支援企業・団体の声
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

「ハートにコストはかからない」
地域密着の活動で、全国に心のバリアフリーの輪を広げる

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4年連続で東京都スポーツ推進モデル企業に選ばれたあいおいニッセイ同和損害保険株式会社。14名のパラアスリートを含む計19名(2019年6月現在)の雇用アスリートをパラスポーツ体験や講演会の講師としても派遣し、地域に貢献。また、パラスポーツ支援を長く続けるために、コストを抑える工夫も行っています。

社員が応援したくなるアスリートを雇用

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「パラスポーツ支援を通じて、障がいのある方の自立支援を」との考え方のもと、2014年4月からパラスポーツ支援を始めたあいおいニッセイ同和損害保険株式会社。まずはパラスポーツ観戦活動からスタートしようと、初年度はジャパンパラ競技大会の全競技の観戦会を実施。そしてその翌年の2015年4月からは、アスリート雇用もスタートさせました。

もともと同社には企業スポーツの文化がないため、アスリート雇用制度の構築は、まさに一からの作業だったそうです。決して簡単ではなかったはずですが、それでも踏み出したきっかけは観戦会にあったと、経営企画部スポーツチームの倉田秀道次長は説明します。

「パラスポーツって、観るとどれも迫力があって面白い。でも当社の社員たちがもっと集中して長時間観戦したり、心から応援するためには、何かが足りないなとも思いました。そして、観戦を重ねるうちに気づいたのです。思い入れを持って応援できる対象が必要なのだと。そこで、社員が自然と応援したくなるアスリートを雇用しようと思い立ちました」

制度設計をするにあたり、採用方針を二つ、決めました。一つは、採用したら競技引退後も継続して雇用すること。そしてもう一つは、競技の種類やレベルにこだわらず、人物重視の採用をすることです。

一つ目の継続雇用については、さまざまなパラスポーツ大会を訪れる中でヒントを得たといいます。

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「パラスポーツの中でも、とりわけ、知的障がいの大会では、会場に選手の保護者がたくさんいることに気づきました。そこで保護者の方々にヒアリングさせていただいたところ、皆さんが一つだけ、口をそろえておっしゃっていたことがありました。それは、『私たち保護者が先立った後も経済的に自立して、きちんと社会生活を送ってほしい。そのためにも、わが子には、企業に就職して競技と仕事を両立してほしい。そして競技引退後もその企業で働き続けてほしい』、ということでした。そもそも企業にとって、人は財産です。障がい者雇用同様、アスリート雇用も一度始めたら続けるべきだとも考えていましたから、保護者の方々の意見も参考にしながら、継続雇用を前提に制度設計をすることにしました」

また、せっかくアスリートを雇用するなら、世界を目指せるトップクラスの選手を、と考えたくなるかもしれません。しかし、倉田次長はそうした考え方とは一線を画そうと、二つ目の採用方針を設けました。

「そもそも障がい者スポーツの競技種目と他の競技の間に垣根はないと思っています。また、当社は全国に拠点があるため、地域でがんばっている選手であれば、有名無名に関わらずその地域の皆さんと一緒に応援できます。それが地域貢献にもつながると考えました」

さらに採用にあたっては、戦績よりも素直さや謙虚さ、まじめさといった人柄を重視することとしました。どんなにアスリートとして優れていても、人間性のよい方を応援したい、優先したい、と考えていました。その結果、初年度の2015年度はデフサッカー選手を含め、計3名を採用。その後、毎年採用を続け、2019年現在は14名のパラ選手が在籍。各選手の活動状況などに応じ、全国の職場に配属されています。
このような取組を知り、先日、北海道小樽市の中学校が修学旅行中に訪ねて来てくれたそうです。スポーツをしている知的障害を持つ生徒2名と、その担任の先生が来社しました。障害を乗り越えるために努力したことや仕事とスポーツの両立について、また、目標を達成するためにどのようなことをしているかを、社員として同席した視覚障害者柔道 石橋元気選手に中学生が質問するなどの交流がありました。

自治体と企業をつなげ、支援の輪を広げる

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全国に支店や支社を持つ同社では、地域密着を行動指針の一つとしており、以前から全国の地方自治体とともにさまざまな活動を展開してきました。さらにこの2~3年は、都道府県はもとより区・市などとも連携協定を結び、障がい者スポーツ支援を通じた共生社会の実現を目指した活動にも力を入れています。

例えば、同社が本社を構える渋谷区とは、2017年にS-SAP(シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー)協定を締結。「特に2020年に向けてパラスポーツの分野での協力を」との要望があったこともあり、2018年には渋谷区内の各エリアでご活用いただけるよう、ボッチャ用具を寄贈しました。この寄贈式を行うにあたり、ひと工夫を施したと倉田次長は振り返ります。

「ボッチャセットの寄贈をきっかけにパラスポーツ支援の輪も広げたいと考え、当社の食堂スペースを利用してボッチャの体験会を行うことにしました。その際、長谷部健区長をはじめとした渋谷区の関連部署のご担当者はもちろん、当社同様、渋谷区とS-SAP協定を結んでいる企業の方々や、ユニバーサルマナー研修などを手がける企業にも声をかけて、参加していただきました。皆さん楽しんでくださいましたし、何より和気あいあいとした雰囲気の中、渋谷区や企業同士が交流できて良かったと思います」

また、同社の雇用アスリートを自治体や学校などに派遣して行うパラスポーツ体験会や講演会も好評で、2018年度は計81か所で実施したそうです。

コストをかけないから、続けられる

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同社は4年連続で東京都スポーツ推進モデル企業に選ばれるほど活発に活動を行っていますが、一貫して大切にしていることがあります。それは「コストをかけないこと」です。

「少しでも長く続けるには、できるだけコストを抑えながらコツコツと活動することが必要です。スポーツにはともすれば莫大な予算を投じがちですが、それでは万が一の際、真っ先に予算を切られてしまう恐れがある。それを避けるためでもあります」

例えば、パラスポーツ大会観戦の際には、社員は同社のコーポレートカラーである緑色のビブスを着て、やはり緑色のスティックバルーンを持って応援します。こうした応援グッズをそろえるだけでも大変そうですが、実はいずれも社名が入っていない、手ごろな価格の市販品を使用しているとのこと。それでも同社の雇用アスリートには、「自分の会社の人たちが応援に来てくれている」ときちんと伝わるそうです。

また、パラアスリートの雇用にあたっては、障がい者雇用の法定雇用率に関わる社内努力により、新たな予算を組まずに済むよう工夫しました。 さらに、自治体などへ雇用アスリートを派遣する際は、派遣先が遠方の場合のみ交通費を実費で受け取るものの、謝礼は受け取らず、あくまでも業務の一環として行います。その際に社員が行うサポート活動は、同社が定めるボランティア活動としてカウントし、人事評価へ反映させます。

「自治体や地域住民の方々には喜ばれ、雇用アスリートにとっては成長の機会となり、当社社員にとっては、地域の方々とのつながるきっかけとなります。さらに、そうした活動が地元紙から取材を受けることもあり、それが掲載されれば大きな話題になる。コストがかかるどころか、まさにWIN-WINな活動です」

こうした活動の源になるのが、心のバリアフリーだと倉田次長は説きます。

「パラスポーツ支援をしたいと思っても、経営の上層部の説得に苦労するケースがあると耳にする機会がありますが、基本的には、障がい者支援やパラスポーツの機運醸成にNOという経営者はいないのではないでしょうか。 もし、難色を示す場合は、負担増を気にされている可能性があります。でも、ハードはコストがかかりますが、ハートにコストはかかりません。パラスポーツ支援の機運醸成にぜひ心を傾けていただけるよう、ご担当者もコストをかけずにできる仕掛けを工夫できるといいですよね」

そうはいっても、やはり自社で取り組むにはハードルが高いという企業・団体には、まずTEAM BEYONDに参加してはと、倉田次長は提案します。

「TEAM BEYONDのワークショップや大会観戦に参加すると、人脈や情報、そして気づきが得られます。参加したら自社に持ち帰って何かをしなくては、などと難しく考える必要もないと思いますよ。TEAM BEYONDに参加するだけで立派なパラスポーツ支援活動になるのですから」

また、大会観戦やボランティア活動に参加して、実際に見て感じることが大切ともいいます。

「だからこそ、TEAM BEYONDには地域主催のイベントや大会参加、ボランティア活動募集の告知にも力をいれていただきたい。さらにそこに企業が加わることで、活動の輪が広がっていくと思います。その仲介役としての機能にも期待したいですね」

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
担当部署 経営企画部
所属人数 4名
住所 東京都渋谷区恵比寿1丁目28番1号
電話 03・5789・6308(代表)
URL https://www.challenge-support.com/
  • 観戦会 観戦会
  • 体験会・講習会 体験会・講習会
  • 協賛 協賛
  • アスリート雇用 アスリート雇用
  • 施設貸出 施設貸出
  • ボランティア ボランティア
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20190729

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