「応援してくれる人がいるから強くなれる」選手を突き動かす応援の力

2018.03.29

「会場に足を踏み入れた瞬間、見えなくてもたくさんの方が応援に来てくれている熱気を感じたので、今日は絶対にいいプレーがしたいです!」

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気合い十分の表情で話してくれたのは、ブラインドサッカーチーム「free bird mejirodai」に所属する鳥居健人選手。その言葉どおり、鳥居選手は試合中早い攻撃と鋭いミドルシュートで、2点もの得点を決めました!

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試合は1月28日(日)、青山学院記念館で開催した「BEYOND STADIUM」にて行われました。「BEYOND STADIUM」はパラスポーツの魅力を目の前で感じながら、競技の特徴に合わせた「最高の応援」をみんなでつくるイベント。会場にはパラスポーツを応援しようと、たくさんのTEAM BEYONDメンバーが集まりました。

私たち一人ひとりの応援は、選手にどんなパワーを与えるのでしょうか?今回は、選手が感じている「応援の力」に注目します!

「見てくれる人にはどう映るだろう?」練習中も応援が励みになる

まずはブラインドサッカーの紹介から!ブラインドサッカーは試合中、フィールドプレーヤー全員がアイマスクを着用。転がると音が鳴る特殊なボールを使用することで、ボールの位置を把握しながらプレーをします。

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そのためボールの音が聞こえなくなってしまわぬよう、試合中は音を出さずに観戦をすることがマナーとなっています。その代わり、タオルを振って応援を届けることもできるのです。

選手たちは観客の様子を見ることはできませんが、会場の盛り上がりは感じるのだと鳥居選手は言います。

「会場が湧いているときはなんとなく感じるんです。いいプレーで盛り上がってもらえるとやっぱり嬉しいですね。だから試合中だけではなく練習しているときでも常に、見てくれる人にはどう映るんだろうと考えて、頑張れることもあります。

今後東京2020に向けて、そしてその先もパラスポーツを盛り上げたいですし、それだけのプレーをしていこうと強く思っています。」(鳥居選手)

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年齢なんて関係ない。親子でもライバルとして切磋琢磨する関係

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試合に親子揃って出場していたのは、父・北郷宗志選手と息子・宗大選手。サッカーをはじめたのは、宗大くんが小学5年生のとき、友人の紹介で体験をしたことからだったそう。

「僕は弱視なんです。宗大が小さいころ、本当は一緒にキャッチボールやサッカーをしたかったのですが、2人とも見えないからできなくて。だけどブラインドサッカーなら一緒にできると思い、僕も一緒にやろうと決めました。だからサッカー歴は宗大の方が少しだけ先輩です(笑)。」(宗志選手)

お二人はお互いをチームメイトであり、ライバルでもあるのだと話します。

「試合中は親子とかは関係なくて、チームメイトって関係かなあ。」(宗大選手)

「僕は子どもにまだまだ負けられんな、と燃えていますよ!」(宗志選手)

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ブラインドサッカーに携わるお二人にとって、競技の魅力は「一体感」なのだとか!アイマスクをすることで誰もがプレーを楽しむことができる上に、年齢も、国内大会では性別も問わず参加することができるのです。

「ガイドやゴールキーパーとしてなど様々な関わり方もあります。ブラインドサッカーはそのような、サポートしてくれる人たちに支えられている。選手だけでは練習も成り立たないですから。

選手、サポートの人たち、そして応援してくださる人たちがいて、はじめて一体感が生まれて、試合ができるんです。」(宗志選手)

応援の声に励まされ、「絶対に勝ちたい」という気持ちが生まれる

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この日もうひとつ行われた競技は「ボッチャ」です。ルールは、ジャックボールと呼ばれる白いボールに、一番近く寄せた選手(チーム)の勝ちというシンプルなもの。試合中の応援は自由ですが、投球フォームに入ってからは選手が集中できるよう、静かに見守ることになっています。

この日、大逆転勝利で注目を集めたのは廣瀬隆喜選手!

「ボッチャでは、最終的にジャックボールに近ければ勝ち。なので、前半はミスがあっても取り返すことができれば勝てる。大逆転も起こりうるのも面白さの一つです。」(廣瀬選手)

今日は応援の声が大きくよく聞こえたと振り返る廣瀬選手。応援は選手にとって、大きな励みにもなるのだと語ります。

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「名前を呼んでもらったり、カードを掲げてもらったりするとやっぱり嬉しいです。今日は絶対勝つぞ!という気持ちになりますね。」(廣瀬選手)

自分の能力を競技に生かす、パラスポーツの楽しさ

この日ボッチャの試合で接戦を繰り広げた古満渉選手は、「筋力が弱い」という要素を抱えながらも、精度の高い投球を武器に活躍する選手です。

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「私は先天性の筋萎縮症という病気で、筋力が圧倒的に弱いんです。ボッチャの中ではVC4クラスに属していますが、その中でも相当筋力がない方だと思います。

でもボッチャはパワーだけではない、精度や戦術、リカバリー能力なども問われる競技。パワーがない分を他で補いながらやっていくのが自分のスタイルだと思っています。」(古満選手)

古満選手は今日のようなイベントの中で試合をしたのは初めてだったそう。応援の声をきいて、客席も一緒にプレーに参加しているような気持ちになったと話します。

「いいプレーするといい声援が返ってきて、外してしまうと『惜しいなあ』といった声やため息も聞こえました。1人ではなく、みなさんと一緒になって戦っている気持ちになりましたね。

ボッチャは車椅子のひとはもちろん、年齢とか性別関係なく誰でもできるスポーツなので、今日応援に来てくださっていた方々にも体験していただき、ぜひ身近に感じてもらえたら嬉しいです。」(古満選手)

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それぞれが自分の能力を生かして活躍するパラスポーツの数々。競技としての楽しさはもちろん、選手一人ひとりのストーリーに注目することもまた、面白さのひとつです。

そして選手たちを応援することは、プレーに参加するということでもあります。私たち一人ひとりの声は、試合中はもちろん、日々練習に励む選手の支えとなり、パワーを与えているのです!

あなたも好きな競技や、好きな選手をみつけて一緒に応援してみませんか?TEAM BEYONDではメンバーを募集中!ぜひご参加をお待ちしています。

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