4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

2019.03.29
4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

「ファイトー!!」

大きな歓声が飛び交う会場で、真剣な表情の選手たちが4分間を全力で戦います。

2019年3月10日(日曜日)、「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」が開催され、会場となった講道館大道場では視覚障害のある選手たちが迫力満点の試合をくりひろげます。

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

また、この日はTEAM BEYONDの観戦会も実施。選手たちを応援しようと集まったTEAM BEYONDメンバーたちと、リオパラリンピック銀メダリストで元日本代表の広瀬誠さんとの交流会の模様も交えて観戦レポートをお届けします!

世界ランキング上位の選手が集結し、熱い戦いを繰り広げる

柔道の総本山「講道館」で行われた本大会には、日本を含む15ヵ国から計63名の選手が出場しました。世界ランキング上位の選手も多く参戦。男子7階級、女子6階級の個人戦が行われ、選手たちの熱い闘いを応援しようと、会場には多くの観客が集まりました!

視覚障害者の競技として行われる視覚障害者柔道は、健常者柔道と違い、お互いが組んでから試合が始まります。そのため、組み合った状態からいかに相手を崩すかが勝負の分かれ目です。

また、組み合った状態から始めることにより、競技の間は絶えず技の応酬が続くので、繰り出される技の数も健常者柔道より多くてダイナミックです。4分間の試合からはひとときも目が離せません!

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

元日本代表の広瀬誠さんが語る、視覚障害者柔道の魅力

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

この日の観戦会は、TEAM BEYONDメンバーと2016年リオパラリンピック・視覚障害者柔道の銀メダリストである広瀬誠さんとの交流会からスタートしました。広瀬さんは銀メダルを獲得した2004年のアテネ大会から、4大会連続でパラリンピックに出場。現役を引退された現在は、柔道の指導にあたりながら、名古屋盲学校高等学校で鍼灸マッサージなどを教えています。

広瀬さん:「選手によって柔道との出会いは様々だと思うんですが、僕の場合はもともと高校時代から部活動で柔道をしていました。そのあと視神経萎縮となるレーベル病で目が見えなくなったので、高校卒業後に視覚障害者柔道を始めたんですよ」

病気になってからは、孤独を感じてつらい時期もあったそうですが、視覚障害者柔道と出会ったことが広瀬さんの希望になったといいます。

広瀬さん:「目が見えなくなる過程で、今までできていたことができなくなり、いろいろな機会を喪失していくんですね。でも視覚障害者柔道は、組んでしまえば試合ができる。目が見えていたころと同じように好きな柔道ができることは、すごく心の支えになりました。健常者の人とも、たいしたルールの違いがなく戦うことができるんですよ」

試合終了の1秒前まで、逆転の可能性を見逃せない

これから始まる試合で、TEAM BEYONDメンバーがしっかり競技を楽しめるよう、広瀬さんが競技のルールを説明してくれました。広瀬さんは、視覚障害者柔道の魅力を、試合の展開スピードが早いところだと語ります。

「健常者柔道の場合は技が決まるまでかなり時間がかかるのですが、視覚障害者柔道の場合は組んだ状態から始まるので、すぐに技の掛け合いになります。そして、最後まで逆転の可能性があるので、試合終了1秒前まで見逃せないんです」

質疑応答の時間には、参加者から「試合前に緊張をどう乗り越えているのか」という質問がありました。

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

「1つはイメージトレーニング。試合の前日には会場に行き、入場から試合で勝つところまでを何度もイメージすると、本番で今まで通りの練習のパフォーマンスが発揮できるんです。もう1つは、その大会に至るまでに、悔いのないように練習をすること。そのなかで、自分の強みや弱みをしっかり把握しておくんです」

にこやかな笑顔で、視覚障害者柔道への思いや自身の経験を語ってくださった広瀬さん。間近で元日本代表選手の話を聞くことができ、参加者は視覚障害者柔道をより身近に感じることができたようです。

迫力満点!選手たちが繰り広げる試合に魅了される

参加者は広瀬さんに視覚障害者柔道のルールや見どころについて詳しく教えてもらい、観戦の準備は万全!試合会場に移動して、いよいよ選手たちの試合開始です。

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

視覚障害がある選手たちは審判と腕を組んで入場し、相手選手と50センチ離れて組み合った状態から試合が始まります。試合開始直後に背負投げが決まる試合もあれば、4分間をたっぷり使っても決着がつかず、延長戦となる試合もあり、展開は様々です。

視覚障害のある選手に向けて、コーチたちは試合中に大きな声でアドバイスをします。参加者たちも声援が選手にしっかり届くよう「あと1分で終了だよ!」「がんばれ!」と大きな声で応援します。国際大会ということで、会場には様々な言語での応援が飛び交いました!

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い
4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

熱心に選手の姿を見つめていたのは、スポーツメンタルコーチをしているという大島さん。普段からスポーツ選手の練習や試合に挑む気持ちを支えることに貢献しているため、その立場からパラスポーツに関わりたいという思いで、今日は参加したそうです。

大島さん:「とにかく迫力がすごいですよね!今まで見たことがあった健常者柔道とは異なり、展開がすぐに変化する。緊張感があり面白いです」

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い
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以前行われたTEAM BEYOND主催のパラスポーツ体験会に参加してから、パラスポーツのファンになったと話す増田さん。車いすユーザーの増田さんは、週に一回、車いすに乗ったままできるスポーツを行っているそうです。

増田さん:「パラスポーツの面白さにすっかりハマっています!視覚障害者柔道のルールはこれまで知らなかったけれど、交流会で広瀬さんにルールや見どころについてお聞きすることができたので、初めてだけど楽しんで見ることができて嬉しいですね」

企業としても、会社をあげてパラリンピックを盛り上げたい

男子73㎏級3位決定戦。試合がスタートするなり、積極的に攻めていき、たった30秒で背負い投げを決めて一本勝ちで勝利したのは石橋元気選手!銅メダル獲得です!(写真右)会場はおおいに盛り上がり、石橋選手は満面の笑みを見せます。

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い
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そんな石橋選手を笑顔で応援していたのは、「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社」に勤めるみなさん。石橋選手は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社に所属し、働きながら選手としても活動しているのです。

今日応援に来た人事部ダイバーシティ推進室の小谷彰彦さんと、パラ水泳の選手でもある窪野一輝選手は、石橋選手と同じ部署で働いているそうです。

小谷さん:「会社では2006年から取組の一環として、パラスポーツを応援しようという動きがあり、最初は車いすバスケットボールの支援からはじめました。2014年から公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会のオフィシャルパートナーも務め、様々なスポーツ選手のサポートを行なっています。2015年からは、パラスポーツ選手の採用も積極的に行なっています」

いつも一緒に仕事している身近な存在の石橋選手が、試合で頑張っている姿を見ることができて感動したと、小谷さんたちは笑顔で語ります。

小谷さん:「弊社では柔道だけでなく、車いすバスケやパラ水泳の応援にも行っているんです。身近に選手がいることをきっかけに、パラスポーツの面白さをより多くの社員に知ってほしいなと思います。2020年が過ぎても、会社としてパラスポーツをさらに盛り上げていきたいですね」

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パラリンピックと、その先に向けて、パラスポーツの楽しさを多くの人に伝えたい

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

家族4人で参加されたこちらのご家族。息子さんには障がいがあり、そのこともあってパラスポーツに興味を持ったといいます。以前、ボッチャの体験会に参加した際はとても楽しかったそうで、他のパラスポーツ観戦にも家族でよく行くようになったそうです。

お母さん:「試合に挑む選手たちがとてもかっこいいですね。私は選手たちを支えたくて、オリンピック・パラリンピックのボランティア登録もしたんですよ!パラリンピックを機に、障がいがあるなしに関わらず、多様な人がいるんだとみなさんが知る機会になればいいと思います。今からすごく楽しみです!」

視覚障害者柔道をはじめ、こうしてパラスポーツの面白さが広がっていくことは、パラスポーツが社会に根付くきっかけにもつながるでしょう。

広瀬さんも交流会の最後にパラスポーツへの思いをこのように語っていました。

「視覚障害者柔道を観戦することは、同時に視覚障害者の存在を知ってもらう機会になるのかなと思います。日本では今、パラリンピックに向けて、健常者も障がい者もともに生きる多様性のある社会へと変化しつつあります。視覚障害者柔道をはじめ、パラスポーツを広めていくことは、ダイバーシティな社会に向けて貢献できると信じています」

4分間に全てを懸ける!「東京国際視覚障害者柔道選手権大会2019」での熱い戦い

みんなでパラスポーツを応援し、盛り上げていこうと、TEAM BEYONDメンバー一同もさらに気持ちを高められた1日となりました!

あなたもTEAM BEYONDメンバーになって、全力でチャレンジする選手たちを応援してみませんか?ぜひ一緒に、パラスポーツを盛り上げていきましょう!TEAM BEYONDへの参加をお待ちしています。

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20190329

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