支援企業・団体の声
三菱商事太陽株式会社

パラスポーツで企業を変えたいなら、応援の一歩先へ。
五感を使った活動で、社員と企業の変革を促す

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障がいのある人とない人がともに働く共生企業として、先進的な取り組みを行う三菱商事太陽。三菱商事とタッグを組み、パラスポーツとパラアスリートを支えるボランティア活動に汗を流すとともに、社内活動にもボランティアを受け入れることで、共生企業・共生社会の実現に必要な意識改革へとつなげる挑戦を続けています。

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“多様な仲間を受け入れて、共に働く”ために

「パラスポーツを応援するだけで、本当に会社は変わるのでしょうか?」

そう問いかけるのは、三菱商事太陽株式会社の福元邦雄代表取締役社長です。

同社は、三菱商事と、障がいのある人の自立と就労を支援する施設である社会福祉法人太陽の家との共同出資会社であり、三菱商事の特例子会社です。太陽の家は、1964年の東京パラリンピック実現に尽力し、5大会連続で日本選手団団長を務めたほか、障がいのある人の経済的自立とパラスポーツの普及にも奔走した故・中村裕博士が創設したことで知られています。その太陽の家と、故・中村博士の理念に共感した三菱商事が手を取り合い、1983年、システム開発などを担うIT企業として同社を創立。以来、障がいのある人とない人がともに働く共生企業として新たな道を切り開いてきました。

福元社長は故・中村博士の理念を受け継ぎ、経営に尽力しているからこそ、近年の共生企業・共生社会実現への気運の高まりに注目しているといいます。しかし、それゆえに課題を感じているとも語ります。

「もちろん、パラスポーツを観ない、知らないよりは、テレビや新聞を通してでも観たり知ったりするほうがいいとは思います。でも、観客席から、またはメディアを通してパラアスリートたちが輝いている姿を見るだけでは、感動はしても、社員や会社を真の意味で変えるまでには至らないのではないでしょうか」(福元社長)

では、そもそも「社員や会社を変える」とは、どういうことなのでしょうか。

「“多様な仲間を受け入れて、共に働く”ことを実現することだと思います。共に働くとは、多様なワークスタイルを受け入れることでもある。これを実現するには、従来の企業の文化・価値観に基づいた採用方針や評価制度、人材育成方針を変革し、労働環境を整えることが不可欠です。また、そのためには、まず経営層を含む社員の意識改革をしなければならないでしょう」(福元社長)

意識改革の手段としてパラスポーツに関わることは有効と福元社長は指摘します。ただし、ぜひ意識してほしいことがあるともいいます。それは「五感を使う」ということです。

「パラアスリートたちは、試合本番やカメラの前では輝いていますが、晴れ舞台から降りれば、障がいのある一生活者となります。生活者からパラアスリートへ、そしてまた生活者へという転換の舞台裏、いわばハレとケのギャップは、現場に足を運び、においをかいだり振動を感じたりと五感をフル活用することで初めてわかるもの。ですから、まずは現場に足を運んでいただきたいのです」

そして、現場を訪れたらぜひ行(おこな)ってほしいことがあるといいます。それがボランティアです。

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ともに汗を流し、楽しむ時間と空間が社員の意識を変える

同社は、故・中村博士が提唱し、今や世界最大規模の車いすマラソン大会となっている「大分国際車いすマラソン」で、ボランティアとして受付や交通整理などの運営を担っています。その際、三菱商事の若手社員もパラスポーツ支援活動「DREAM AS ONE.」の一環として参加。そのため、大会前日に同社の車いすユーザーの社員を講師役として、車いすの扱い方や選手への接し方、坂道での車いすの押し方といった基本的な介助講習を実施し、大会当日も一緒に活動しています。

「車いすマラソンでは、選手たちはレーサーと呼ばれる競技用車いすを使用します。そのため、受付では生活用の車いすを預かったりするのですが、選手から“サポートのおかげでいい記録が出せました”などと感謝されると、達成感も大きいようです」(福元社長)

また、同社の社員旅行の際にも、障がいのある社員の介助役として三菱商事の若手社員が参加しています。

「当社の社員全員が楽しめるようにとの配慮からスタートした取り組みです。基本的な介助の知識を伝えたうえで、実際に一緒に外出し、ともに楽しみながら食事やレクリエーションのサポートをしてもらっています」(福元社長)

すると、障がいのある人たちの実際の姿が見えてくるといいます。

「介助役の若手社員たちは、当社社員と一緒にワイワイと過ごすことで、障がいのあるなしに関わらず、誰だって遊びたいし、食事やお酒も楽しみたいとか、体のどこかに不自由がある人がいれば、誰かがサポートすればいいだけだと、実感としてわかるんです」(福元社長)

こうした活動は、非日常空間だからこそ有効とも指摘します。

「1か月間、当社に駐在して “平時”をなんとなく過ごすより、スポーツイベントや旅行などの“有事”が含まれた1~2日間をボランティアとして過ごす方が、ぎゅっと凝縮した体験ができるんです。その分、心に深く刻まれるものがあるようで、意識も大きく変化するように感じます」(福元社長)

障がいのある人たちと時間と空間をできるだけ多く共有することで、社員の意識変革が期待できるわけです。

こうした取り組みができればそれに越したことはありませんが、それが難しい場合もできることはあります。三菱商事独自のボランティア活動で、福元社長が高く評価している取り組みがあります。三菱商事が後援する車いすラグビーの試合後に行う体育館の床のメンテナンスです。

「車いすラグビーの場合、競技用車いすの車輪のハンドリムやボールに塗られている松ヤニが体育館の床について、モップ掛けでは落ちないほど激しく汚れるんです。施設を提供してくださった方にまた貸してもいいと思っていただけるよう、三菱商事のボランティアたちは試合後、床をゴシゴシと磨いて原状復帰に努めています。地道で根気が必要な作業ですが、パラスポーツをする人を増やし、長く続けてもらうためにも不可欠な活動です。そこまで考えて取り組んでこそ、パラスポーツ応援といえるのだと私は思います」(福元社長)

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企業の経営層こそ、ボランティアを通じた意識改革を

三菱商事の若手社員の育成に深く関わっている同社。「DREAM AS ONE.」のサポーターでもある同社取締役の車いすアスリート・佐藤隆信さんは、三菱商事社員の意識の変化を感じていると語ります。

「『DREAM AS ONE.』の立ち上げ当初から関わっていて、機会があればイベントに参加したり、競技にまつわる話をしたりしてきました。年を追うごとに、東京マラソンのボランティアに積極的に参加したり、パラスポーツ観戦に行く社員が増えていて、明らかに関心が高まっていると思います」(佐藤さん)

一方、福元社長は、三菱商事グループは障がいのある人の雇用を特例子会社任せにしていないことにも注目してほしいと語ります。

「障がいのある社員の雇用者数は、当社の91カウント※に対し、三菱商事は77カウントです。(2019年6月現在)。三菱商事グループでは、特例子会社だけではなく、本社などでも障がいのある人の雇用を進めていることがお分かりいただけるかと思います。つまり、本人次第で当社でも本社でも働けるチャンスがあるのです」(福元社長)

「重度の障がいのある方が国会議員となり、国政の場で質疑応答する時代になりました。こうした流れを受けて、企業はどう考え、行動するかが問われる時代になる。今こそ故・中村先生が心血を注いで築き上げた原点に立ち返り、議論を重ねることが必要なのではないでしょうか」(福元社長)

こうした取り組みは、今後もっと広く検討されていくべきでしょう。

企業の社内制度改革をスピーディに行うためには、経営トップ層の意識改革も急がれるでしょう。その点でも、三菱商事グループでは、幹部クラスのボランティア活動の機会を増やすといった取り組みを進めているそうです。

「私たちはこれまで三菱商事とともに積み重ねてきた取り組みを、今後も粛々と続けていきます。また、真の共生企業・共生社会の実現のために、一人でも多くの方に五感をフル活用してパラスポーツを応援していただきたい。そのためにも、お声がけいただければ、私たちの取り組みについて積極的にお話しさせていただきたいと思っています」(福元社長)

※カウント
障がい者法定雇用率を算出するにあたり、雇用している人数を下記のルールに従って計算し、「カウント」で表します。
・短時間労働者は1人を0.5人としてカウント。
・重度身体障害者、重度知的障害者は1人を2人としてカウント。
・短時間重度身体障害者、重度知的障害者は1人としてカウント。

厚生労働省HPより構成
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000482197.pdf

※三菱商事グループの障がい者雇用について
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/about/resource/senior.html

 

三菱商事太陽株式会社
担当部署 総務・管理部 業務チーム
所属人数 6名
URL https://www.mctaiyo.co.jp/
別府本社
住所 大分県別府市内竈(うちかまど)1399番1
電話 0977-67-3214(代表)
東京事務所
住所 東京都千代田区丸の内2-2-3 丸の内仲通りビル9階
電話 03-6212-5215(代表)
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  • ボランティア ボランティア
  • 協賛 協賛
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