8回にわたってお届けしてきたこの連載もいよいよ最終回! ラストは、短距離のロマンに魅了される車いす陸上のホープと、メンズノンノモデル清原翔がランセッション!
「車いすのスピードに圧倒されました」(清原)
「短距離は花形。もっともっと速さを追求していきたい」(西)
清原 並走してそのスピードに驚きました。ついていけると思ったのに全然甘かった……!
西 100mの世界記録は13秒くらいなのですが、車いすは距離が長くなればなるほどスピードに乗ってくるんですよ。フルマラソンになると1時間半くらいですからね。
清原 それは速い! でも西選手は短距離にこだわられているんですよね。
西 短距離はとくに海外選手が強く、活躍するのが難しい種目なのですが、100mってやっぱり陸上競技の花形じゃないですか。一番速いやつが勝つという、誰が観てもわかりやすいシンプルな競技性に惹かれているんです。
清原 もともと車いすバスケもやられていたとか。
西 実は先に国際大会に出たのはバスケだったのですが、後に陸上でアジア大会の代表に選ばれたときに絞りました。勝つ喜びを初めて味わえたのが陸上だったんですよ。
清原 またバスケをやりたいという思いは?
西 実はあります。海外では複数競技で活躍する選手もたくさんいるので、いつか日本でもそういう流れを自分がつくっていけたら、とも思います。ただ、今は東京パラリンピックに向けて陸上の短距離に集中しています。
清原 昨年はロンドンでの世界選手権にも出られましたが、2020年に向けて自信のほどは?
西 世界選手権では200mで決勝に残ることができたのですが、正直世界との差を痛感しました。こんなに強いのかと。でも、この選手たちと肩を並べてまた走りたいという気持ちはさらに強くなりました。東京の100mでファイナリストになることが今の一番の目標です。
清原 ぜひ新国立競技場で応援したいです!
西 車いす陸上の認知度を上げられるレースがしたいです。そして、大の野球好きなので、有名になって始球式に呼ばれたいです!(笑)
西 勇輝さん
にし・ゆうき●1994年2月14日、東京都出身。先天性の二分脊椎症で、小学5 年時に車いす陸上と車いすバスケットボールを始める。大学入学前に陸上一本に絞り、国際大会で台頭。2016年のアジア・オセアニア選手権で400m優勝、2017年のロンドン世界選手権では200m8位に入賞。趣味は野球観戦で巨人ファン。国士舘大学を経て、現在は野村不動産パートナーズに所属している。
【MEN’S NON-NO web】
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Photos:Takashi Ikemura
Composition & Text:Kai Tokuhara
Cooperation:Kokushikan University