応援の声とともに跳び上がる!「関東パラ陸上」での走幅跳・澤田優蘭選手の挑戦

2018.07.18
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勢いよく助走をつけて、踏切台を切って跳ね上がる!

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選手の跳躍の後は測定を待ちながら、緊張感に包まれる応援席。記録が発表されるとたちまち歓声が上がります!

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みなさんが夢中で観戦している競技は、走幅跳です。6月30日(土)、町田市立陸上競技場にて、第23回関東パラ陸上競技選手権大会が開催されました!10月のアジアパラ競技大会に向けて、各選手記録を伸ばしていきたいと臨んだ同大会。

走幅跳と100mに出場するのは、世界でも活躍する澤田優蘭選手です。この日は走幅跳の試合が行われました。弱視がある澤田選手は、視覚障害のクラスT12で登場します。

自身が持つ日本記録更新に向けて、澤田選手には大きな期待がかかっています!そんな澤田選手を応援しようと、炎天下の中、おそろいのタオルやスティックバルーンを持ったTEAM BEYONDメンバーたちが集まりました。

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静けさの中でエールを送る、走幅跳の応援

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陸上トラックでは車椅子で駆け抜ける5000mや、やり投げなども行われています。大逆転も巻き起こり、早くも熱い戦いが繰り広げられていました。そして次はいよいよ、走幅跳が行われます!

走幅跳は助走、踏み切り、そして跳躍の全てを掛け合わせて記録につなげる競技です。助走スピードは早く、跳躍の瞬間もあっという間なので目が離せません。

試合前には、全盲の選手がガイドランナーの指示を聞き取れるよう、助走と跳躍の間は静かに観戦することなど、マナーも伝えられました。これで、初めての観戦でも安心して応援を楽しむことができます!

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「室内競技は見たことがあったけれど、陸上競技は初めてなので楽しみに来たんです!」(森下さん)

そう話してくれたのは森下眞紀子さん。一緒に座って観戦をする中原真弓さん、土田憲久さんとは会場で出会い、パラスポーツが好きだという共通の話題ですっかり意気投合したのだそう!同じ思いを持った仲間と出会えることもまた、会場で観戦する楽しさの一つです。

「パラスポーツ選手たちの生き様に感動をもらって、応援しなきゃ!と思って今日は来ました。」(中原さん)

「“障がいのある選手たちが自分を生かしてチャレンジしていくのがかっこいい。私は長野パラリンピックの頃からずっとパラスポーツを応援しているんです。」(土田さん)

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大会記録更新!実際に近くで見て体感する、選手の迫力

TEAM BEYONDメンバーの応援準備も整い期待が高まる中、澤田選手の入場です!

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ガイドランナーとともに登場した澤田選手。踏み切り板までの歩数を合わせるように跳躍をして調整しているようです。

視覚障害があると、踏み切り板のラインを見据えて助走をすることができません。そのため澤田選手は練習の中で歩数を決め、本番も自分を信じて飛ぶようにしているのだといいます。

いざ、本番がスタート!静かになった会場で、TEAM BEYONDメンバーもじっと見つめながらエールを送ります。

澤田選手は1回目、2回目と踏み切り板のラインを超えた跳躍となってしまい、記録がつきませんでした。ファウルを意味する赤の旗が上がります。

そして3回目の跳躍。踏み切り板のラインに余裕を持って、跳躍を決めたようにも見えました!

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無事、記録有効を意味する白旗が上がり、応援席も安心した様子を見せていました。でもまだ会場全体には緊張感が残ります。結果測定を待っているのです。

発表された記録は5m28。なんと、大会記録の4m94 を更新です!

「よしっ!」「やった!」

TEAM BEYONDのメンバーも声をあげたり、スティックバルーンを叩いて盛り上がっていました!

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試合中、一番前の席で応援をしながら、時には熱心に競技写真を撮影していたのは白倉資大さん。資大さんはパラスポーツの様子を写真に撮って、自身のSNSで紹介もしているといいます。今日は夫婦で一緒に観戦に来ていました。

「障がいがある人というと、支えようというイメージを持つじゃないですか。でも実際はアスリートとしてものすごく鍛えているから迫力があるし、すごくかっこいい。これは実際に会場で見てこそわかることだと思います!」(資大さん)

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選手と心をひとつにして、いざ日本記録更新にチャレンジ!

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澤田選手の後半の跳躍は、白旗が上がるものの5m08、5m05と記録が続きました。

そしてついに最後の跳躍!自身が持つ日本記録の5m70更新なるか、会場全体に緊張感が漂います。

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澤田選手は思いっきり走って、安定した足取りで踏み切り板を切りました。

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白旗が上がります!測定中、記録が出るよう祈るように、応援席からもじっと視線が向けられていました。

記録は5m20。残念ながら記録更新には及びませんでした。TEAM BEYONDメンバーは悔しそうな表情を見せながら、それでも会場からは激励の大拍手が巻き起こっていました。

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最後まで真剣な眼差しで試合を見守っていた松本大輝さんは、ご自身も陸上競技経験者なのだそう。今日は大学の同級生とともに応援に駆けつけました。

「選手一人だけではなくて、ガイドランナーの方と息をあわせてプレーしているのがかっこよかったです。視覚に障がいがあることを感じさせない跳躍に、本当に感動しました!」(松本さん)

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会場との一体感が記録にもつながる。応援の大切さ

応援の後は、澤田選手とTEAM BEYONDメンバーによる交流会です。試合を終えた澤田選手が登場しました!

今日のTEAM BEYONDメンバーたちの応援や熱い思いは、澤田選手に伝わっていたのでしょうか?

「見えなくても、競技中の応援や観戦はすごく感じます。今日はスティックバルーンの音が聞こえて、たくさんの方が来られているんだなと嬉しくなりました!」

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澤田選手は子どもの頃から成長とともに少しずつ弱視が進行し、視野が狭くなってしまったことで、一度は陸上競技を続けることを諦めていました。しかし偶然にもパラスポーツに出会うことができて、目標を持って生きる楽しさを知ったのだそう。自分が競技を頑張ることで、パラスポーツ全体を盛り上げ、競技を楽しむ人が増えてほしいと、熱い思いを語ります!

「暗いところ、明るいところによって見え方は違いますか?」

「澤田選手がここ一番の大切なときに食べる、勝負飯を教えてください!」

質問タイムには参加者から質問が次々と寄せられていました。

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「跳躍前後の盛り上がりや、測定のときにしんとなって一緒に待つような一体感は、みなさんが応援してくださることで巻き起こるんです。私は応援によって高まりを感じますし、実際これまでもいい感じの緊張感の中で記録を伸ばしてきました。東京2020に向けて、そしてその先も、ぜひ一緒にパラスポーツを盛り上げてもらえると嬉しいです!」

最後に澤田選手は、2020年の東京パラリンピックに向けて金メダルを狙っていきたいと、晴れやかに話していました。

交流会に参加したTEAM BEYONDメンバーには、抽選で10名に澤田選手サイン入りのTEAM BEYONDTシャツがプレゼントされていました。

選手に記録に結びつくようなパワーを届けたり、応援することで自分自身も励ましをもらうことができるのも会場で応援する楽しさのひとつ。選手の気迫を身近で感じることで、きっとあなたにも熱い気持ちが湧き上がるはず!

ぜひ一緒にパラスポーツを応援する楽しさを味わってみませんか?

TEAM BEYONDではこれからも観戦会や応援イベントを開催予定です。あなたのご参加をお待ちしています!

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