応援に後押しされながらバーベルを上げる!熱い戦いが繰り広げられた「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」

2019.03.29
応援に後押しされながらバーベルを上げる!熱い戦いが繰り広げられた「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」
応援に後押しされながらバーベルを上げる!熱い戦いが繰り広げられた「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」

「いっけーいけいけ!いけいけ山本!」「ファイトー!」

大きな声援の後、しんと会場が静まります。そして、選手がバーベルを持ち上げる瞬間、成功を後押しするかのように「おー!」「いけー!」と掛け声があがりました。

選手は一気に腕を伸ばします。判定のライトには、成功を示す白い光が3つ揃い、会場からは一斉に拍手が巻き起こりました。

観客と選手の一体感が気持ち良いパラ・パワーリフティング。

この日は日本工学院八王子専門学校の片柳記念ホールにて、「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」が行われました!今大会は東京2020パラリンピック競技大会に出場するためにも重要な大会の一つです。気迫に溢れる選手たちにエールを送ろうと、TEAM BEYONDのメンバーたちが集まりました。

応援に後押しされながらバーベルを上げる!熱い戦いが繰り広げられた「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」
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また、今回はTEAM BEYONDメンバー限定で応援用の電子キット(バーサライター)の製作体験を実施。日本工学院八王子専門学校が“電子工作の楽しさ”を知ってもらえるように開発をしたこの電子キットは、左右に振ると一列に並んだLEDの残像効果で“がんばれ”や“FIGHT”と表示されます。
学生のサポートを受け、日本工学院八王子専門学校と“コラボ”して製作できたバーサライターで選手に声援を届けるための準備がさらに整います。

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バーベルを持ち上げるのはわずか3秒!練習の成果を全て出し切る

応援に後押しされながらバーベルを上げる!熱い戦いが繰り広げられた「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」

パラ・パワーリフティングは下肢に障害のある選手による、ベンチプレス競技です。男子49kg級から107kg以上級まで10階級、女子は41kg級から86kg以上級まで10階級に分かれて腕力を競います。

競技は、1人につき3回の試技を行うラウンド制で、選手はベンチ台に乗ってから2分以内にバーベルを持ち上げ始めなければなりません。そしてなんと、バーベルを胸までおろして挙上するまではわずか3秒!この3秒のために、選手は日々練習を積み重ねているのです。

選手の努力や想いがわずか3秒に込められた競技だからこそ、思わずじっと見入ってしまうパラ・パワーリフティング。この日もたくさんの観客が、祈るように選手を見つめ、「いけー!」と声を出して応援していました。

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応援歌に手拍子!観客から試合を盛り上げる

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選手の名前を書いたカードを掲げて、大きな声援を送っていたのは、聖学院中学校・高等学校、そして女子聖学院中学校・高等学校の生徒たち。熱い視線をステージに向けていた西田妃那さんと大野更紗さんは、学校の授業の一環で、パラスポーツに関わるプロジェクトに参加しているのだそうです。

「選手の名前を書いたカードは全部手作りなんです。今日出場する全選手の分を作成したので大変でしたが、応援するのが好きなので楽しく頑張れました!」

「重いバーベルを腕の力だけで持ち上げる姿にびっくりしちゃいました。本当にすごい!応援しながら私も元気をもらっています。」

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「ゴーゴー!レッツゴー!」と息の合った応援歌や手拍子で盛り上げる生徒たち。彼らに触発されたほかの観客にも応援の輪が広がり、会場全体を盛り上げていました。

観戦が初めてでも安心!ルールや解説を聞きながら応援しよう

今大会は国際招待選手権大会ということで、日本だけではなくアジアの強豪選手たちも参加しました。86kg超級で出場した韓国のヒュン・ジュン・リー選手は、昨年のアジアパラ競技大会で金メダルを獲得している選手です。

応援に後押しされながらバーベルを上げる!熱い戦いが繰り広げられた「第19回全日本パラ・パワーリフティング 国際招待選手権大会」
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こうした選手の紹介や細かなルールを、解説者として伝えていたのは日本パラ・パワーリフティング連盟理事長の吉田進さん。初めての方でも、選手のことを知らない方でも安心して試合を観戦することができます!

ヒュン・ジュン・リー選手は第1試技、第2試技と成功を重ね、最後の第3試技で挑戦した重さはなんと、自分の体重よりはるかに重い110kg!それを軽々と持ち挙げる姿に、観客からは「おお!」と驚きの声があがっていました。

お揃いの赤のビブスとスティックバルーンでの応援で注目を集めていたのは、TEAM BEYONDの企業メンバーでもある乃村工藝社の社員の皆さんです。所属する西崎哲男選手が登場すると、一体となって熱いエールを送っていました。

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同社の原山麻子さんは息子の隆馬くんとともに観戦に来たのだそう。同僚である西崎選手を応援しているうちに、パラ・パワーリフティングやパラスポーツそのものにも興味を持つようになりました。

原山さん:障害者スポーツ指導員免許を取ったり、パラ・パワーリフティングのコーチ育成研修を受けました。競技の体験をした時には、頑張った分記録が伸びる面白さが感じられて、さらに競技が好きになりました!

西崎選手は仲間の声援に応え、自己ベストと日本新記録を更新する137kgの試技を成功し優勝!選手と同じくらい、応援していたみなさんも嬉しそうな笑顔です。

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選手から観客に伝わる想い、会場に生まれた一体感

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67Kg級に出場した現役高校生の森﨑可林選手は、競技を始めてまだ1年ほど。全日本選手権大会には、今回が2回目の出場です。第1試技では50Kgを成功し、第2試技では日本新記録の53kgを成功させた森﨑選手。第3試技ではさらなる記録の更新を目指して55Kgに挑戦です!

「いっけー!いけいけ!いけいけ可林!」

森﨑選手はバーベルに手をかけて、一気に持ち上げていきます!会場には、審判の判定が出るまでのたった数秒が長く感じられるほど緊張感が広がっていました。判定は、残念ながら失敗。

「ああー!」「ドンマイドンマイ!」

悔しそうにお辞儀をする森﨑選手に、会場からはあたたかい言葉と激励の大きな拍手が送られました。

パラ・パワーリフティングでは、日本新記録を狙う目的で、競技役員に認められた選手のみ、特別に第4試技に挑戦することができます。森﨑選手も第4試技の実施が認められ、第3試技では惜しくも不成功だった55Kgに再び挑戦です。



会場全体から飛び交う応援と熱い視線の中、森﨑選手はついに55kgを上げることに成功!自身が持つ日本記録をさらに更新しました。第3試技の惜しい結果を共に受け止めていた観客にも、ホッとした笑顔が広がっていました。

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そんな森﨑選手が、TEAM BEYONDメンバーとの交流会にゲストとして登場!他にもnon-no専属モデルの泉はるさんと、元K-1世界チャンピオンの魔裟斗さんがゲストとして登場し、交流会を行いました。

トークセッションの話題は試合の振り返りからスタート。森﨑選手は今日の感想と反省点を話してくれました。

森﨑選手:「日本記録を超えられたので満足はしています。ただ、最後の第3試技が悔しいですね。結果、狙っていた記録には届かなかったので、次また頑張ります!」

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魔裟斗さん:「あれは止める時間が短かったのだと解説で言っていましたよね。成功したように見えたので“なんで?”って、僕も悔しい気持ちになりました。本当に惜しかった!」

泉さんは以前、森﨑選手の練習を見学しに行ったことがあり、今日の試合をとても楽しみにしていたそう。

泉さん:「今日は本当にお疲れ様でした。練習での頑張りを知っているからこそ、応援にも熱が入ってたくさん声を出しちゃいました!」

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森﨑選手:「皆さんの応援の声、ちゃんと聞こえていました!こんなに応援してもらえるんだってびっくりしましたね。名前を呼ぶ声も、“いけ!おせ!”の声も聞こえたので本当に力になりました!」

他にも森﨑選手が週2回行っているトレーニングの話や、ゲストの泉さんと魔裟斗さんが他にも見てみたいパラスポーツの話など、和やかな雰囲気でトークセッションが進みました。そして最後に、森﨑選手からは東京2020 パラリンピック競技大会への熱い想いが語られる場面も。

森﨑選手:「ずっとパラリンピック出場を目指してきたので、夢の場所というか、言葉で簡単に言い表すことのできないような存在なんです。まずは標準記録を突破して出場が決定できるよう、学業と並行してしっかりトレーニングを頑張っていこうと思っています!」

交流会の最後には、交流会ゲストのサイン入りTEAM BEYONDのTシャツが抽選で参加者にプレゼントされました。

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「楽しかったー!」

交流会後にそう伝えてくれたのは井上おとはちゃんと妹のひなのちゃん。今日はお父さんの和隆さんと3人で参加していました。和隆さんは観戦だけでなく、その後の発信を通してもパラスポーツを楽しんでいるそうです。

和隆さん:「僕はパラスポーツの楽しさをもっと知ってもらいたくて、いつも写真を撮ってSNSに掲載したりしているんです。これまでも他のパラスポーツの観戦にも行きましたが、パラ・パワーリフティングは観客全員がステージに注目している中行われる競技で、応援も盛り上がって面白いですね。

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わずか3秒間に選手の熱い想いが込められているパラ・パワーリフティング。選手の喜びも、悔しさも、目の前で応援することで一緒に体感できることが面白さの一つでもあります。あなたも観戦に参加してみませんか?TEAM BEYONDではこれからもパラスポーツに関するイベントを多数開催予定です。ぜひTEAM BEYONDメンバーになって参加してみてくださいね!

20190329

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