支援企業・団体の声
オイシックス・ラ・大地株式会社

車いすラグビー連盟に社員を出向
組織の内側から積極的にサポート

安心・安全に配慮した野菜、ミールキットなどの定期宅配サービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社。「これからの食卓、これからの畑」を企業理念に、食の社会課題をビジネスの手法で解決するというミッションの一環で、車いすラグビーをはじめとする、数種目のスポーツを積極的に支援しています。

車いすラグビー連盟の事務局機能を強化すべく社員を出向

オイシックス・ラ・大地の本格的なパラスポーツ支援は、代表取締役の髙島宏平社長が、2017年に公益社団法人経済同友会の「東京オリンピック・パラリンピック2020委員会」委員長に就任したことがきっかけです。

髙島代表は委員長としてパラスポーツ支援に携わる中、翌2018年には一般社団法人日本車いすラグビー連盟(当時は一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟)理事長に就任。こちらは、2016年から同連盟のオフィシャルサプライヤーとなっていたこととも関係しますが、髙島代表が理事長になったことで、より車いすラグビーを活性化するためにオイシックス・ラ・大地としても一歩踏み込んだサポートを開始することに。

「それが、日本車いすラグビー連盟への出向でした。」と語るのは、オイシックス・ラ・大地のソリューション事業本部 副本部長兼 アライアンス統括を務める星 俊作さん。星さん自身も現在、日本車いすラグビー連盟に「兼務出向」し、渉外委員会を担当しています。

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「2016年に連盟のオフィシャルサプライヤーとして関わりができてから、日本代表選手の遠征試合や合宿時に当社商品の食材を提供したり、連盟WEBサイトのリニューアルなど本業を活かした支援を行ってきました。連盟の状況を知るにつれ、社としても髙島を中心に『もっと役立ちたい』という意識が高まり、2018年に髙島が理事長になったタイミングで同連盟の事務局機能を強化すべく、社員3名を兼務出向させていただくことになったのです」(星さん)

パラスポーツの中でも、日本の車いすラグビーは強豪のひとつ。オフィシャルサプライヤーとなった2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは銅メダルを獲得。2018年には世界選手権で優勝し、東京2020パラリンピックでも銅メダルに輝きました。支援を開始した当初はオイシックス・ラ・大地の中でも認知は低かったものの、日本代表の活躍などによって社内にも一気に浸透。

現在ではさらに支援の幅を広げ、2017年の秋から一般社団法人日本ゴールボール協会への食材支援を開始。さらに健常者スポーツの面でも、公益社団法人 日本フェンシング協会への支援を2021年秋から始めるなど、スポーツ全般の食を支える活動を広げています。

部署を超えた有志によりスポーツ支援チームを組織

オイシックス・ラ・大地では、食における支援に関してプロジェクトチームを組織しているのも特徴。星さんとともに出向で兼務にあたる前田有香さんが、活動内容などを教えてくれました。前田さんは同社経営企画本部 経営企画部 経営企画セクションと、日本車いすラグビー連盟の企画委員会を兼任しています。

「本業とは垣根を超えた活動を活発にするため、当社には有志による組織制度があり、その一環でスポーツ支援プロジェクトに関わりたいメンバーを募集したところ15名が集まり、現在はそのメンバーで運営しています」(前田さん)

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15名は、たとえば本業で食品の商品開発を担当するメンバーが知見を生かして選手のメニューを考案したり、デザイナーが車いすラグビー関連のグッズなどのデザインをしたり。またプロジェクトの役割分担でも、食材支援をメインに行うチームと、社内での一体感醸成を担当するチームの2つがあり、後者では応援や観戦の案内をしたり、社内イベントを企画したりとさまざまな活動をしています。

「社内イベントとしては、たとえば日本代表選手を招いた講演会がありました。一流のパラアスリートの考え方や成功・失敗体験などを直接聞くことで、社員にも選手を応援しようという気持ちが高まりますし、同時にダイバーシティ理解のための一次体験を得る機会にもなっていると思います」(星さん)

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「コロナ前は練習の見学や、大会を観戦応援する企画などを立ち上げました。会場までの交通費は会社が負担し、皆で同じTシャツを着て応援することで、部署を超えた交流ができていたと思います。昨年のパラリンピックはコロナの関係で、オンラインを使ったパブリックビューイングで応援しました。解説は私が行い、車いすラグビー連盟で作ったうちわを参加者に配り、観戦する際の食事代金も負担し、それぞれが自宅にいながらも、一体感をもって応援ができたと思います」(前田さん)

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コロナ前に行われていた練習の見学時には、終了後に社員が自主的に後片付けを手伝ったり、選手と会話をしたり。また、協賛している企業同士で体験会や試合を行ったこともあったそう。

「実際に関わってみると、思っていた以上にパラスポーツにはそれを支えるための役割がたくさんあり、人手もたくさん必要だと体験的にわかるはずです。競技の魅力や奥深さを知るためにも、実際に触れることがきわめて大切であり、早くまた活発にパラスポーツの体験や交流をできる日が来てほしいですね」(星さん)

一歩踏み込むと本業にもリンクする社会課題を発見できる

パラスポーツ支援の活動が、オイシックス・ラ・大地の業務や社員に与えた影響はさまざま。たとえば、それまで接点がなかった部署の社員同士が共通のプロジェクトで活動することにより、刺激やシナジーが生まれたり。また社員の声としても「普段は障害のある方と接することは少ないので、イベントを通じて積極的に関わる機会になりました」など、ダイバーシティ感覚の育成に大きく寄与しているそうです。

オイシックス・ラ・大地ではアライアンスを、日本車いすラグビーでは渉外を担当する星さんも、現在の業務兼務が双方のメリットになっていることを実感していると言います。

「日本車いすラグビー連盟の活動をしていると、当社の事業だけでは絶対にお会いすることのなかったような業種や企業の方と交流する機会が生まれます。その出会いや経験が、本業のアライアンスに役立つことも少なくありません。当社のように出向まで行う企業は現段階では少ないかもしれませんが、今後増えていくといいなと思います」(星さん)

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とはいえ、人材を出向させることはそう簡単ではありません。オイシックス・ラ・大地の場合は、もともとの社風として副業が認められているなど人事制度が柔軟であり、良い意味での“ゆるさ”があるのだとか。

「就業規則や兼業といったことを厳密に突き詰めると、ルールに合わないことが出てきてしまうかもしれません。しかし、それがパラスポーツの支援ができない理由であればもったいないと思います。当社には社員のやりがいを重んじ、柔軟に対応しようという企業文化があり、そこに関しては私自身感謝しています」(星さん)

運営側に当事者として一歩踏み込むことで、競技の魅力や課題に気づけるうえ、本業にもリンクする社会課題を見つけることが可能に。同社の場合でもパラアスリートへの食材支援をする中で、本業に有益な業務に気付きを得ることが多々あるとか。

たとえば、手に障害のある方の場合はスプーンやフォークといったカトラリーに関しても配慮が必要であること。また、視覚障がいの場合は調味料の計測が難しいためミールキットが重宝されるなど。ユニバーサルな視点を得ながら、食分野におけるSDGsの取り組みをより積極的に展開させていきたいと前田さんは言います。

「SDGsの観点では、当社はフードロスやアップサイクルにも取り組んでいますが、アスリートの栄養学やパラスポーツの視点を取り入れ活用することで、より新しい価値も生み出せると思っています。スポーツ支援プロジェクトのメンバーとも意見交換しながら、お客様へのサービス向上にも役立てていきたいです」(前田さん)

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パラスポーツとビジネスを連携させ、双方の発展に寄与させている同社。他のスポーツでも企業が出向など積極サポートすることで、その分野でも新たな価値が生まれるはず。オイシックス・ラ・大地は、そのシナジーを生んだ企業の好例として、今後ますます注目されることでしょう。

オイシックス・ラ・大地株式会社
住所 東京都品川区大崎1丁目11番2号 ゲートシティ大崎 イーストタワー5階
URL https://www.oisixradaichi.co.jp/
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  • 体験会・講習会 体験会・講習会
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