2大会連続でパラリンピックに出場中の三木拓也選手。車いすテニス界屈指の実力者が3年後に向けて描くビジョンとは。専属モデル・遠藤史也が聞いてきた!
「車いすの切り返しのスピードに驚きました!」(遠藤)
「その体勢から打ち返すんだ! と、躍動する姿を楽しんでほしい」(三木)
遠藤 今日は朝6時から3時間ほど練習をじっくり見学させていただきました。毎日こういうスケジュールで練習されているのですか?
三木 そうですね。午前と午後で6時間練習するときもあります。朝は毎日早いので、大体今くらいの時間に睡魔が襲ってくるんです(笑)。
遠藤 競技用車いすにも初めて乗らせていただきましたが、こんなに手に負担がかかるとは!
三木 僕は常に車いす生活ではない分、休み明けには腱鞘炎になることも。だからオフも車いすに乗る時間をつくるようにしています。
遠藤 海外遠征も多いと聞いていますし、かなりハードな日常を送られているのですね。
三木 1年のうち3分の1以上は海外の大会を回っています。移動から大会のエントリーまですべてひとりでこなすので、テニス以外の面でも様々な適応力が求められますね。ただ、僕自身はそうやって海外を回る生活が好きですし、そこで受ける刺激もすごく身になっています。
遠藤 東京パラリンピックまであと3年。どのような目標を掲げていますか?
三木 僕の中でパラリンピックは、世界ランク7位までしか出場できないグランドスラム(全英、全米、全仏、全豪の4大大会)と同等かそれ以上の大会ととらえています。リオでは銅メダルをかけた試合で負けてしまったので、その悔しさを東京でなんとしても晴らしたいですね。そこに向けたプロセスとしては、まず来年のグランドスラムに出場し、定着していくこと。そして2020年までに世界のトップ3 に入れるようにがんばりたいです。それができれば、東京でのメダルが見えてくるんじゃないかなと。この世界に入るきっかけをいただいた国枝(慎吾)さんと決勝を戦いたいですね!
遠藤 3年後が待ち遠しいですね。今から楽しみにしています!
三木拓也さん
みき・たくや●1989年4月30日、島根県出身。テニスのトレーナーになるため体育大学進学をめざしていた高校3年時、左ひざに骨肉腫を患い人工関節に。闘病中、2008年北京パラリンピックで活躍する国枝慎吾選手に魅了され車いすテニスの世界に。2012年ロンドンで男子ダブルス入賞、2016年リオでは男子ダブルス4強、シングルス8強。