〝静寂と熱狂〟を体験! ~IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019~

2019.03.29
〝静寂と熱狂〟を体験! ~IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019~

品川区の天王洲公園では、3月19日から24日まで、「IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019」が開かれました。日本をはじめ、前回大会優勝のアルゼンチンやスペインなど世界ランク20位以内の強豪国、合わせて8か国が参加し、激戦が繰り広げられました。

ブラインドサッカーはアイマスクをして、音と声を頼りにプレーする5人制のサッカーで、東京2020年パラリンピックの正式競技です。コートのサイズは40m×20mですが、サイドラインには壁が設けられていて、スローインはありません。

〝静寂と熱狂〟を体験! ~IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019~
〝静寂と熱狂〟を体験! ~IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019~

ボールは転がると音が出るように金属のパーツが埋め込まれています(※写真赤丸部分)。
競技中、選手は音や声を手掛かりにプレーをする為、観客は静かに試合を見守ることが求められ、タイムアウトなどのプレーがきれた時を除き、プロ野球やJリーグなどのスポーツ観戦についてまわる、試合中の声援や鳴物の応援もありません。「シャカシャカ」と鳴るボールの音や選手同士が激しくぶつかり合う音が間近で響きます。しかし、ひとたびゴールが決まれば会場は大歓声に沸き立ちます。この「静寂と熱狂」こそがブラインドサッカー観戦の醍醐味です。

大会最終日の24日、TEAM BEYONDメンバーの約50人が20年東京パラリンピックの前哨戦ともいえる激戦を体感しようと、会場に訪れました。

TEAM BEYONDメンバーは、日本が臨んだ3位決定戦や決勝のアルゼンチン対イングランド戦を観戦したほか、会場で行われた障がい者スポーツ番組「ストロングポイント(BS日テレで放送中)」の公開収録や、日本障がい者サッカー連盟の会長で、元サッカー日本代表の北澤豪さんらとの交流会などに参加。ブラインドサッカーへの理解を深めました。

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■上田晋也さん「フィールドの外にも見どころが」
矢野さん「8番ハビエル・ムニョスを中心としたスペインの堅い守備を崩せるか」

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3位決定戦を前に行われた「ストロングポイント」の公開収録には、番組のナビゲーターを務める上田晋也さんが登場。試合の見どころのほか、注目の選手などについてサッカージャーナリストの矢野透さんとトークを展開しました。
矢野さんは、試合の見どころについて、「日本の豊富な攻撃バリエーションがスペインの堅い守備を崩せるかだ」として、キープレイヤーに突破力と個人技の光るキャプテン川村怜、ベテラン黒田智成、それに佐々木ロベルト泉、合わせて3選手を挙げました。

また、「選手にゴールの位置を伝えるガイドの中川英治さんの適切な指示にも注目してほしい」などと話しました。これに対し、上田さんは、「フィールドの外にも見どころがあるんですね」などと応えました。

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■激闘の末、一撃に泣く

そして、始まった世界ランキング4位のスペインとの3位決定戦。世界ランキング9位の日本にとっては格上となりますが、グループリーグの第3戦で対戦した際には、1-0で勝利しています。
日本は序盤から川村を中心に攻撃を展開しますが、スペインの堅い守備をこじ開けることが出来ません。
流れを掴めぬまま、スコアレスで試合を折り返します。

〝静寂と熱狂〟を体験! ~IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019~
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TEAM BEYONDメンバーは固唾をのんで見守り、日本のゴールと勝利を見たいとそれぞれの胸の中でエールを送りました。
エンドが変わり、主導権・流れをつかめずにいた後半17分。セルヒオ・アラマールに一瞬の隙を突かれ、失点。会場にはため息が漏れました。これが決勝点となり、試合終了。日本はメダル獲得を逃しました。

■「パラリンピックではメダルを」

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試合観戦を終え、カップルで参加していた新宿区に住む30代の男性参加者は、「手に汗握る試合でした。勝てなかったこと、日本の得点を見れなかったのは残念ですが、素晴らしいゲームで、とりわけ激しいボディコンタクトなどに見入ってしまいました」と話していました。
一方、大田区の50代女性の参加者は、「日本は年々強くなっている。メダルの獲得は来年のパラリンピックの楽しみにしたい」などと話していました。

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■北澤豪さん「ブラインドサッカーを体験して、難しさと楽しさを伝えてほしい」

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3位決定戦の後、行われた交流会です。
登壇した日本障がい者サッカー連盟の北澤豪会長は1点及ばなかった代表の試合について、「勝ちたかった。悔しい」とした上で、「試合の進め方や堅い守備の崩し方などのレベルを上げていかないといけない」と話しました。

また、「 次のステップに行くには、多くの人がブラインドサッカーに触れその魅力を広げていってもらう必要がある」として、「ブラインドサッカーを観て、体験してほしい」と呼びかけました。

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■「ブラインドサッカーにも取り組んでみたい」

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交流会に参加した港区の小学生は「とても面白い試合を観られて楽しかったし、ボールが見えているんじゃないかとも思った。凄かった。サッカーをやっているが、ブラインドサッカーも取り組んでみたい」と話していました。

■優勝はアルゼンチン

交流会の後は、いよいよ決勝戦のキックオフです。観戦席へと戻ったTEAM BEYONDメンバーたちは、前回大会優勝で世界ランキング2位のアルゼンチンと世界ランキング12位のイングランドの対戦を声を抑えて静かに見守ります。試合はアルゼンチンのマキシミリアーノ・エスピニージョが鮮やかなドリブルとパワフルなシュートで2ゴールを挙げる活躍を見せ、イングランドに2―0と快勝。グループリーグを含む5試合を全勝で飾ったアルゼンチンの連覇で、大会は幕を閉じました。

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TEAM BEYONDでは今後も試合の観戦会や交流会など、様々なイベントを開催して、メンバーの皆さんと一緒にパラスポーツを盛り上げていきます!観る、する、分かち合う。あなたも一緒にパラスポーツを楽しみませんか?みなさんのTEAM BEYONDへの参加をお待ちしています。

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20190329

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