パラリンピックを目指す女子アスリート応援プロジェクト第2回。パラスポーツの魅力に迫るべく、はる&メイさんがブラインドサッカー界のスター・菊島宙ちゃんを直撃!
アイマスクをして全く見えない状態でプレイ
視覚障がいのある選手がアイマスクをして行うサッカー。ただしキーパーは晴眼者または弱視者が担う。国内大会では健常者や弱視者でもアイマスク着用で参加可能。今年女子日本代表が発足し世界一に。現在は男子のみパラリンピック正式種目。
大学生パラリンピアンの一ノ瀬メイさんと
大学生モデルの泉はるがブラインドサッカーに挑戦!
01 準備運動
まずは専用のアイマスクをつけるところからスタート。実際の大会ではその下にアイパッチをつけて完全に光を遮断するそう。
アイマスクをしたメイさんに、はるがストレッチの種類を言葉で説明する練習から。伸脚のことをなぜか「開脚の屈伸っ!」と伝え、アキレス腱伸ばしをしてしまう場面も(笑)。
一方のメイさんは最初から「任せて」と自信満々。「まずは肩のストレッチね」と効かせる部位を伝え、「真っすぐに伸ばした右腕を左に持ってきて左手で抱え込む」と的確な指示!
02 パス練習
使用するボールはフットサルと同じ大きさ。転がるとシャカシャカと音が出るので、位置や転がり方が分かる設計に。
見えない状態でのパス回しは、お互いのかけ声とボールの音だけが頼り。
蹴る側も受ける側も「いきまーす!」「ここでーす!」とアピールするものの、タイミングがなかなか合わずに悪戦苦闘。
03 シュート練習
最後はついに実践形式でシュート練習。日本代表の得点女王・宙ちゃんの実力を間近で体験することに!
はるとメイさんはアイマスクを外しているのに、宙ちゃんはフェイントを交え、メイさんの股を抜いてゴール。そのスピードに唖然……!
04 メイさんがTRY
宙ちゃんとはるは、メイさんとの衝突を避けるためにスペイン語で「行く」という意味の「ボイ!」というかけ声をかけてディフェンス。
根っからのアスリートであるメイさんはセンスも思い切りも抜群。空気で膨らませたゴールが崩壊してしまうほどの豪快なシュートを披露!
誰でも気軽に体験できる
開かれたパラスポーツ!
はる 今回初めてブラインドサッカーを経験してみたけど、めちゃくちゃ難しかったし疲れた〜!
メイ 選手のすごさが実感できたよね。ホンマは見えてるやろ(笑)。
宙 よく言われます(笑)。お二人も初めての割にはうまかったですよ。
はる うれしー♡
メイ 今日はいい夢見れるわ(笑)。宙ちゃんは初めから楽々できた?
宙 全然。スムーズにできるようになったのはホント最近だと思います。
はる 恐怖心をなくすのが大事?
宙 それと音に慣れることですね。
メイ 確かに、声かけの大切さはすごく感じた。ブラインドサッカーの魅力って、アイマスクさえつければ誰でもできるし、選手の気持ちを体験できることだよね。すごく楽しいからみんなにも知ってほしいなー。
宙 気軽にできますしね! 実は私、中1までは普通のサッカーとブラインドサッカーを両立していたんです。でも中学に入ってナイターの練習が増えてくると、どうしてもピントが合わずボールがぼやけてしまって。でも私にはブラインドサッカーがあったから大好きなサッカーを続けることができた。おかげで代表にもなれたし、出会えてよかったです。
はる どのくらいの視力なの?
宙 左が0.05、右が0.02。メガネをしても見え方は変わりません。
メイ 目標はパラリンピック?
宙 男子に交じっても出たい(笑)。
メイ いつか女子ブラインドサッカーも正式種目になったらいいな!
はる 国際大会となると、メイちゃんみたいに英語力も大事になる?
メイ うん、すごい有利! 他の国の選手とも仲よくなれるし、視覚障がいやったら特に、アナウンスが理解できるだけでホッとすると思う。
宙 でも英語が一番苦手で……。
メイ 文法を気にせず、知ってる単語を並べれば通じるから大丈夫!
宙 が、頑張ります(汗)。
メイ いつか選手村で会おう♪
(後編につづく)
菊島宙さん
2002年生まれ。ブラインドサッカー女子日本代表。先天性視覚障がいで小学校よりブラインドサッカーを始める。2017年5月、初の女子国際大会に代表として出場し優勝。日本の全得点をあげ大会最多得点を記録。
一ノ瀬メイさん
1997年3月17日生まれ、京都府出身。先天性右前腕欠損症。1歳半から水泳を始め200m個人メドレー、100m平泳ぎなど5つの日本記録を保持。リオパラリンピックでは8種目に出場。現在、近畿大学の3回生。