「みんなでパラスポーツを盛り上げたい」走高跳・鈴木徹選手は観客と共に大きな目標に挑む

2017.06.28

義足のパラリンピアン、鈴木徹選手。走高跳で2m02の記録をマークしており、世界でも活躍が期待される陸上選手です。

「鈴木選手が出場するパラ陸上に駆けつけ、間近でエールを送りたい」

そんな思いをもった「TEAM BEYOND」メンバーが、試合当日、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場に集まりました!

競技場には鈴木選手を応援しようと50名を超えるメンバーが集合!お一人で参加されている方からご夫婦、親子連れまで、幅広い年齢層です。

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競技場の外には、TEAM BEYOND特設ブースを設置。twitter風パネルでは、笑顔で写真撮影をする子どもたちもいました!

メンバーのみなさんはおそろいの「TEAM BEYOND」のTシャツを着て、スティックバルーンを持って客席にスタンバイ!
短距離走や円盤投など様々な競技が行われているのを観戦しながら、鈴木選手の登場を待ちます。

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観客の手拍子とともに鈴木選手が記録にチャレンジ!

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様々な競技が行われる中、いよいよ鈴木選手の出番となりました!
入念なウォームアップの後、いよいよチャレンジが始まります。

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鈴木選手は1m86cmの跳躍で一度失敗しますが、2回目に無事成功。
続く、1m89cmは一度目で見事にクリア!

鈴木選手も観客席も、思わず成功後に小さくガッツポーズ。

鈴木選手自身がもつ日本記録に向けて、どんどんバーの高さは上がっていきます!

でも1m92cmの高さで、一度目は赤旗、二度目も赤旗。次に失敗してしまうと、後がなくなってしまいます。

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「絶対に成功したい」
このタイミングで鈴木選手は、三度目の挑戦に向けて会場に拍手を促すパフォーマンス!

会場の応援は、緊張の中、記録に挑む選手にとって大きな力となります。
鈴木選手の思いに応えるかのように、観客席はリズムを合わせて大きな手拍子をはじめました!

選手と会場が、一体となる瞬間。熱気が高まります。

会場中の大きな応援を受けて、鈴木選手、最後のチャレンジ!!

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鈴木選手は力強く、高く舞い上がります。

惜しくも三度目の跳躍は失敗。鈴木選手は、少しだけ悔しそうな表情を見せ、観客席に一礼をしてこの日の競技を終えました。

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観客席の応援がチャレンジへの力になる

実は、この日は調子が良くなかったという鈴木選手。競技後に伺うと、会場を味方につけてエネルギーをもらいたいと考え、拍手を促したそうです。

「今日は皆さんにいいジャンプを見せることはできなかったんですが、みなさんの手拍子で元気をもらえて嬉しかったですね。試合後半になると疲れがでてきますが、応援の声をもらうと、自分の力が大きくなる気がするんです。」

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試合は選手が孤独に戦うものではなく、会場にいる観客も一緒になって行うことができるもの。鈴木選手はそう語ります。

「記録をつくるためには、会場の雰囲気も重要なんです。海外ではスポーツの試合中に、自然と拍手や観客席でのウェーブが起こって、盛り上がることもあります。日本でも観客のみなさんと一体感を持って試合を楽しみたいですよね。」

鈴木選手の合図に応じて、観客席から拍手をしていた「TEAM BEYOND」メンバーのみなさんは、どういった気持ちで試合を応援していたのでしょうか?

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親子で参加していたあるお母様は、以前からパラスポーツに関心があり、せっかく観戦するのであれば子どもにも見せてあげたいという思いだったそう。

「迫力があるし、義足でも足が速くて、すごいなあって思います。」 (お嬢さん)

生活の中で、車椅子ユーザーには出会うものの、パラアスリートの競技に挑む姿は見たことがなかった。そんな娘さんの笑顔からは、純粋な気持ちで選手の姿に感動しワクワクしていることが伝わってきます。

客席で祈るように鈴木選手を応援していたのは、自身も障害があるという女性。

「私は障害を理由にスポーツをあきらめてしまっていたんです。でも今日、競技に挑む鈴木選手から勇気をもらいました。」

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「点」ではなく「線」で応援しよう

鈴木選手の試合はこれで終わりではありません。日々の練習、そして大切な試合も控えています。応援する側は、どのように選手を応援していくと良いのでしょうか。

試合後に行われた鈴木選手とメンバーのみなさんとのトークセッションで、鈴木選手に伺ってみました。

「今日はいい記録は出せませんでしたが、調子が悪いときもあればいいときもあります。ぜひ 「点」ではなくて「線」として見て、選手を継続的に応援してもらえると嬉しいですね。」

より線で応援していくために必要なのが、試合当日以外の応援です。直接会うことはできなくても、応援する方法はたくさんあるのだと鈴木選手は言います。

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「SNSを使った応援はとても嬉しいですね。パラスポーツを広めるには、僕たちだけだと力不足な部分があります。なので、「TEAM BEYOND」メンバーをはじめとした、みなさん一人一人がメディアになって、パラスポーツについて発信してもらいたいです。それだけ、知ってもらうきっかけが増えるはずですから。」

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