやっていた縁もあり、『山本選手の応援はできないか?』という話があがったのが支援のきっかけでした。現在では、遠征費など金銭面でのサポートと、同社のスポーツブランドの商品や磁気製品の提供を行っています。

また、社員を巻き込むための取組の一環として、HPや社内報の「蘖(ひこばえ)」に山本選手の試合結果を載せたり、取材で取り上げてもらった場合には社内掲示板に掲載するなどして、まずは社員にパラアスリートがいるということを認知してもらえるようにしています。

山本選手が働く九州物流センターでは、朝礼で試合の結果を伝えるなどの活動もしています。そうした取組の結果、センター内では、周囲の社員からのサポートも得られるようになりました。山本選手は9時~17時で雇用契約を結んでいますが、14時以降は練習に充てて良いという時間になっています。14時以降の仕事は他のパートさんがサポートするなど、協力体制が整っているとのこと。

「山本選手も実際に工場のラインに入って商品のピックアップなどの作業をしてくれていますが、筋トレになるからと重い荷物などを積極的に運んでくれます。周りからの評判も良いですよ。」(新井さん)

支援を通じ、社員だけでなくパラスリートの気持ちにも変化が

同社では、「プロ・フィッツ」を2019年の2月にリブランディングしました。新しいビジョンのなかに「スポーツを楽しむすべての人からケガや疲労の不安を取り除き、『スポやかに生きる(スポーツを通じて健やかに生きること)』未来に寄り添う」というものがあります。

「スポーツを楽しむすべての人とは、障がいのある・なしに関わらず、スポーツが好きで、スポーツを楽しみたいという思いがある人すべてを指します。当社としては、『スポーツを愛する人すべてを応援するブランドでありたい』という思いがあり、商品サプライヤーとしての活動を通してその思いを伝えることで、ブランド価値の理解が進んだという声が社員から聞かれるようになりました。社員のブランドに対する愛着や誇りが強まったと思います。」(松浦さん)

パラスポーツ支援を通して、社員だけでなくパラアスリートの気持ちにも変化があったと新井さんは言います。

「山本選手本人は『これだけ競技をやらせてもらってうれしいです。』と言ってくれています。お母さまからは『これまでは自分から何かをしたいということがなかったが、本人からこれまでの練習場から違う練習場に変えたいという要望が出てきて感動した。周りの皆さんから応援してもらっていることを本人もすごく感じていて、意識が変わってきているのではないか』という話を聞きました。あまり積極的な性格ではなかったそうですが、最近は『勝ちたい』という意欲が出たり、『勝つためにはどうしたらいいか』という分析を、山本選手本人が考えるようになったそうです。」(新井さん)

実は新井さんも陸上の元日本記録保持者で、ピップ株式会社からの支援を受けていたとのこと。その経験もあって、パラスポーツ支援の担当になりました。アスリート経験を持つ新井さんだからこそ、選手の立場になって支援策を考えられるのです。

「応援の声があると『頑張ろう』という気持ちになることを、現役時代に体感していました。『何か大きなことをしなきゃ』というのではなく、小さなことで良いので支援に一歩踏み出してもらうと、選手としてもうれしいと思います。」(新井さん)

社の方針や事業の延長で何ができるかを考える

パラスポーツ支援は、費用対効果の観点で効果が見えにくいという点がネックとなり、躊躇する企業が多いのが現状です。同社でもその難しさを感じてはいますが、それでも一歩踏み出すことが大切だと松浦さんは言います。

「業績への貢献を求められるなかで、いかに価値を見出すか。どうすればシナジーを発揮して自社の業績に関係させるか。これが大切だと思います。ゆくゆくはしっかりと業績に貢献できるように活動することを考えると、事業に全く関係のないことに着手するのではなく、自社の方針や事業の延長線上にある分野に対してどういった取組ができるかを考えるのが重要。まずは、小規模な支援から始めてみるのがおすすめです。活動を始めることでアンテナが立ちますし、パラスポーツに対する理解も少しずつ広がっていきます。」(松浦さん)

支援活動の次のステップとして、同社では大会の視察やブースの出展、実際に選手へ直接テープを貼るなどの活動をしたいと考えています。特にいま支援している日本知的障がい者陸上競技連盟の選手からは「テーピングをもらってもなかなか自分で貼れない」という声があがっているため、自分でできるようなシンプルな貼り方などを実際に現地へ行ってレクチャーすることを計画しています。

また、元アスリートの新井さん個人としては、選手を応援したいという気持ちがあるそうです。

「元選手としても、選手を雇用して支援するというのが理想です。『プロ・フィッツ』のブランドとして選手を雇って、ブランド名を付けて試合に出てもらうというところまで発展できたらいいですよね。コロナ禍で困っている選手も多いので、一人でも多く支援できたらと思います。」(新井さん)

ただ、新型コロナウイルスの影響がいつまで続くか分からないため、いまは別の方向での支援法も探っています。

支援企業・団体の声 ピップ株式会社 画像03 | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト

「一般の消費者の方が普通に生活しているなかで、パラスポーツの情報が自然に入ってくることが少ないのではないかと思います。『障がいがあってもこんなに頑張ってスポーツに打ち込んでいる人がいるんだ』ということを知るだけでも、それが励みにもなったりもしますよね。だからこそ、パラスポーツに関わる団体を取りまとめて情報を発信しているTEAM BEYONDの活動にはとても意義があると思っています。」(松浦さん)

1人でも多くの方に興味をもってもらうためにも、TEAM BEYONDから情報を発信することでパラスポーツの認知や理解をさらに広げてほしいと、松浦さんは期待しているそう。新井さんもTEAM BEYONDの活動を通して、「見る機会」「触れる機会」をもっと増やしてほしいと言います。

「私自身は元コーチがパラ陸上に携わっているなど、さまざまな関りがあるので情報が入ってきますが、そういったつながりがないと、なかなか自分から情報を探しづらいのが現状です。TEAM BEYONDの活動を通して、もっとたくさんの人に届けばうれしいです。」(新井さん)

支援企業・団体の声 ピップ株式会社 画像04 | TEAM BEYOND | TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト

コロナ禍においてもできることとして、TEAM BEYONDではパラスポーツ大会のオンライン観戦会などを再開。松浦さんの言う通り、「小さなことでも一歩踏み出すこと」が大切です。同社でも、コロナ禍の今だからこそできる支援や活動を検討しているそう。同社の商品を使ったパラアスリートがいかに記録を伸ばすのか――。そんな点に着目しながら、障がい者スポーツを観戦してみるのも面白いかもしれません。

ピップ株式会社
担当部署 人財採用・企画室 人事企画担当、ブランド戦略本部 スポーツライフブランド
所属人数 1,732名
住所 大阪府大阪市中央区農人橋二丁目1番36号
電話 06-6941-1781
URL https://www.pipjapan.co.jp/
  • 協賛 協賛
  • アスリート雇用 アスリート雇用
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