2019年8月17日(土曜日)、世界トップクラスの選手たちが、お台場海浜公園 臨海副都心トライアスロン特設会場に集まりました。この日行われた「ITUパラトライアスロンワールドカップ2019/東京」は、東京2020パラリンピック競技大会の代表選手の選考にも関わる重要なレースです。
早朝から30度超える猛暑の中、今回も多くのTEAM BEYONDメンバーが観戦会に参加しました。
1人でスイム、バイク、ランの3種目を連続して行い、その合計タイムで競うパラトライアスロン。基本的なルールは通常のトライアスロンと同じですが、障害の種類や程度に応じて、PTVIクラス(視覚障がい)、PTWCクラス(車いす)及びPTSクラス(立位)のクラスに分かれ合計タイムを競うところが、パラトライアスロンの特徴です。
当日は、水質の影響で急きょスイムが中止となり、ラン、バイク、ランの順で行うデュアスロンに変更となりました。
選手たちは、お台場海浜公園内特設コースと周辺の一般道も含んだコースで、ラン2周回(2.5km)→バイク5周回(20km)→ラン4周回(5km)を駆け抜けます。
日本人選手たちのエキサイティングな活躍で会場が盛り上がる! ライバル選手を制し、土田和歌子選手が見事優勝!
6:40頃、PTWC1クラス(車いす)がスタート。 日本のエース、土田和歌子選手が参戦しました。
土田和歌子選手は、世界ランキング2位(2019年9月9日現在)でもあるオーストラリアのエミリー・タップ選手に最後のランで一度抜かれながらも、残り2周のところで逆転!土田選手は、声援に応えるようにガッツポーズでフィニッシュし、見事優勝を果たしました!日本人選手の活躍を目の当たりにした観客席からは大きな歓声が湧き起こります。
観戦スタンドの一番上で観戦されていたこちらの男性は、TEAM BEYOND観戦会に初めて参加されたとのこと。
「お台場は風が気持ちよく、ここのスタンドからは選手の動きもよく見えて楽しいです。また機会があったら、ぜひ観戦会に参加したいと思います。」
果敢な走りの秦由加子選手に、観戦スタンドからは大きな声援が!
自らの持てる力を全て出し切る姿に感動!
PTS2クラス(立位)世界ランキング5位(2019年9月9日現在)の秦由加子選手は、得意としているスイムが中止になったこと、そして、バイクの際に汗で義足が滑るなどのトラブルで、厳しい戦いを強いられましたが、最初の種目のランから、懸命にライバル選手たちについていき、5位でのフィニッシュとなりました。
選手に「いけー!がんばれー!」と声を張り上げて応援していたこちらの男性。
大のパラスポーツファンだといい、「パラトライアスロンの魅力は限界に挑戦する選手の姿。結果じゃないんです。今日は、そんな選手たちの活躍に体が震えるほど感動しました。」と観戦を堪能されている様子でした。
切れることのない声援に推しだされる谷真海選手。
満面の笑顔でフィニッシュをめざす!
PTS4クラス(立位)のスタートは8:20頃。すでに気温は30度を超えています。
序盤、アメリカのエルムリンガー選手と熱い首位争いを繰り広げます。
谷選手は、お台場に職場があり、周辺がトレーニング場所でもあることから、お台場海浜公園内特設コースはホームコースのような場所だといいます。
観戦席や沿道からの谷選手への声援は、途切れることがありません。
歓声に笑顔で応えながら、リラックスした表情のまま2位でゴールをしました。
観戦スタンドから谷選手を応援するこちらのご家族。
「家族でスポーツ観戦に来たのは今日が初めてですが、パラトライアスロンは見どころがたくさんあって楽しいですね。家族とのよい時間になりました!TEAM BEYONDの観戦会にもまたぜひ来たいと思います。」
お子様も充分楽しめたようで、ご家族で過ごすよい休日になったようですね。
TEAM BEYONDメンバー、それぞれの楽しみ方で競技を堪能!
今回は、観戦スタンドのみならず、お台場海浜公園内や沿道のコースなど、好きな場所から競技を観戦することができました。
木陰で観戦の合間に休憩をとる方、コースを巡りながら観戦される方、メンバーは各々のスタイルとペースで観戦を楽しまれていました。
スイムからバイクへ、バイクからランへと種目が移る際、競技用具やウェアを切り替える“トランジション”は、パラトライアスロンの「第4の種目」ともいわれるほど重要なポイント。
PTWCクラスでは選手をサポートするハンドラーとの一心同体の動きが重要です。そんな“トランジション”のエリアも、この大会では間近で観ることができました。
長い直線コースの脇でじっくりと観戦していたこちらの男性。
「スポーツ全般が好きなので、今日は観戦に来てみました。パラトライアスロンは、選手のすぐ近くで応援できるのがいいですね。パラスポーツ最高です!」
本当に選手と近く、声援もきちんと届きそうです。
コース脇から声援を受けながら駆け抜けるPTS5クラス(立位)梶鉄輝選手
沿道でカメラを構えるこちらの男性は、パラスポーツのファンで、ご自身もテクニカルオフィシャル(審判)をされているのだとか。
「パラトライアスロンが好きで、写真を撮影しにきました。5月に横浜で行われた大会も観戦しましたよ。沿道のこの場所は迫力があって楽しいです。」
自分でよい撮影ポイントを見つけられることも、観戦の楽しみの一つですね。
競技種目を体験!そのハードさをTEAM BEYONDメンバーも身体で実感!
観戦会当日、TEAM BEYONDの休憩所となった「デパーチャーズ」では、選手たちの写真パネルの展示や、横浜で行われたワールドカップの様子を放映したほか、ハンドサイクル、タンデムバイク、車いすレーサーの体験会も実施しました。
「ハンドサイクルに乗車してみて、この種目のハードな一面が体験できました。」
「これは相当の腕力が必要ですね。選手の筋肉がすごい理由がよくわかりました。」
皆さん実際に体験してみて、選手のすごさを改めて感じられた様子でした。
ゲストトークショー&プレゼント抽選会を開催
競技終了後には、日本トライアスロン連合の齋藤徹さんをゲストとして招き、トークショーを行いました。
齋藤さんより、パラトライアスロンの解説や魅力、来年のパラリンピックに向けて注目選手などのお話しをしていただきました。司会は、フリーアナウンサーの山﨑雄樹さんです。
齋藤さんは、日本トライアスロン連合でパラトライアスロンの担当をされています。ご自身もトライアスロンの選手として活動されている齋藤さん。興味深いお話を聞くことができました。
まずは、パラトライアスロンのみどころについて教えていただきました。
「スイム、バイク、ランの3種目はどれも魅力的ですが、実はパラトライアスロンには4種目目があるといわれています。それは、選手が種目をシフトする際の、“トランジション”です。このトランジションの時間も合計タイムに含まれるため、ここでの動きはとても重要です。ここで10秒ロスすると、バイクで百メートル近く、ランで数十メートル分出遅れたことに相当してしまいます。」
この“トランジション”の重要性を、メンバーたちは大きくうなずいて納得した様子でした。
東京2020パラリンピック大会の注目選手は?
齋藤さん:「注目選手は、本日PTWC1クラス(車いす)で優勝した土田和歌子選手。この選手は、パラスポーツ界のレジェンドともいえる選手です。パラトライアスロンへの取り組み姿勢はもちろん、強い精神力とその人柄から、ロールモデルとして周りからリスペクトされている存在です。またPTS4クラス(立位)で4位に入った宇田秀生選手にも注目ですね。
もともとサッカーをしていた宇田選手は、パラトライアスロンでは、強さが光る選手で、性格も明るくて競技姿勢がポジテイブな選手です。」
続いてTEAM BEYONDメンバーからの質問コーナーです。
まずはTEAM BEYONDキャップを被ったこちらの女性が元気よく挙手しました。
「パラトライアスロンの楽しみ方は?」
齋藤さん:「パラトライアスロンは、3種目分の選手の達成感を感じていただけると楽しいと思います。また、個人プレーのように見えて、選手をサポートするチームを重んじる競技でもあります。チームの動きも一緒に観戦いただくと奥深さがわかり、さらに楽しんでいただけるかと思います。」
パラトライアスロンのサポートをしつつ、自身もトライアスロンの選手としてクラブチームにも所属する齋藤さんならではの回答をいただきました。
こちらの男性からは、選手についての質問です。
「土田和歌子選手はどんな選手ですか?」
齋藤さん:「大変精神力の強い選手です。その強さは競技のみならず、体力測定のときでも、追い込みがすごい。気迫を感じます。パラトライアスロン全てにおいて、若い選手にも負けない、それ以上の気持ちで、臨んでいるのがよくわかります。」
土田選手のエピソードを語る齋藤さんの話に、質問者は興味深げに耳を傾けていました。
質問コーナーの後は、いよいよパラトライアスロン選手のサイン色紙とTEAM BEYOND オリジナルシャツが当たる抽選会。
サインは、
・PTS4クラス(立位) 宇田秀生選手
・PTWC1クラス(車いす) 土田和歌子選手
・PTS2クラス(立位) 秦由加子選手
・PTVI1クラス(視覚障害) 米岡聡選手
・PTS5クラス(立位) 佐藤圭一選手
・PTS5クラス(立位) 梶鉄輝選手
こちらの6名からサインをいただきました。
抽選番号の発表を待つ参加者たち。
当たると「やったー!」と会場から喜びと拍手が!
当選者には、「おめでとうございます!」と齋藤さんから一人一人にサイン色紙を手渡していただきました。
射止めたサインをご覧になって思わず笑顔になるメンバーの姿も。
東京2020パラリンピックが開催されるお台場海浜公園で、
パラトライアスロン選手の躍動を身近に感じ、その奥深い魅力を堪能!
酷暑の中、多くのTEAM BEYONDメンバーがここお台場に集まりました。それぞれの観戦スタイルで、パラスポーツを応援し、競技を知って楽しんだ1日。選手への熱い思いを胸に、最後は全員で記念撮影を行いました。
TEAM BEYONDでは、これからも観戦会や交流会を開催します。あなたも全力でチャレンジする選手たちを応援してみませんか?ご家族やお友だちと一緒にTEAM BEYONDメンバーとなって、パラスポーツを応援しましょう!
TEAM BEYONDへの参加をお待ちしています。