放課後BEYOND ニューススタンド

第3回「同い年パラスポーツ選手と話してみた!」

もえこプロフィール

1998年生まれ
■放課後BEYONDに参加した理由:
2020年に向けて、パラスポーツのことを知っておきたいと思ったから。参加後は自分の知っていることを多くの人にも知ってもらいたいと思うようになった。
■未来の東京が、こんな風に変わったらいいな:
誰もが過ごしやすく、世界と繋がる都市

みなさんこんにちは!放課後BEYONDの萌香です。高校三年生です!(私はこの場を借りて同じ世代の人たちの話を聞き、彼らの魅力、キャラクターに焦点を当ててみなさんに紹介をしていこうと考えています。タメだからこそ聞けるような、話してもらえるようなことを書いていきたいです。そしてみなさんに彼らのファンになってもらいたいです。)
今回、初めてのレポートの内容は「タメ口で笠松大聖と話してみた」です。

2014年、高1で踏切事故で左足膝下を切断。リハビリと同時に障害者スポーツを始める。障害者野球やシッティングバレーを始め、その後ヘルスエンジェルス(下肢切断者を中心とした陸上チーム)と出会い、陸上を本格的に始める。東京2020に出場するため日々練習を重ねている。奨学金制度を利用し、現在は日本体育大学荏原高等学校に高校2年生として通う。

はじめに彼の簡単な経歴です。

彼との出会いは1月9日に東京国際フォーラムで行われた「チャレスポ!TOKYO」でした。障害者スポーツという未知の世界に対してなんの予備知識もない私は、とりあえず障害者スポーツに触れてみようとそこへ向かいました。多くの人で賑わっていた会場で、たまたまヘルスエンジェルスさんたちのステージを見ることができました。そこで初めて義足とともに生活をしている人を目の当たりにしました。幅広い年代の人たちが壇上にいる中で笠松大聖が軽く自己紹介をし、私と同い年だということでとても興味を持ちました。 その後、義足体験コーナーで思い切って彼に一緒に写真を撮ってもらえないかと聞くと快くオーケーをもらい、なんと連絡先まで交換してもらいました。(優しい!イケメン!)

なんともラッキーなことでそこから連絡をとり、今回の取材が実現しました。

それでは早速彼の内面に迫っていきましょう。

写真を見てもわかるように笠松大聖はイケメンです。さらに性格もかなりのイケメンです。取材で発見したイケメンポイントはこちらです。

  • 写真撮影に快く応じてくれる(初対面だったのにありがとう)
  • エスカレーターに乗る際に上りは女子の後ろ、下りは女子の前に必ず立つ。これは女子が落ちてきても受け止められるようにいつもそうしているそうです(本人が自分で言っているところがまたなんとも面白いところ)
  • 彼女を喜ばせるためにかなり計画する(スカイツリーデートやイブサンローランをプレゼントしたり、、、これはかなりイケメン度高い)
  • 子供に優しい
  • 待ち合わせでは自分が先に待ち合わせ場所につき、相手を待っている時間がどれだけ長くても苦痛に感じない。(すごい、かっこいいこと言ってる…)
  • 毎月、決まった金額で暮らせるよう手帳に出費を書いている(経済的!)
  • 聴覚障害の人と話せるようになるために2日で手話を体得(すごい集中力!)
  • カメラの性能が悪くて俺のかっこよさが写真だとうまく表現されないと言いはじめる

いや、確かにイケメンだけど、普通じゃない?と感じる方もいらっしゃるでしょう。

どこにでもいるような、普通の明るい男子高校生ではないか?と。

私はこう表現したら怒られそうですが、「障害のある人たちは毎日がとても辛そう」というネガティブなイメージを持っていました。

もしも自分が彼のような状況になったとしたら、きっと毎朝、自分の足を見てため息をつき、周りと自分が違うことにショックを受け続けてしまうだろうなと思います。

だからこそ彼の明るさは不思議で、その理由はなんなのか聞き出そうとしました。

Q.事故前と事故後で自分の中で変わったことって何?
A.「特にない。事故の瞬間の記憶があまりなく、気づいたら足がないという状況は流石にすこしショックだったが、障害者スポーツの存在を知っていたので、すぐに頭を切り替えることができた。周りからは少し穏やかになったと言われたが、単純にみんなが優しくしてくれたから俺も優しくしたいだけだと思う。俺は周りの人がいい人ばっかでそこはラッキーだったと思う」
Q.2020年に望むことは何?どんな未来になってて欲しい?
A.「障害者に対するイメージを変えて欲しい。障害者がなんもできないというイメージがなくなってほしい。障害者は特別扱いしてほしいなんて思ってなくて、一般人と同じ扱いをしてほしい。例えば、友達が骨折した際に軽く荷物持つよーくらいの意識で接してほしい。障害者だから、ではなく困っているから手伝うの感覚になってほしい。自分と少し違ったり自分より弱い人に対していやな態度を取るようなのはやめてほしい。てゆーかむしろ俺らは遊園地とか半額になったりするし、お得だよ(笑)」
Q.同世代へのメッセージをどうぞ。
A.「好きなことに熱中するのが一番。あと自分的には義足との出会いが大きい。競技用の義足じゃなくても階段登ったり歩いたり体育の授業を受けるのはできる。普通だよね」
Q.ちなみに今年の目標は?
A.とりあえず、日本新記録を出す。
も:うおお、大きく出たね
た:いや、それくらいしないと日本代表になれないし
も:(こいつすごい…)
も:(唐突に)好きな食べ物は
た:米
も:ちなみに今日(取材中)2回ケーキ食べてるけど、食事に気を使ったりしてる?
た:好きなもの食べてるかな、、たまに甘いもの食べてる。今日は特別
も:現在監督の家に住んでいるみたいだけど、どんな感じ?
た:ご飯食べて、風呂入って、勉強して、寝てる。
も:…めっちゃ健康的じゃん!
た:いや、うるさくしたりしたら迷惑じゃん?だから、勉強してる。
も:モテそうですね
た:女の子好きです。でも今は彼女大好きだから、まじで俺の彼女可愛いから、あのね…
も:_φ( ̄ー ̄ )(ノロケられた)

今回、彼と話す際に、取材という形で質問をするよりも会話することに重点を置きました。一問一答形式の取材ではなく会話にすることでどんどん話を広げ、彼の人物像を掴もうとしました。 彼との会話を通じて私が感じた彼の魅力は「常に前向き」であることです。ネガティブな言葉や考え方を彼は一切使わず、笑顔で、とても楽しそうに自分のことを話してくれました。なぜそんなに「明るい」のか。趣味の一つが読書であるという彼によると金本知憲さんの「覚悟のすすめ」という本にとても影響を受けたということでした。私も実際読んでみましたが、気持ちいいまでに前向きで読んでいるうちに私自身も何でもやれる気がして来ました。また、彼は以前からスポーツが好きで、その好きなものを今も続けられているのが彼の「明るさ」の秘訣なのでは、と思いました。

彼の話を聞き、私自身パラスポーツなどを発信する身として、日本の障害者支援制度や彼らが実際にどんな風に考えているのか、知らないことが多くありすぎることを痛感する取材でもありました。
東京2020だけでなく、これからの日本の社会をよりよく繋げて行くためにも、知って、理解を深めて行くことが大切です。
みなさんには、笠松大聖というアスリートを知ってもらいたいです。あわよくばファンになってもらいたいです。興味を持つことで、日本のスポーツをどんどん盛り上げていってもらいたいです。
その興味を持つきっかけとして、このレポートが何かのお役に立てたら幸いです!

これからの笠松大聖の活躍にご期待ください!


<放課後BEYONDとは>

2020年にハタチになる高校生や、新社会人となる大学生など、未来を担うTEAM BEYOND学生メンバーが放課後に集まり、パラスポーツについて学んだり、実際に体験したりしながら、同世代に向けて発信していくプロジェクトです。学生の声で、パラスポーツの魅力を発信していきます。

20170830

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