車いすバスケットボール
- 競技概要
- 車いすが激しくぶつかり合う音、摩擦でタイヤが焦げたニオイ……「コート上の格闘技」とも言われる車いすバスケットボールは、使用するボールや、コートの大きさ、バスケットゴールの高さ、試合時間(40分=1ピリオド10分×4)など、ルールは健常者のバスケットボールとほぼ同じなので、わかりやすく親しみやすい。一方、車いすならではのスピード感があり、特にカウンター攻撃の際の速さは圧巻!また、しばしば転倒が起こるほどの激しさも見どころのひとつだ!車いすとボールを同時に自在に操ってしまう選手たちのプレーには「驚き」がいっぱい。足を使ってジャンプすることができない中、健常者のバスケットボールと同じリングの高さに難なくシュートしたり、スリーポイントを入れたりする選手たち。身体能力の高さに加えて、鍛え抜かれた腕っぷしはまさにアスリートそのものだ!
- ルール・用語
- ・車いすの車輪の一漕ぎを「1プッシュ」と言い、健常者のバスケットボールの「1歩」をさす。連続で「3プッシュ」以上漕ぐと「トラベリング」となる。
- ・「ダブルドリブル」はない。「2プッシュ以内」に1度でもドリブルをすれば、再び車いすを漕ぐ(2プッシュ以内)ことができ、この動作を何度でも繰り返して行うことができる。
- ・1チーム5人制は、健常者のバスケットボールと同じ。ただし、各選手には障がいの程度によって可能な動作やバランス能力、ボールコントロール範囲に応じた「持ち点」がある。障がいの重い方から「1.0」「1.5」「2.0」「2.5」「3.0」「3.5」「4.0」「4.5」の8クラスあり、コート上の5人の持ち点の合計が「14.0」以内におさめなければならない。「1.0」~「2.5」を「ローポインター」、「3.0」~「4.5」を「ハイポインター」と呼ぶ。
- 観戦のポイント
- ・ハイポインター同士のゴール下での激しい攻防戦は必見!なかでもしっかりと体幹を使うことのできる選手は、より高さを出すために片側の車輪を浮かす「ティルティング」という技を繰り出しながら、シュートをしたり、ディフェンスをしたりするので、見どころのひとつ。
- ・ローポインターは、ハイポインターと相手ディフェンダーとの間に入り、シュートを狙うハイポインターからディフェンダーを遠ざける役割がある。ハイポインターの得点シーンには、こうしたローポインターの陰の支えがあることも見逃したくない。
- ・相手のシュートが入り、オフェンスとディフェンスが切り替わった瞬間、自陣に戻ろうとする相手選手を、1人あるいは2人で止める「バックピック」は、車いすバスケならではの戦術のひとつ。相手を止めていたオフェンスの選手が先に戻って攻撃に参加することで数的有利な「アウトナンバー」の状況をつくり、シュートチャンスをつくるのが狙い。車いすバスケでしか見られない頭脳プレーだ!
20240909