2020年10月某日、強い風が吹き荒れる中、さいたま市レッズランドに颯爽と登場したのは、菊島宙(きくしま そら)選手。
菊島選手は、若干18歳にしてブラインドサッカー女子日本代表に選出され、ブラインドサッカーチーム「埼玉T.Wings」に所属するエースストライカーです。幼稚園のころからサッカーを始め、小学校4年生のときにブラインドサッカーに出会いました。
2017年から日本代表として活躍し、2019年にはIBSA世界選抜との戦いでトリプルハットトリックを達成してMVPを獲得するほどの腕前。アイマスクをしている状態でも、通常のサッカーと同じようにボールを運び、シュートを放つ天才プレーヤーなのです。
そんな彼女に今回、あるスゴ技に挑戦してもらいました。それは、音を頼りに小さなドローンをサッカーボールで打ち落とすというチャレンジです!
小型ドローンを打ち落とす! 未体験のチャレンジ
使用したドローンは、手のひら程度の小ささ。通常の状態でも当てるのは難しそうな挑戦、これを音だけ頼りに落とすというのだから、かなり難解なチャレンジだということがわかります。
チャレンジの前に、菊島選手の意気込みを聞いてみました。
「初めての体験なので、楽しみな反面、当てられるか不安もあります。できるのかなあ(笑)、でも頑張って当てますね!」
特にチャレンジに向けた練習はしてこなかったそうですが、成功するのでしょうか? 見届けたいと思います!
アイマスクを装着し、チャレンジスタート!
試合と同じようにアイマスクをつけ、ブラインドサッカー用のボールをセットしたら、チャレンジ開始です。
強風のせいか、ゴール角に飛行するドローンは横に流れ、ゆらゆらと不安定な状態。父親でもある菊島充監督から「角を狙いすぎないように、音を聞いて!」とアドバイスが飛びます。
目隠し無しでも難しい技ですが、回数を重ねるごとに、菊島選手の精度がどんどんあがり、ドローンに近づいていきます。
10回目のチャレンジが失敗したときには、菊島選手から「めちゃむずかしい!」という声も。しかし、全く諦めの色は見せず、楽しそうにシュートを打ち続けます。監督からも「シュートとしては完璧なんだけどな」とお褒めの言葉も。
惜しいシュートは何本もありましたが、なかなか当たらない時間が続きます。このまま、チャレンジ失敗に終わるのではないかと不穏な空気が流れ始めた、18回目のチャレンジ……。そのときは訪れました。
勢いよく放たれたボールは、ゴール右角を飛行するドローンを正確に打ち抜きました! さらにボールの勢いは止まらず、ゴールポストにも直撃。なんと、ゴールごと破壊してしまいました。
ドローンもゴールも打ち抜く、菊島選手の豪快なシュートが見事に炸裂! 当たった瞬間、菊島選手だけでなく、撮影スタッフ一同、歓喜の声を上げました。
壊れたゴールがシュートの威力を物語っています。ちなみに、ゴールは無事に元通りに。
見事、チャレンジ成功!
チャレンジ後、プロの顔つきから一気に、少女らしい笑顔を見せてくれた菊島選手に話を今日の感想を伺いました。
「ボールを蹴るときの細かなコントロール調整が苦手なので、難しかったですが、やったことのない新しい挑戦はとても楽しかった! でも、モノを壊すのには抵抗感がありますね……」
心配そうにドローンを見つめていましたが、撮影終了後、スタッフがドローンの無事を確認しました。
スゴ技を見せてくれた菊島選手、本当にありがとうございました!
今回のチャレンジの模様は以下のページから見ることができます。菊島選手の豪快なシュートを、ぜひ目の当たりにしてみてください!