2020年10月某日、江戸川区スポーツセンターに、とあるスゴ技チャレンジのために登場したのは、車いすフェンシングの加納慎太郎(かのう しんたろう)選手。
Yahoo!JAPANに所属する加納選手は、2013年に車いすフェンシングを開始し、インドネシア2018アジアパラ競技大会で男子団体サーブル3位、男子団体フルーレ3位、2018年全日本車いすフェンシング選手権 国際親善大会でフルーレ準優勝、エペ3位など、数々の入賞を果たしてきました。
そんな彼の挑戦をサポートするのは、笹島貴明(ささじま たかあき)選手。2014年にスノーボードで負傷して以降、車いすフェンシング選手として活動。2019年世界選手権(韓国) ベスト32、2018年アジアパラ競技大会で個人フルーレ5位、団体フルーレ3位、団体サーブル3位といった成績を残してきた選手です。
今回のスゴ技チャレンジの内容は……スピードが勝負の「風船の速突き」チャレンジです!まずは、6秒間に3つの風船を速突きしてもらいます。
銀色の有効面につけられた風船を速突き!
車いすフェンシングは「ピスト」と呼ばれる装置に車椅子を固定し、細くしなる剣を使い、座った状態で戦います。銀色のメタルジャケットは、ポイントが入る有効面を示します。
今回は笹島選手の有効面に風船をつけ、それを速突きで割ってもらいます!
チャレンジの前に、加納選手の意気込みを聞いてみました。
「人を突くのと風船を突くのでは、勝手が違うので、コツさえつかめばできると思います。目にも留まらぬ速さで突いていきますよ!」
初めてのチャレンジは成功するのでしょうか? 見届けたいと思います!
笹島選手に風船を取り付け、チャレンジスタート!
「緊張している」と言いながらも、そんな様子はみじんも感じさせない加納選手。風船を3つセットした状態でチャレンジすると、いとも簡単に風船を全て突き弾いてしまいました。ゆっくり突いたとはいえ、その時間、わずか2秒!
数回チャレンジしたところで風船の数を増やし、レベルアップすることに。加納選手も「今まで“割り”に行っていたけど、全力で行っていいですか?」とギアチェンジ。受け止める笹島選手によると、「受ける側も技術がいるんです」とのこと。お二人の信頼関係を感じさせます。
風船の数を5つにしてチャレンジ。上から下へ次々と、すごい速さで突いていきます。
5つに増やしたことで、難易度がぐっと上がります。剣の鋭い風圧で風船が体から外れてしまう失敗もありました。また、風船のない場所を繰り返し突く加納選手の姿に、受けている笹島選手が苦笑するシーンも。
その後、チャレンジを重ねながら、6秒間に5つの風船を割ることにも無事に成功! 迫力ある映像が撮れたことで、スタッフ一同拍手喝采でした。
映像を見た加納選手も満足そう。しかし、チャレンジはここでは終わりません。
最後は、6秒間にいくつ割れるかに挑戦!
風船を5個にしても、なんなくクリアしてしまう加納選手。最後は6秒間にいくつの風船を割れるかにチャレンジしてもらいました。笹島選手にはありったけの風船が取り付けられました。その姿は、まさに「風船マン」!
タイマーをスタートした瞬間、勢いよく風船の速突きを始める加納選手。まるで本物の騎士のようなかっこよさ!
「パンッパンッ」と音を立て、次々に勢いよく割れていく風船たち。剣がしなる度に「ビュンビュン」と鳴る音も迫力満点。
そして、なんと6秒というわずかな時間に12個もの風船を割ることに成功しました!
チャレンジが成功した加納選手は今回の風船速突きチャレンジについて「人の身体と違って、風船の中身は空気なので、どうやったら割れるか、最初は角度調整が難しかったですね」と風船ならではの難しさを話しつつも、「新鮮で楽しかった」と嬉しそうな表情を見せてくれました。
さらに受け手となってくれた笹島選手に対しても、「笹島選手は、突かせる名人。彼のおかげでうまく弾くことができました。」と感謝し、「車いすフェンシングは迫力ある競技なので、ぜひ機会があれば見に来てください」と話していました。
笹島選手からは「緊張感持ってやったほうがうまくいくなど、いい発見もありました!」という感想に加え、「フェンシングは技術はもちろん、戦術も魅力的なのでそこにも注目して欲しいです」と教えてくれました。
スゴ技を見せてくれた加納選手、そして相手役をしていただいた笹島選手。本当にありがとうございました!
今回のチャレンジの模様は以下のページから見ることができます。加納選手の華麗な速突きを、ぜひ目の当たりにしてください!