東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

2020.01.10
東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

10月26日から113日まで開催された「三菱 全日本テニス選手権94th」。

1922年から続く歴史あるこの大会が、今回は東京2020パラリンピック競技大会のテストイベントとして、本番と同じ“有明コロシアム”で開催されました。

大会期間中には、車いすテニスのエキシビションマッチも行われ、TEAM BEYONDメンバーは27日に行われた、上地結衣選手(世界ランキング2位・11月現在)と大谷桃子選手(同ランキング11位・11月現在)のエキシビションマッチを観戦しました!

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

今回の観戦会では、日本車いすテニス協会 ナショナル監督の中澤吉裕さんをゲストに、フリーアナウンサーの山﨑雄樹さんの進行で実況解説を実施。イヤホン付きレシーバーを受けとったメンバーは、中澤さんの解説に耳を傾けます。

車いすテニスは2バウンドまでの返球がOKで、その他はほとんど健常テニスと同じだということ、また、打ったあと後ろに戻る“バックターン”という動作があることなど、車いすテニスならではの特徴を聞き、参加者の観戦の気分が高まってきたところで、上地選手と大谷選手がコートに登場しました。

大胆に攻める上地選手に、果敢に立ち向かう大谷選手

上地結衣選手は、2016年リオデジャネイロパラリンピックで女子シングルス銅メダルを獲得。全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンという4大大会の全てで何度も優勝した経験があり、2014年には年間グランドスラムに輝くなど、日本のエースでもあります。

中澤さんは、「上地選手は、世界の車いすテニスの流れをつくり、女子テニスを変えた選手のひとりです。パワーとスピード一辺倒だった世界に、ポジショニングや相手選手との駆け引きなどの頭脳プレーをもたらし世界の女子車いすテニス界を牽引している」といいます。

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!
東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

対する大谷桃子選手は、2018年に開催されたアジアパラ競技大会にて銅メダルを獲得。小学校3年生からテニスを始め、高校時代にはダブルスでインターハイにも出場しました。高校卒業後に、病気と薬の副作用で両足が動かなくなり、利き腕である右手の握力も弱くなってしまいますが、お父さんのすすめで車いすテニスと出会ったそうです。

中澤さんは、大谷選手について、

「テニスのスキルが抜群にうまくて、このところチェアワークも上達してきました。世界ランキングもどんどん上げてきています。」

とこれからが楽しみな様子。

今回のエキシビションは、1セットマッチ。先に6ゲームをとったほうが勝ちとなります。

試合は大谷選手が速いスライスサーブや前に出る攻撃的なプレーで第1ゲーム、第2ゲームを連取。しかし、徐々に対応してきた上地選手が第3、第4ゲームを獲得。その後、第5ゲームは大谷選手、第6ゲームは上地選手と第6ゲームが終わった時点で33というお互いに一歩も引かぬ展開になります。

ふたりの巧みなチェアワークと駆け引きをTEAM BEYONDメンバーは息をのんで見守ります。

 

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!
東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

終盤になるにつれ、大胆な攻めのプレーを繰り出す上地選手に大谷選手は果敢に立ち向かいますが、その後3ゲームを連取した上地選手が、ゲームカウント63で勝利しました。

すでに東京2020パラリンピック競技大会の出場が内定している上地選手と、出場を目指す新進気鋭の大谷選手。エキシビションとは思えぬ熱い戦いに、「非常にレベルの高い試合でしたね!」と山﨑さんは驚きの声をあげました。中澤さんも、上地選手の強さに改めて感心しつつも、大谷選手の成長に目を細めていました。

華麗なバックターンがメンバーを魅了

ナイスプレーが出るたび、ひときわ大きな拍手を送っていた下平千代子さん。初級障がい者スポーツ指導員の資格を持つ下平さんは、何度か車いすテニスを体験したことがあるそうですが、試合を観戦するのは初めてとのこと。「慣れないうちはボールを打つだけでも大変で、ましてや、コート上でクルっと方向転換をするなんて本当に難しいことです」といいます。

巧みに車いすを操る選手の姿に「今日はすばらしい試合を見せていただきました」と感激されていました。

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!
東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

「ボールを打っていないときにどんな動きをするのか。クルっと回転してうしろに下がらなければならないなんて、全然知りませんでした」と車いすテニスならではの動きや迫力に驚いていた花木香織さん。東京パラリンピックでは車いすテニスのチケットが当選したものの、まだ生で観たことがなかったので、今回娘の玲香さん(小2)と参加を決めたそうです。

観戦会と交流会が終わったあとは、ふたりでテニスのレッスンへ。今日の観戦が良い刺激になるといいですね。

お父さんと娘さんはテニスをしていて、車いすテニスも観戦したことがあるという奥出さんご一家。父・康之さんは、解説つきで観戦できるこの機会に、「奥さんと息子にも見せてやりたい」と家族4人で参加することを決めたそうです。

母・牧子さんは、「後ろを向いて下がるときには目を切る(ボールから目をそらす)必要がある」と、車いすテニスの難しさとそれをいとも簡単にやってのける選手のプレーが印象に残った様子でした。

息子・悠生くん(幼稚園年中)に「テニスやるの?」と聞いてみると、「やってる!」との元気なお返事。先日、スポンジテニスに挑戦したのだとか。渚央さん(小4)は、「動きにくい車いすに乗って、ちゃんと打てるのはすごい!」と、テニスの難しさを知っているからこその感想が聞けました。

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

パラ応援大使も駆けつけて、交流会は大盛況!

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

観戦後の交流会は、実況解説を担当したゲストの中澤さんと進行役の山﨑さんに加え、「パラ応援大使」であるシンガーソングライター・イルカさん、歌手・川中美幸さん、精進料理 醍醐4代目店主・野村祐介さんも合流して、華やかにスタート。

 

パラ応援大使のお三方は、この日が初めての車いすテニス観戦です。

イルカさんは、「選手おふたりが出ていらしたときからカッコよくて…」と試合が始まる前から感動されていたようです。

学生時代にテニスをされていたという川中さんからは、「応援大使として任命を受けた以上、いろんな方に会場まで足を運んでいただけるようにするのが私たちの使命」と力強いお言葉をいただきました。

また、最近はさまざまなパラスポーツを観戦しているという野村さんは、「応援大使ですが、僕が応援、激励されているような気持ちになります」と、生で試合を観た感動をそれぞれ語ってくださいました。

パラ応援大使のみなさんのお話が終わったところで、試合を終えた大谷桃子選手が登場! 会場はより一層大きな拍手に包まれて、トークショーがはじまります。

試合を振り返って「強い上地選手から、なんとか1ゲーム取ろうと、最初から集中していきました」という大谷選手。「自分から仕掛けることもできるし守備もできるので、いま間違いなく良い方向に進んでいる」との中澤さんの言葉に、大谷選手は照れくさそうに微笑んでいました。

TEAM BEYONDメンバーからの、「試合に負けたときのモチベーションの高め方は?」「テニス経験は、車いすテニスにも役に立つ?」「海外ツアーの苦労話は?」という質問に、「負けるとすごく凹むタイプだけど、その後敗因を書き出して、次の試合に生かします」「ボレーのタッチやラケットを持つ感覚はテニス経験が生きている。目を切ることなど、車いす独特の動きも多いので、経験が邪魔になることもある」「石畳や砂利道などバリアフリーが進んでいない地域の場合、海外の人はスマートに手伝ってくれることが多くて助かっている」とそれぞれの質問に大谷選手は笑顔で答えてくれました。

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!
東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

抽選会では、上地選手と大谷選手のサインボールをプレゼント。一人ひとりに握手しながら手渡す大谷選手に、当選者のみなさんも激励の言葉を伝えていました。

最後は、大谷選手を囲んで、記念撮影。東京2020パラリンピック競技大会での再会を約束して、観戦会は終了しました。

東京2020大会と同じ会場で、迫力ある車いすテニスを観戦!

TEAM BEYONDでは、これからもメンバー向けの観戦会や交流会を開催します。やはり生の観戦は受ける感動が違います。いまはテレビやインターネットで試合を観ることもできますが、ぜひご家族やお友だち、会社のみなさんも誘って、パラスポーツを会場で応援しましょう!

TEAM BEYONDへの参加をお待ちしております。

20200110

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