放課後BEYOND

史上最速ブレード女王に聞く!Beyond the Country

皆さん!こんにちは!放課後BEYONDの岡部萌香です!

実に1年ぶりに、記事を書かせてもらえることとなり、現在パソコンの前でワクワクとドキドキが止まりません。

私の記事では、皆さんにより多くのパラアスリート、パラスポーツ選手を知ってもらい、そのファンになっていただきたいと考えています。そのためにも、彼らの魅力を余すことなく皆さんにお伝えしていくつもりですので、どうぞ最後までお付き合いいただけると嬉しいです!!

さて、今回の記事では「SPORTRAIT TOP ATHLETE LIVE」というイベントの参加レポートと、「史上最速ブレード女王」の名を持つマールー・ファン・ライン選手(オランダ/陸上)についてご紹介したいと思います。

■ SPORTRAIT TOP ATHLETE LIVEに参加してきました!

10月28日、この日は2020年東京オリンピック・パラリンピックまであと1,000日という記念すべき日でした。

各地では様々な催しが開かれ、その1つに、私が参加した「SPORTRAIT TOP ATHLETE LIVE」という凸版印刷さんの主催するイベントがありました。

このイベントは、WOWOWさんの協力で世界のトップアスリートを招いて行われ、誰でも無料で参加し、世界のトップアスリートと交流することができました。

今回のイベントで招かれたトップアスリートというのが、マールー・ファン・ライン選手でした。
雨が少しぱらつくお天気でしたが、多くの参加者が会場に集まりました。

司会者の進行のもと、いよいよ、マールー選手が会場に入ってきた瞬間の盛り上がりようが、
個人的に1番忘れられません。

イベントで配布されたチラシにマールー選手の写真が載っており、「綺麗な人だなぁ」と思いましたが、実際に歩いてきた彼女を見た瞬間、「え、どこかのモデルさんかな、え、めちゃくちゃ可愛い!」と感動しました。

周りからも、「可愛い!」という声が聞こえ、どこかのアイドルか何かの出待ちをしていたのかと勘違いしてしまいそうでした。

マールー選手は、にこやかに参加者の前に進み、今日はみなさんにお会いすることができて嬉しいと挨拶し、早速イベントの内容に取り掛かりました。

イベントでは、参加者と一緒に「リアクション・ゲーム」で走る時の瞬発力を高める練習をしました。

マールー選手が「GO」「YES」「手を叩く」のいずれかの行動をした時に、参加者は手を叩いたり、動いてはいけなかったりと、視覚情報を瞬時に行動につなげる練習をしました。

これが意外と難しく、手を叩いていけない場面で叩いてしまったり、みんなよりワンテンポ遅れて手を叩いてしまったりと、なかなかうまくいきませんでした。

しかし、簡単なルールの「リアクション・ゲーム」のおかげで参加者同士もすっかり打ち解け、その後、マールー選手が先導し、私たちはその後ろを追いかける形でトラックを3周走りました。

私はトップアスリートと一緒に走れることに感動し、夢中で走ってしまいました。(ザ・文化系女子である私がこんなに走ったのは高校の頃のマラソン大会以来でした…)

マールー選手と共にトラックを3周した後、マールー選手単独の走りを見せてもらいました。

彼女は、ブレードの調子を確かめるように二、三度ジャンプをした後に颯爽と走り始めました。
私は彼女の走る姿を見て率直に「美しい」と感じました。

ブレードのバネが軋む音とともに目の前を走り抜ける彼女の視線は真っ直ぐで、姿勢や何もかもが美しかったのです。

あまりの美しさに走っている彼女の写真を撮り忘れたことが悔しいです…(言い訳てへぺろ)

その後、マールー選手への質問タイムや写真撮影などで時間はあっという間に過ぎてしまいました。

マールー選手、人気すぎて取り囲まれています(笑)

イベントは短い時間でしたが、非常に濃い内容でトップアスリートと気軽な距離でお話を聞いたり、一緒に走ったりと貴重な体験ばかりでした。

より多くの人が、このような機会に参加することで、当事者としての自覚を持ち、東京2020の成功への道は確実になっていくであろうと確信しました。

■ マールー選手へのインタビュー!

さて、ここからはマールー選手のお人柄にググッと迫っていこうと思います。
イベントの後、お時間をいただきインタビューをさせてもらったので、その内容をご紹介します。

もえこ「なぜスポーツをやろうと思ったのか、教えてください!」

マールー「もともと学校の授業の一環で水泳のクラスがあってまあスポーツはしていたんですけど、その時初めて真剣にスポーツをやっていこうという機会があったの。水泳をしているとき、自分に競争心があって負けたくないという想いと、その先を目指す気持ちが強いことに、気づいて、真剣にやっていこう、力を入れてやっていこうというのがきっかけです。」

もえこ「陸上で1番楽しいことは何ですか」

マールー「走ること。スピードかな。水泳も早いんだけど、陸上に比べるとスピードが全然違うから。もうその秒単位のスピードで動くこと、そのスピードの速さとかがとにかく好きなの。何がいいって速さを感じること。髪の毛に風が抜ける感覚を感じる瞬間。私はspeedfreak、スピード大好きだから(笑)」

もえこ「マールー選手のお国には他にも多くの選手がいらっしゃるのでしょうか。」

マールー「何人かいるわ。スプリントからジャンプから、いろんな分野の人がいるので実はスポーツ国でもあるの」

もえこ「その中でも、その中以外でも目標にしている人やライバルにしている人はいますか?」

マールー「いないの!セリーナ・ウィリアムズとかアリソン・フェリックスなんかは、ヒーローといえばそうとも言えるのですが、目標でも、ライバルでもないんです。尊敬するっていう選手はもちろんいます。で、その尊敬の部分ではたくさんいるんですけど、自分の部屋にポスター飾ったりとか、私こんな風になりたいとかは思っていないです。で、それともう一つライバルがいるかっていう話なんですけれども、ライバルはいないわ。逆に、走る時に一緒に走る選手みんなが自分にとっては常にライバルなの。
それと、ライバルとか誰か他人、つまり自分ではない人間を負けたくないとか、その人の下に自分を置くと、もうその時点で自分は、一歩遅れをとっているような気がするの。そうじゃなくて、走るときは、自分との戦いだから、一番の大事なライバルは自分だし、誰か人に対してこうではなくて、もうそういう気持ちでいる時点でonestep behind、遅れをとっているというか、その時点で違うんじゃない!?ていう感じなんですよね。戦うのは自分でライバルはっていうのは戦う人たち全員がその時ライバルだけど、何よりも自分のことしか自分はコントロールできないし、持ち上げるのも向上させるのも自分だけしかできないから、自分でそれ以外の人がどうだからとかそういうのはないです。」

もえこ「オシャレなマールーさんに何か持ち物でこだわりがありますか?」

マールー「いいえ。こんなこと言うとプロモーションしてるみたいに聞こえちゃうんだけど、ナイキがスポンサーで、最新の服を持ってきてくれるので、もともとかっこいい服を着れる、それがすごくいいわよね。意識していることやチャームポイントは何もなくて、スポーツをしているときは、そもそも化粧もしないのよ。そこにも意識を持っていかない。化粧をするのはテレビに映った時とか、もちろん綺麗に見えることはとても素敵なことなんだけど、スポーツには今それ必要ないから、練習している時とかは全然そこがポイントじゃないからと、特に何かしているわけではない。それでも可愛いとか綺麗だとか言われるととっても嬉しいです。」

もえこ「現時点での目標は何ですか?」

マールー「パラリンピックの前に世界選手権とか他の大会で、パラリンピックに向けての大会は続いていくので、とにかく自分のタイムをどんどん縮めて早くしていってというのは常に思っている。自分の記録を塗り替えたいと思う気持ちも、もちろんあるし、そして金メダルを守り通したい。守り通すためにはもっと早く走らなければならない、と思っています。」

もえこ「イベントなどによく出演していらっしゃいますがそこで大切にしていることは?」

マールー「あなたと一緒で、やっぱりパラリンピック、パラスポーツをみんなに知ってほしいという気持ちがあるわ。そして、子供達というのは特にこれからの未来なので、その子たちに、その子たちが障害を持っていようが持ってなかろうが、本当にスポーツの楽しさを知ってほしいし、それを通して障害がある子がスポーツができるような環境があることをしっかり、世の中に知らせたいし、みんながスポーツができる環境が整えばいいし、ってそういう風にこれからの未来に向けてパラスポーツを知ってほしい、あと子供達には多くの可能性やチャンスがあって、それは健常であろうが健常者でなかろうが広がってほしいというのは常に思っています。それを広げたいと思っている気持ちはあなたと同じだと思います。」

■ ライバルは自分

マールー選手のお話を聞いて、一番驚いたことは「目標にしている人がいない」というお答えです。
私はスポーツ選手というのは、子供のころなどから先を行く人たちを目標にすえ、それを乗り越え、さらに自分を磨くもの、というイメージが強く、その目標にしている人がいないというのは、私の中では衝撃でした。

しかし、「目標にしている人がいない」というのを言い換えてみると、「自分の中で、自分があるべき姿をイメージできている」ということだと考えました。

他者の姿を借りず、自分自身と向き合って将来や勝利のイメージができる、これって、とてもカッコいいことだと思いました。

美しいだけではなく、自分の中で大切なものを持っているマールー選手。

東京2020でも、その走りで多くの人を魅了することでしょう。


<放課後BEYONDとは>

2020年にハタチになる高校生や、新社会人となる大学生など、未来を担うTEAM BEYOND学生メンバーが放課後に集まり、パラスポーツについて学んだり、実際に体験したりしながら、同世代に向けて発信していくプロジェクトです。学生の声で、パラスポーツの魅力を発信していきます。

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