支援企業・団体の声
東京地下鉄株式会社
2023.3.31

パラアスリートを正社員雇用して社内D&Iを推進
他企業とのスポーツ共同企画も積極開催

鉄道を中心とした事業展開により、首都東京の都市機能を支える東京地下鉄株式会社(東京メトロ、以下同)。東京2020大会では、大会に向けて交通インフラの安全性や利便性をより高めるほか、オフィシャルパートナーにも就任。車いすフェンシング日本代表の安直樹選手の雇用や、他企業とのパラスポーツ体験会の共催など、さまざまな取組を広げています。

安選手の存在が社内のD&I機運をより醸成

東京メトロ人事部の加藤邦生課長補佐が、東京メトロがパラスポーツに取り組む意義について教えてくれました。

「東京メトロは公共交通機関ですが、鉄道事業以外の事業も展開し、都市の魅力と活力を引き出すとともに、安全・安心で快適なサービスを提供。東京に集う人々の活き活きとした毎日に貢献するという理念があります。

東京2020大会を契機に、各駅のホームドアやエレベーターといったハード面の整備以外にもレガシーを残し、地域・社会に貢献するという意味で、パラスポーツへの取組をいっそう強化し、その活動を広げています。」(加藤課長補佐)

安選手の採用についても、加藤さんにお伺いしました。

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「安選手を採用した2017年当時は、今よりもパラアスリートを正社員雇用する企業が少なかったと聞いています。ただ、当社としては競技と仕事の両立、選手引退後のキャリアについて不安や悩みを抱えるパラアスリートが多くいる状況で、デュアルキャリアの好事例をつくるためにパラアスリートを正社員で雇用したいと考えておりました。競技はもちろん、オフィスなどでの業務のほか、引退後も当社の業務に従事したいという安選手の思いは当社の意向とも一致しており、採用に至ったという経緯です」(加藤課長補佐)

安選手は2024年のパリパラリンピック出場を目指して競技中心の生活を送っている傍ら、会社で業務にも取り組んでいます。社員を対象とした車いすフェンシングの体験会や、パラアスリートとしての実体験やバリアフリーに対する考え方を社内で講演する活動を通じて、社内に一体感が生じ、インクルージョンの考えも浸透し、同時に社内の障がい者理解も深まったそうです。

「安選手のオフィスでの業務としては、通勤費の伝票整理などが中心ですね。現在は競技9:業務1の割合ですが、日々の仕事も担ってもらうことで特別感が薄れてきて、オフィスにも溶け込む彼の存在が、障がいがある他の社員の励みになるとともに、全社的に障がいへの理解を深めるきっかけにもなっていると感じます」(加藤課長補佐)

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安直樹選手

安全かつ計画通りに365日稼働する鉄道事業は、駅員、乗務員、車両や設備を維持・点検する社員などが一丸となって協力し合うことが欠かせません。そのため、部門間で連携して仕事をする風土があり、競技者も、応援する側も、ともにチームワークを醸成するスポーツには親和性があるように感じます。

「当社では昔からスポーツが盛んです。社内で開催している駅伝大会には多くの社員が参加していますし、2020年には女子駅伝部『東京メトロマーキュリー』を創部しました。当時はコロナ禍で直接の応援がなかなかできませんでしたが、これからは徐々に大会現地でも盛り上げていきたいです」(加藤課長補佐)

他企業コラボを積極的に行う理由

東京メトロは、2022年6月にケイアイスター不動産株式会社と異業種コラボによるパラスポーツ体験会を開催。両社の所属アスリートが講師を務め、多くの社員がパラスポーツを楽しみました。開催に至った経緯や理由を、サステナビリティ推進部 社会・CSR担当の井本嵩課長補佐が話してくれました。

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「ケイアイスター不動産様との共同開催は、同社の大嶋義昭選手と当社の安選手がかつて車いすバスケットボールの同じチーム(安選手は2014年まで車いすバスケットボール選手だった)ことから実現しました」(井本課長補佐)

狙いにあったのは、社員にパラスポーツを身近に感じてもらうことと、D&Iへの意識を高めること。共同開催とすることで、自社には所属していない障がいを持つアスリートや、異なる社風で働く社員との交流ができたため、より多くの学びや気づきを得られたとのことです。

「参加した両社社員は、パラスポーツイベントへの参加自体が初めての者が多く、障がいへの理解を深めたり、社内外含め参加者同士でコミュニケーションをとったりと、長時間、パラスポーツのアスリートと一緒にいることで新たな気づきがあり、貴重な体験になったという反響がありました。」(井本課長補佐)

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ケイアイスター不動産株式会社とのコラボイベント

12月には、サントリーホールディングス株式会社等とのコラボによる、「トップアスリートにtry!ラグビー・車いすフェンシング・車いすバスケット体験会!」を開催。このイベントは、スポーツを通じて地域・社会の活性化に貢献するとともに、各競技の理解促進・普及を目的として、計80名を招待しました。ラグビーチーム「東京サントリーサンゴリアス」の選手のほか、安選手と、車いすバスケットボールチーム「NO EXCUSE」の森谷幸生選手を各競技の講師として招へいしました。

「『東京サンゴリアス』様とは、当社の銀座線外苑前駅が最寄である秩父宮ラグビー場で試合が開催された際にご縁ができ、それがきっかけで一緒にスポーツイベントを開催しませんか、という話が持ち上がりました。また、当社の安選手と親交のある車いすバスケットボール選手である村上慶太さんが代表を務め、パラスポーツの体験会や講演会などの企画運営をしている「MAKE MEANINGS」と連携する運びとなりました。さらに、安選手、村上さんの知人である森谷選手を誘い、車いすフェンシングに加え車いすバスケットボールの体験会も行うこととなりました。

パラスポーツイベントに取り組む理由は、パラスポーツを通じて、当社の沿線を中心とした地域・社会のみなさまとの良好なパートナーシップを構築し、「今後も東京メトロの沿線で生活していると何かしら楽しいことがある」と期待を持っていただきたいと考えているためです。当社のイベントがきっかけとなって、沿線地域、ひいては社会全体のパラスポーツ人口が増えればいいなと思っています」(井本課長補佐)

東京メトロは同イベントにて自社の福利厚生施設である深川総合運動場体育館を会場として提供しました。

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サントリーホールディングス株式会社とのコラボイベント

来場者の好意的な声を励みに新たな企画を模索

東京メトロとしては、パラスポーツイベントの共同開催は、今後も大歓迎とのこと。「東京メトロとコラボすれば、何か面白いことができそうと思っていただけるとありがたいですね。体育館を持っているのは当社の強みです。」とのこと。また、社員に対してもよい影響を与えていると言います。

「当社の鉄道は様々なお客様がご利用になります。そのため、社員研修では障がい者団体様に協力いただき、障がいのあるお客様へのサービスやホスピタリティなどの教育を行っています。パラスポーツイベントを実施し、それに参加することで、研修とは異なる新たな視点での学びや気づきが得られると思っています。同僚にも障がいのある同僚とも、一緒にスポーツを楽しむことで会話やふれあいなどの機会も生まれるため、一緒に仕事をする上でもよい影響があると思います。こうしたコミュニケーションの中から、障がいのある方への理解もいっそう深まると考えています。」(井本課長補佐)

今年度初めてイベントを実施して気づいた課題は、大きく2つあるそうです。1つは場所が限られていること。前述の深川総合運動場体育館はあるものの、バスケットボールコート2面ほどの広さなので、大規模な催しは難しいのだとか。そしてもう1つの課題は、参加者が思うように増えていかないこと。ただ、イベント参加者のアンケートの結果は決して悪くないと井本課長補佐は話します。

「これまで来場いただいた方々のアンケート結果は、かなり好評でした。『すごく楽しかった』『また来たい』という意見もたくさんいただきますので、こうした声を励みに私たちもいっそう注力してまいります。一方で参加者数は伸び悩んでいますので、集客につきましては、ぜひ他企業や団体様の力もお借りしながら、より魅力的なイベントを開催できたらと考えています。」(井本課長補佐)

集客に関しては、情報発信にも力を入れていきたいとのこと。

「当社でも各種イベントをプレスリリース、メールマガジン、SNSなどで発信していますが、TEAM BEYONDの力もお借りしながら、多くの方の興味関心を高めていきたいですね。加えて、当社とのコラボレーションに興味をお持ちの企業や団体様がいらしたら、ぜひお声がけいただけたらと思います」(井本課長補佐)

サステナビリティ推進部は2022年4月に新たにできた部署とのこと。今後もフレッシュな気持ちはそのままに、より魅力的な企画を発信していきたいと意気込んでいます。鉄道事業とともに、より豊かな共生社会の実現を目指す東京メトロ。その走りはこれからも続いていきます。

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東京地下鉄株式会社
担当部署 サステナビリティ推進部、人事部
住所 〒110-8614 東京都台東区東上野3-19-6
電話 0120-104-106(お客様センター)
URL https://www.tokyometro.jp/
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20230331

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