高くジャンプして、片腕で思いっきりスマッシュを決める!
選手がガッツポーズをして喜びの声をあげると、会場からも大きな拍手と歓声が起こります。
体育館に所狭しと並んだコートでは、上肢障がいの選手だけでなく、車椅子や義足で、そし低身長というカテゴリーで試合に挑む選手たちの姿があります。
この日は、「ヒューリック・ダイハツ JAPANパラバドミントン国際大会2017」が開催されました。今大会は、なんと日本で初めて開催されるパラバドミントンの国際大会!
世界レベルのパラバドミントンを間近で見て体感しようと、会場にTEAM BEYONDメンバーが集まりました!
様々な障がいがある選手が挑むパラバドミントン
今大会の会場は、町田市立総合体育館。期待感が高まるオレンジ色の大きな幕が掲げられ、観客のみなさんを出迎えます!
会場では、スタッフがTEAM BEYONDTシャツを着てブースでスタンバイ!時間になると、TEAM BEYONDメンバーのみなさんが集まり始めました。
パラバドミントンには、大きく分けて車いすと立位と低身長があり、障がいによりクラス分けされています。会場ではたくさんの試合が同時進行されており、熱い戦いが始まっていました!
「いけるいける!」「一本とるぞー!」熱い歓声が飛び交う試合
「熱いぞ!」
「強気強気ー!!!」
ひと際大きな歓声が上がっていたのは、上肢障がいのある選手が出場する「立位・上肢」の女子ダブルスの日本対中国の試合。豊田まみ子選手と山田麻美選手が、息の合ったチームプレイを繰り広げていました!
第1ゲームを16−21で勝利、第2ゲームを21-16で負けた日本が、なんとしてでも勝ちたい第3ゲーム。観戦しているみなさんの応援にも熱が入ります!
TEAM BEYONDのTシャツを着て観戦していたのは、会社員の白石勇樹さんです。よく献血に協力するなど、白石さんは普段から「誰かの役に立ちたい」という思いで行動しているのだといいます。
「パラスポーツを応援することで、誰かの力になれるんじゃないかって思ったんですよね。一人でも多く観客がいたら、選手も力を発揮できるんじゃないかという気持ちで応援しています!」
ご夫婦で仲良く応援していたのは斎藤敬さん、裕美さん。リオパラリンピックをテレビで見てから、パラスポーツに関心を持つようになったそうです。
「障がいのあるなしにかかわらず、選手がベストを尽くしている姿ってすごくいいですよね。」(裕美さん)
「シャトルの速さ、スピードのある試合展開がすごいですね!今日はシャトルを打つ「パシュ」っていう音を間近で聞けてとても嬉しいです。」(敬さん)
選手がスマッシュを決めると、お二人からも自然に笑顔と「やった!」という歓声が聞こえます。
会場を見渡すと、みんなそれぞれの応援の仕方で選手にエールを送っています!前のめりな姿勢で真剣な眼差しで試合を見つめる人、立ち上がって声を上げる人。
「いけるいける!」
「1本ー!」
第3ゲームも終盤に差し掛かり、ラインぎりぎりまで諦めずにシャトルを打とうとする選手に、観客席も全力で声を上げます!
最後まで全力で戦った豊田選手、山田選手。残念ながら25-27で、試合には負けてしまいました。
悔しさとやりきったという笑顔が入り混じった表情で、ハイタッチを決める2人!最後に観客席に一礼をした選手たちには、会場からは大きな拍手と「次もファイトー!」 という温かい声援が送られました。
車椅子を操って戦う選手たちの姿にパワーがもらえました
反対側のコートでは、車いすの試合も行われています。
片手で車椅子を操り、片手でシャトルを打つ!後ろに車椅子をひいてのけぞりながらシャトルを打つ、選手たちのずば抜けた身体能力には驚かされます。
車椅子に乗って戦う選手たちの姿をじっと見つめていたのは、ご自身も障がいがあり車椅子ユーザーである浅野璃子さん親子。
璃子さんは、二分脊椎症で歩くことが難しく、普段から車椅子で生活しています。車いすテニスや陸上など、ご自身もパラスポーツをしているという璃子さんは、お父様に誘われておもしろそうだなと思い、今日は名古屋から参加したのだそうです。
「音を聞いて、スカッとするなって。車椅子で試合を頑張っている選手を見ると、なんかパワーがもらえるなあって思います」
またパラスポーツを応援しに試合に来たいです、と璃子さんは笑顔で語ってくれました。
全力でベストを尽くす選手の姿を間近で見てほしい
体育館の反対側では、「立位・上肢」の男子ダブルスの日本対中国の試合がスタートしていました!今井大湧選手、浦哲雄選手が次々と得点を決め、試合をリードしています。
会場席でTEAM BEYONDメンバーの中に、ひと際真剣な眼差しで試合を見つめる女の子の姿を見つけました。
お母様の松田園さんと一緒に参加されていた松田恋さんは、学校でバドミントン部に所属しているのだそう。
「障がいがあってもバドミントンができることは純粋にすごいなと思っていたので、一回見てみたかったんです」(恋さん)
恋さんは、同じバドミントン選手として選手たちのプレイにとても感動したのだといいます。
「スマッシュが早くて、レシーブも取れているし、すごく上手いなあと思いました。バドミントン部の友達も、みんなパラバドミントンを見てみたいって言っています。今度はみんなと一緒に来たいな」(恋さん)
今井選手・浦選手は、第1ゲームを21−8、第2ゲームを21−7で終え中国に勝利!松田さん親子からも、嬉しそうな笑顔がこぼれます。
メンバーのみなさんがそろって口にしていたのは、「動きが速くてすごくかっこいい!」という一言。きっと障がいのあるなしは関係なく、ベストを尽くすために全力で頑張る選手の姿には、誰もが心を動かされるはず。
ぜひあなたも、会場でパラバドミントンの選手たちを応援してみませんか?
※パラバドミントンのクラス分けに関する表記は、「車いす」を使用しています。