渋谷の街で、義足ランナーたちが世界記録にチャレンジ!「渋谷シティゲーム~世界最速への挑戦~」が開催

2017.11.17
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休日に、たくさんの人でにぎわう渋谷のストリート。
道路に敷かれたレーンを、義足のランナーたちがものすごいスピードで駆け抜けていきます!

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11月5日(日)に「渋谷芸術祭2017」で、義足ランナーが陸上世界最速を目指す「渋谷シティゲーム〜世界最速への挑戦〜」が開催されました。

世界的義足ランナーや様々なゲストを招致し、世界最速の記録に挑戦するこのレースの舞台は、なんと渋谷区の公道。

トップパラアスリートが最新のテクノロジーと美しいデザインが施された義足を装着し、街の中を駆け抜ける渋谷の新たなシティアートイベントです!

ダイバーシティを発信する渋谷での「世界最速への挑戦」

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渋谷MODIのソニービジョンには「世界最速への挑戦」の文字が大きく掲げられています!

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ファイヤー通りが車両通行止めとなり、、競技用トラック3レーンが出現。たくさんの人たちが、その瞬間を見届けようと、今か今かとスタートを待ちわびています。

オープニングでは、渋谷区長の長谷部健さんが今回のイベントにかける想いを語ります。

「渋谷区は、『ちがいを ちからに 変える街。渋谷区』というスローガンを掲げています。このイベントが、互いを尊重し、ともに成長できるまちづくりのきっかけになると期待しています。」(長谷部区長)

2020年オリンピック・パラリンピックでは、渋谷も会場の一つになるため、たくさんのアスリートが集まります。ファッション、文化、芸術の発信地となる渋谷からダイバーシティを発信することは、大きな影響力となることでしょう。

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次にゲストとして、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、株式会社Xiborg代表取締役の義足エンジニア・遠藤謙さん、元陸上選手でXiborgランニングオフィサーの為末大さん、陸上競技・十種競技の元日本チャンピオンでタレントの武井壮さんが登場。世界記録を目指すレースを盛り上げます!

今回のレースにも使われている義足の開発者である遠藤さんは、この機会に大きな期待を寄せています。

「僕らが日々向き合っている義足ランナーたちはすごいんだぞと、みなさんに伝えたい。しのぎを削るランナーたちの姿をたくさんの人に見てもらいたいです」(遠藤さん)

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渋谷のストリートを、ランナーたちが駆け抜ける

会場の熱気も高まる中、いよいよレースがスタート!オープニングランは長谷部区長、為末さん、そして今回公式レース初出場の学生義足ランナー・山下千絵さん。

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為末さんがリードして一気に駆け抜け、記録は8.65!初レースながら大健闘を見せた山下さんのこれからの活躍に、期待が高まります。

続くエキシビションランでは、義足ランナーの佐藤圭太選手、春田純選手、池田樹生選手が登場。

3人はT44クラス(片足下腿義足)の選手であり、健常の選手とほぼ変わらない速さで走ると言われています。

僅差ではあったものの、1位で走り抜けた佐藤選手は、「こんなにたくさんの人が応援してくれるなかで走るのは楽しいですね!」と笑顔を見せました。

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世界記録6.39秒へのチャレンジ!

そしていよいよ、世界トップパラアスリートたちによる、健常者の60m走世界記録6.39秒へのチャレンジ!

参戦するのは、アメリカのジャリッド・ウォレス選手、リチャード・ブラウン選手、ドイツのフェリックス・シュトレング選手。

「渋谷!Are you ready?」の声に、会場はこの日一番の盛り上がりを見せました。大声援の中3人の選手がスタートに着くと、会場は息づかいが聞こえるほどの静寂に包まれます。

「On your mark, set」

パーンというスタートを告げるピストルの音が鳴り響き、いよいよ世界最速への挑戦が始まりました!

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スタートからリードを奪ったのは、100mの世界記録保持者であるブラウン選手!大声援の中一気に駆け抜け、最後は両手を高く突き上げてトップでゴール!

自らの世界記録6秒99には届きませんでしたが、ブラウン選手は7秒14の好タイムを記録しました。

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「今日は素晴らしい仲間と走れて嬉しかった。とてもファンタスティックな体験だったね。数年後の東京大会に僕もきっと戻ってくるよ。ありがとう東京!」(ブラウン選手)

自らもレースに参加した為末さん、トークで会場を盛り上げた武井さんは、これを機にパラスポーツを盛り上げたいと語ります。

「両サイドにお客さんがいる中で走るのは新鮮でした。陸上競技は生で見た方がおもしろいし、応援者がいれば選手もテンションがあがるので、ぜひ競技場でパラスポーツを観戦してほしいです!」(為末さん)

「義足ランナーがとんでもないスピードで走る日がくるはず。世界中の人が、義足ランナー見たさで集まり、会場が満員になるよう、もっとパラスポーツのおもしろさを広めていきたいですね!」(武井さん)

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義足ランナー、パラスポーツの魅力をもっと多くの人に

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その後の一般参加者によるチャレンジランでは、小・高・大学生の計40名が、選手と同じトラックの上を走り抜けました。ラストのエキシビションランでは、義足をつけてまもない小学4年生の斎藤暖太くんが、佐藤選手、ブラウン選手と並んで一緒にゴールを目指しました!

将来は、佐藤選手やブラウン選手のように速く走れるようになりたいという暖太くん。いつか二人と勝負する日を夢見て、トレーニングを頑張ると宣言しました!

「義足は障がいのある人の夢と可能性を広げてくれます。もっと世界中に、義足ランナーやパラスポーツの魅力を届けたいですね」(為末さん)

多くの人に義足ランナーを間近で見てもらい、その魅力を伝える機会となったこのイベントは、パラスポーツを盛り上げる大きな一歩となりました。

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