「WPA公認 第32回日本パラ陸上競技選手権大会」リモート観戦会、オンライン交流会を開催!

2021.04.20
「WPA公認 第32回日本パラ陸上競技選手権大会」リモート観戦会、オンライン交流会を開催!

『WPA公認 第32回日本パラ陸上競技選手権大会』が、2021年3月20日(土曜日・祝日)・21日(日曜日)に駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場(東京都世田谷区)で開催されました。
TEAM BEYONDでは20日(土曜日・祝日)の大会初日にリモート観戦会を実施。ゲストによる楽しい実況解説を交えての競技観戦や、出場選手を招いてのオンライン交流会を行いました。
大会の様子や、リモート観戦会、オンライン交流会の模様に加え、選手への事前インタビューも含めてレポートいたします。

本番に向けて調整を行う兎澤朋美選手へ事前インタビュー

TEAM BEYONDでは、大会3日前に、東京2020パラリンピック内定の兎澤朋美選手(T63・義足クラス)にリモートでインタビューを実施しました。
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兎澤 朋美(とざわ ともみ)選手 
(日本体育大学所属 ※取材当時。2021年4月より富士通陸上競技部所属)
1999年1月14日生まれ。T63 (下肢切断・義足使用、立位) 

小学5年生の時に骨肉腫で左足を失う。2017年に日本体育大学で本格的に陸上を始めた。抜群の運動感覚と強化したスタミナで、2018年の日本選手権走幅跳でアジア新記録をマーク、2019年の世界パラ陸上競技選手権大会走幅跳で3位入賞、東京2020パラリンピック日本代表に内定。
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「WPA公認 第32回日本パラ陸上競技選手権大会」リモート観戦会、オンライン交流会を開催!

今大会での目標や、応援・観戦してくださる方に向けての「ぜひ観て頂いて、ご自身で感じたパラスポーツの魅力を周りの方へ伝えていただけると競技者として嬉しいです。」というメッセージなどを、熱く語ってくださいました。このインタビューの模様は、TEAM BEYOND 公式WEBサイトでぜひご覧ください。

パラ陸上を知り尽くすゲストが大会を楽しく実況解説

「WPA公認 第32回日本パラ陸上競技選手権大会」リモート観戦会、オンライン交流会を開催!

TEAM BEYONDでは、東京2020パラリンピック競技大会まで157日となった大会初日の20日(土曜日・祝日)にリモート観戦会を実施。ゲストを交えた楽しくてわかりやすい実況解説を大会の中継映像に乗せて配信しました。
今回お招きしたゲストは、過去7度のパラリンピックに出場した車いす・短距離種目のレジェンド、永尾嘉章さん(右)と、TEAM BEYONDではおなじみのパラスポーツ大好き芸人みんなのたかみちさん(中央)。同じく観戦会ではおなじみのフリーアナウンサー山﨑雄樹さん(左)が実況を務めます。パラリンピアンならではの永尾さんの解説と、パラスポーツの大ファンのたかみちさんの豆知識で、白熱の競技をさらに楽しく盛り上げていただきました。

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解説は日本パラ陸上競技連盟育成強化委員 永尾嘉章さん
パラリンピック7大会の出場経験を持ち、2004年アテネパラリンピックの銅メダリストです。

「東京2020パラリンピックの出場を目指す選手にとって、選考がかかった重要な大会、熱い気持ちで観ていきたい」と語って頂きました。
実況中、パラスポーツを知り尽くしている永尾さんから、パラ陸上競技ならではの見どころや、ギア(義肢装具)について、わかりやすい解説を頂きました。

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「熱く応援していきたい」と、パラスポーツ愛を語るみんなのたかみちさん。

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空気抵抗をより抑えるために前輪が前方に出た陸上競技用の車いす(レーサー)。「一般的に『回転』のピッチを上げるとスピードが落ちる。ゆっくり力を込めてこぐことが大切です。」と永尾さん。こぐために手が触れることで逆にブレーキがかかりスピードが遅くなるそうです。選手はパンパンと音をたて、叩くように車いすを進めていました。

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競技用の義肢は、板を曲げたような形の陸上競技用のスポーツ用義足。いかに前に出して反発力を活かせるかが大切なポイントです。この反発力を巧みに操る選手の技も見どころの1つです。

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視覚障がいのクラスでは、選手は、ガイドランナー(伴走者)と一緒に走ります。「選手とガイドは棒でつながっているような、一心同体の1つのチームになることが大切です。」と永尾さん。
「相手を信頼してトラックを全力で走れるところがすごい!」とみんなのたかみちさんは感心された様子です。こちらの写真のガイドランナーもパラアスリートです。

白熱したトラック競技をわかりやすく解説

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まず初めに新記録を樹立したのは男子T52クラス(車いす) 100m決勝での大矢勇気選手(左)。
17秒19でアジア記録を塗り替えると、「これはすごいぞ!すごいシーンを観れた!」とみんなのたかみちさんが驚嘆されていました。

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男子T54クラス(車いす)100m決勝でのトップ争いを展開する生馬知季選手(右)と鈴木朋樹選手(中央)。白熱したレースの結果、生馬選手が有利と見ていた永尾さんの予想をくつがえし、鈴木選手がトップでフィニッシュしました。マラソン種目で東京2020大会に内定する鈴木選手が、100mでも日本一となったことに驚くみんなのたかみちさんに、「パラ陸上ならではの結果ですね」と永尾さんが解説してくれました。この男子T54クラス100mは、今でも永尾さんが日本記録を保持しています。そのことについて永尾さんは早く記録を抜いてほしいと思う反面、「やれるものならやってみろ!」という気持ちだそうです。

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T20クラスは、知的障がいのクラスです。選手のコンディションは、その日の精神状態でも左右されてしまい「コーチとの関係性を築いていないとここまでの競技レベルまで達するのは難しい」と永尾さん。この日行われた男子400mでは、岸田悠弥選手が優勝。女子400mでは、外山愛美選手が見事大会新記録で優勝しました。

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女子T47(上肢切断・上肢機能障がい)クラス 400m決勝で、美しいフォームでスタートする辻沙絵選手。
「義手でバランスをとり安定的に走るのが選手の技」と永尾さん。

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男子T11(視覚障害)クラス5000m決勝では、序盤より唐澤剣也選手(右)が和田伸也選手(左)を抑え込みそのままゴール。「(日本記録保持者の)和田選手のペースに惑わされずに、自分のペースで走りきった唐澤選手。最後のスパートも見事な走り」と永尾さんが絶賛。唐澤選手は自身の持つ大会記録を更新しました。

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男子T54(車いす)クラス5000m決勝 ラスト1周で見事にトップに躍り出てゴールを決めた樋口政幸選手。拳を力強くあげてアピール。
強豪選手が入れ替わりながらレースを引っ張り、中盤での選手同士の駆け引き、最後のスパートと、大変見ごたえのあるレースでした。

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女子T54(車いす)クラス100m決勝で、「他を寄せ付けない圧倒的な強さを持つ選手」と永尾さんがコメントするのは村岡桃佳選手。平昌2018冬季パラリンピックでアルペンスキー女子大回転金メダルなど5つのメダルを獲得した村岡選手。2019年春からトラック種目でパラ陸上にも挑戦。余裕の1位でゴール後も落ち着いた表情。

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女子T11(視覚障害)クラス100m決勝 向かい風の中、安定した走りの髙田千明選手。他を圧倒し優勝。「かっこいい!」と、ガイドランナーとゴールを目指す高田選手のフォームにみんなのたかみちさんが魅了されたようです。

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女子T63(下肢切断・義足使用・立位)クラス100m 決勝。兎澤朋美選手(左)。前川楓選手(右)
スタート直後、前川選手が前に出ますが、兎澤選手が見事に追い上げゴール。
「新記録が出た!やった!すごい!」みんなのたかみちさんが大喜び。
自身が持つアジア記録を16秒22のタイムで更新しました。
「義足の走りならではのフォームが観れた。義足を大きく前に踏み出し、その反発をうまく使っていた。」と永尾さんが兎澤選手の走りをコメントしました。

実況の最後に永尾さんが競技を振り返ります。「コロナ禍の中で選手は、トレーニング環境が変わったり、場所の確保が難しかったり、思うような練習ができなかった時期があったと思うが、それを乗り越えて限られた大会に出場して結果を残す姿は、選手一人ひとりの意識の高さ、強さを感じる。ぜひ若い選手が出てきてパラスポーツ界を牽引してほしい。」と元パラ陸上アスリートならではの、気持ちのこもったコメントを頂きました。

兎澤朋美選手を迎えて、オンライン交流会を実施

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リモート観戦会に引き続き、大活躍を果たした兎澤選手をスペシャルゲストとして招いてオンライン交流会が開催されました。

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競技中の真剣な表情とは違って、終始笑顔を絶やさずリラックスした様子の兎澤選手。山﨑さんより今日の競技の感想を求められ、
「冬期の練習も積めていたので、向い風がなければ目標の15秒台を出せたと思います。それでも今日はベストを更新できてよかったと思います」と笑顔で語ってくれました。調子は良くて、練習で自分の走力が上がっていると実感があったとのことです。

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アジア記録を更新した兎澤選手に花束を贈呈し、クラッカーで祝福するハイテンションのみんなのたかみちさん。

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「どの競技も一人の選手が突出しているというより、そのクラスに複数の高いレベルの選手がいて、競技が見応えがあり楽しかった」と今日のリモート観戦会を振りかえっていました。

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交流会の最後には、兎澤選手とみんなのたかみちさんのサイン入り色紙、TEAM BEYOND オリジナル水筒が抽選で当たるプレゼント企画も。

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オンライン交流会の最後に、視聴者に向けて笑顔で手をふる3名。

約8時間にわたってお送りした今回のリモート観戦会では、トラック競技を中心にパラ陸上の奥深い魅力の一端をお伝えできたと思います。
また、今回もTEAM BEYONDの動画配信ツール「AIR STADIUM」のチャット欄には、多くのコメント、応援メッセージがリアルタイムで寄せられ、オンラインならではのスタイルでパラスポーツの楽しさを共有することができました。

このリモート観戦会の模様は、「AIR STADIUM」にてアーカイブ配信中です。ぜひご覧ください!
※「AIR STADIUM」の利用にはTEAM BEYONDメンバーログインが必要です。(登録無料)

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また、観戦会の終了後には「選手への応援メッセージ」を参加者から集め、応援メッセージボード (色紙)を制作!競技団体様へプレゼントさせていただきました。

想いのあふれる様々なメッセージをお送り下さった皆様、本当にありがとうございました!

あなたも、ぜひ選手たちに熱い応援を届けてみませんか?
スポーツをする人も、観る人も、支える人も、あらゆるメンバーが一つのチームとなってパラスポーツを応援していきましょう!
みなさまのTEAM BEYONDへの参加を心よりお待ちしております。

20210420

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