陸上競技
- 競技概要
- 最近では、五輪に出場したランナーや、五輪金メダリストを凌ぐ世界記録を樹立したロングジャンパーなどが登場し、世界から注目されているパラ陸上。「短距離」「中距離」「長距離」「リレー」のトラック競技、「走高跳」「走幅跳」「やり投」「砲丸投」などのフィールド競技、マラソンの3つの競技があり、男子、女子のほか、障がいの種類や程度によって分けられ、「視覚障がい」「知的障がい」「脳性麻痺」「切断・機能障がい(立位)」「切断・機能障がい(車いす)」「聴覚障がい」の6つの障がいグループがある。
先天性の障がいや、事故、病気によって脚を切断した選手が装着する義足には、膝から上を切断した場合の「大腿義足」と、膝から下を切断した場合の「下腿義足」がある。特に「下腿義足」の競技レベルは近年著しく上がっていて、健常者との垣根を越えそうな勢いだ。
空気抵抗をおさえた低姿勢で高速走行を実現させた競技用車いす「レーサー」は、世界トップレベルともなると、平地で時速35キロ以上のスピードに!そんな高速スピードで繰り広げられるゴール前でのデッドヒートは、いつも会場をヒートアップさせる!さらに、マラソンではトップクラスの選手は平均時速30キロ台、下り坂では時速50キロ以上が出るため、同じ42.195キロの距離で、一般のマラソンよりも30分以上も速いスピードレースが展開される!
- ルール・用語
- ・「視覚障がい」では、選手に伴走する「ガイドランナー」や、走高跳、走幅跳などのフィールド競技の際に、声や拍手で走ったり投げたりする方向や跳ぶタイミングなどを選手に伝える「コーラー」という「支える人」の存在がある。「ガイドランナー」と走る場合は、ゴールには選手が先に入らなければならない。
- ・「立位」では、先天性の障がいや、病気、事故で腕や脚を切断した選手は「義手」「義足」を付けて競技を行う。「ブレード」と呼ばれる競技用義足は、生活用とは形状も素材も異なり、「走る」「跳ぶ」ことに特化した作りとなっている。カーボン製で反発力があるが、底が丸みを帯びているためにバランスを取ることが難しい。使いこなすには腹筋や背筋、臀部などを鍛え、体のバランスをうまくとることが必須だ。
- ・「座位(車いす)」では、「レーサー」と呼ばれる三輪の競技用車いすが使用されている。近年では軽量化が進み、カーボン製が主流となっている。
- 観戦のポイント
- ・視覚障がいの選手がガイドランナーと走る場合、よく見ると、輪っかのひもを持ちあったり、手と手をひもで結んだりして、一定の距離を保ちながらガイドは選手が走る方向を示している。また、ガイドは選手に周囲の様子を伝える役割を担っていて、まさに「二人三脚」の競技。ピッタリと息の合った走りに注目!
- ・視覚障がいの選手のフィールド競技では、コーラーの声や拍手の音が聞こえるように、選手がスタート位置についたら静かに見るのがマナー。
- ・走幅跳では、特に義足ジャンパーが観客に拍手を求めることも少なくない。そんな時は、拍手で選手を後押ししよう!
- ・車いすレースでは、短距離はスタート後、いかに早くトップスピードにもっていくことができるかがカギを握る。中距離、長距離は位置取りが重要で、インかアウトか、どの選手の後方につくか、急にアタックを仕掛けられた際に対応することができるポジションにいるか、逆にいかに相手を前に入れさせないようにするかなどの戦略が必須。最近ではマラソンも含めて最後にスプリント勝負となる展開が少なくなく、その際にいかに相手に邪魔されずにギアを上げることのできるポジションにいられるかどうか。そんな勝敗をわける位置取りに注目して見ると、よりレースが楽しめる!
20240910