ファミリーでパラスポーツを楽しもう!「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館~パラスポーツワンダーランド~」ステージコンテンツ レポート

2024.01.24
ファミリーでパラスポーツを楽しもう!「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館~パラスポーツワンダーランド~」ステージコンテンツ レポート

2023年11月5日(日)、東京体育館で開催された「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館~パラスポーツ ワンダーランド~」。「ファミリーで楽しめる」「体を動かす」「パラアスリートを身近に感じる」を軸に開催した今回のイベント。たくさんの子どもたちにご来場いただき、障害のあるなしにかかわらず一緒に大いに盛り上がりました。

イベントアンバサダーは鈴木福さんと和合由依さん
ドラマ・映画・舞台やミュージカルまで活躍の幅をひろげる俳優の鈴木福さんと、東京2020パラリンピックの開会式で“片翼の小さな飛行機”を演じた和合由依さんをアンバサダーにお迎えし、お二人は、イベント全体を通してパラスポーツの魅力を発信していただきました。

楽しみながらパラスポーツへの理解が深まるさまざまなコンテンツ
ステージでは、イベントアンバサダーの鈴木福さんや和合由依さんはじめ、たくさんのスペシャルゲストをお呼びしてトークショーやダンスなど、来場者の方も一緒に楽しめるコンテンツを実施しました。
「パラスポーツ遊園地」では、テコンドー、車いすテニス、車いすバスケットボール、陸上競技、ゴールボール、ボッチャなどさまざまなパラスポーツの体験や、パラスポーツをもとにしたエクササイズ「パラトレ」を体験できるコーナーを用意。TEAM BEYONDメンバーのJR東日本の皆さん、上智大学Go Beyondの皆さんにもご協力いただきました。
だれでも参加可能なボッチャ大会「BOCCIA BEYOND CUP」には、ゲストチームを含む全50チームが参加。「ボッチャ東京カップ」の出場権をかけて、手に汗握る白熱した試合が繰り広げられました。
今回のレポートではステージの様子をご紹介します。

【SDGsこどもユニット ミドリーズ “ツバメ” パフォーマンス】
ステージはみんな大好き“ツバメ”のパフォーマンスからスタート!ミドリーズのレクチャーのもと、イベントアンバサダーの鈴木さん、和合さん、てれび戦士たちと一緒に、“ツバメ”の曲に合わせて来場者も一緒にダンスを楽しみました。

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【ミドリーズ“ツバメ”パフォーマンス】のライブ配信アーカイブはこちら
(配信期間:2025年3月31日まで)

【パラスポーツ遊園地 on Stage】
パラスポーツってすごい!おうちでも楽しめる「パラトレ」にチャレンジ

「パラスポーツ遊園地 on Stage」では、ゲストの皆さんがパラスポーツの動きを基にしたトレーニング「パラトレ」にチャレンジ。鈴木福さんチーム(ティモンディ前田裕太さん、はるな愛さん、てれび戦士の稲毛眞生(いなげまうな)さん、松尾そのまさん)と和合由依さんチーム(ティモンディ高岸宏行さん、小林よしひささん、てれび戦士の池村咲良さん、シェパード龍アーサーさん)に分かれて、3つのパラトレで対決しました。

まずはパラ陸上を基にした「目隠し片足バランスチャレンジ」。義足で競技をするパラ陸上選手のバランス力や体幹の強さを実感することができます。挑戦者は鈴木さんチームのティモンディ前田さん・てれび戦士松尾さん、和合さんチームの小林よしひささん・ティモンディ高岸さん。皆さんぐらつきながら必死に耐えました!一番長く立っていたのはてれび戦士松尾さん。最初は鈴木さんチームの勝利!

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続いてはゴールボールを基にした「10秒ピッタリチャレンジ」。ゴールボールは視覚に障害のある人のために考えられた球技で、1チーム3人の選手が、目隠しをして全く見えない状態で鈴の入ったボールを投げ、音を頼りに味方ゴールを守りながら、相手ゴールにボールを入れて得点を競う競技。「ボールに触れてから10秒以内に相手コートへ返さないといけない」というルールがあり、選手は10秒をカウントする時間感覚が研ぎ澄まされています。挑戦者は鈴木さん・はるな愛さん、和合さん・てれび戦士池村さん。皆さん踊ったり体を動かしたり、それぞれの方法で10秒をカウント。10秒に一番近かったのは鈴木さんの9秒72!この対決も鈴木さんチームが勝ちました。

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最後は、車いすバスケットボールを基にした「上体キープチャレンジ」。車いすバスケットボールは、下肢などに障害のある選手が競技用車いすを巧みに操作しながらプレーします。走るのも、止まるのも、ボールを投げるのも、すべて腕で行うので腕の力が重要です。挑戦者は鈴木さんチームのティモンディ前田さん・てれび戦士稲毛さん、和合さんチームの小林さん・てれび戦士シェパードさん。椅子のひじ掛けに手をつき、腕の力だけで身体を浮かして何秒耐えられるかにチャレンジしました。

ファミリーでパラスポーツを楽しもう!「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館~パラスポーツワンダーランド~」ステージコンテンツ レポート

大興奮の接戦の末勝利したのはどちらのチームか?気になる結果はぜひアーカイブ配信でご確認ください。

【パラスポーツ遊園地 on Stage】のライブ配信アーカイブはこちら
(配信期間:2025年3月31日まで)

【もっと知りたい!パラアスリート~わたしがわたしを超えた日~】
元気と勇気をもらえるトークショー

トークショーには、パラ水泳の木村敬一選手、車いすラグビーの倉橋香衣選手、視覚障害者柔道の瀬戸勇次郎選手、パラ陸上の中西麻耶選手をゲストにお迎えしました。皆さん、東京2020パラリンピックにも出場した第一線で活躍するパラアスリートです。聞き手ははるな愛さんと鈴木福さん。日常のあるある話から、困難を乗り越える秘訣まで、元気と勇気をもらえるトークショーでした。

木村選手「今の環境ではもうがんばれないと思った時、練習する場所を海外に変えてみた」
木村選手は10歳のときに水泳を始め、視覚障害者クラスの選手としてパラリンピックには北京大会から4大会連続で出場。ロンドン大会、リオ大会ではそれぞれ銀メダルと銅メダルを獲得。東京大会では悲願の金メダルも獲得。今年10月開催のアジアパラ競技大会でも、100メートルバタフライで金メダルを手にしました。
「困難をどのように乗り越えてきた?」という質問に、2016年のリオ大会で結果を出せなかった時のことを教えてくれました。

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当時、金メダル獲得を目指してこれ以上できないくらい頑張って練習をしていたという木村選手。でもそれが結果に繋がらなかった。ということは、どんなに頑張っても自分は結果は出せないのか、と悩んだそうです。そこで木村選手は、思い切って練習の環境をアメリカに変えてみるという決断をします。アメリカでの生活は言葉の壁もあり大変なこともあったそうですが、環境や練習の内容が変わったことで自然と気持ちも切り替わり、練習が楽しくなって前に進むことができたとのこと。自分が頑張ってもどうにもならない時、周りの環境を変えてみることで困難を乗り越える。まさに発想の転換ですね!

瀬戸選手「柔道から逃げられなかった」
瀬戸選手は生まれつきの視覚障害。4歳で柔道に出会い、高校生のときに関係者の誘いで視覚障害者柔道に参加。東京パラリンピック視覚障害者柔道66kg級で銅メダルを獲得。今年10月開催のアジアパラ競技大会では73kg級で銅メダルに輝きました。
「柔道は自分の武器だと思いますか?」という質問に「自分の場合は柔道から逃げられなかった」という正直な心境を語ってくれました。

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中学入学時は他にできるスポーツがなくて柔道部に入部、練習がきついので高校入学を機に辞めようと思っていたのに、「1回だけ」と言われていった練習で先生・先輩・マネージャーから熱烈な勧誘を受け結局柔道部に入部。高校卒業で今度こそ辞めようと考えていたのに、お試しで参加した視覚障害者柔道で期待され今まで続けているとのこと。ここまで続けてこれたのは、やはり「柔道が好き」という気持ちが大きいそう。
東京大会後にルールが変更になり66kg級がなくなってしまったため、現在は73kg級で競技をされています。体重を増やすのは大変だそうですが、大好きなお米を食べて練習してを繰り返し、来年のパリ大会に向けて日々トレーニングを積まれています。

倉橋選手「ぶつかっても怒られないのが楽しい」
車いすラグビーは車いす同士のぶつかり合いが許されている激しいスポーツですが、実は男女混合。倉橋選手は女性として初めて車いすラグビー日本代表に選ばれ、東京パラリンピックでは銅メダル獲得に貢献しました。車いすラグビー日本代表は今年の夏に東京で開催されたアジア・オセアニア・チャンピオンシップで優勝し、2024年のパリパラリンピック出場権を獲得しています。そんな倉橋選手が車いすラグビーを始めた理由は、なんと「ぶつかっても怒られない」から!
普段車いすで生活していると、周りにとても気を遣ってしまうそう。もし転んでしまったら自分一人では起き上がれないし、周りにも迷惑をかけてしまう。けれど、車いすラグビーではみんながガツガツぶつかって、倒れてもみんな笑っている。それを見たときに「楽しそう!自分もやってみたい!」と感じたそう。試合の時はいつも自分らしく全力で楽しむことを心がけているそうです。

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中西選手「初めて肯定してくれた人の言葉が励みになった」
中西選手は日本を代表する義足のジャンパーで、パラリンピックには北京大会から4大会連続で出場されています。東京大会女子走り幅跳びでは6位入賞。世界選手権では、2019年に金メダル、今年7月には銅メダルを獲得されています。
「支えてくれた人はいますか?」という質問に、アメリカに行ったときのコーチであるアル・ジョイナーさんの名前を挙げました。

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2006年に仕事中の事故で足を失った中西さん。もともとスポーツをやっていたこともあり事故後すぐに陸上競技をスタートしましたが、いろいろなことに挑戦しようとするたび「やめとけ」「どうせ無理だ」と言われることが多かったそうです。それでも2008年に単身アメリカに行って、アル・ジョイナーさんに走り幅跳びを見せたときに「君はセンスがいい、世界記録がでる!」と、初めて自分を肯定してくれたことがとても励みになったとのこと。
ちなみに中西選手はアメリカでの生活費は賞金レースや講演料などでまかなっていたんだそう。帰国後、成田空港でお金が尽きてしまい、自宅のある大分までヒッチハイクで5日かけて帰ったとのこと。なんてパワフル!

他にもたくさんの興味深いトークがありました。ぜひライブ配信アーカイブをご覧ください。

【もっと知りたい!パラアスリート~わたしがわたしを超えた日~】のライブ配信アーカイブはこちら
(配信期間:2025年3月31日まで)

【みんなでパラダンス!】
子どもも大人も障害がある方もない方も、みんなで一緒におどろう!

パラ陸上、車いすテニス、ゴールボール、パラテコンドーなどさまざまなパラスポーツの動きを取り入れた“みんなでパラダンス”。誰でも一緒に踊れるユニバーサルなダンスです。振り付けはダンスカンパニー「コンドルズ」主宰の近藤良平さん。当日はゲストの皆さんとご来場いただいた方で一緒に踊りました。

ファミリーでパラスポーツを楽しもう!「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館~パラスポーツワンダーランド~」ステージコンテンツ レポート

小林よしひささんにダンスをリードしてもらい、イベントアンバサダーの鈴木福さんと和合由依さん、はるな愛さん、ティモンディ、てれび戦士などゲストの皆さんも参加。会場に集まった子どもたちの中には、事前に公開した動画で振りを練習してきてくれた方もたくさんいて、観覧席で一生懸命踊ってくれました。

当日皆さんで踊ったパラダンスは「みんなでパラダンス BEYOND STADIUM 2023 ver.」として公開しています。子どもたちの楽しそうな笑顔が印象的です。

『【ビヨンドスタジアムで踊った】みんなでパラダンス BEYOND STADIUM 2023 ミュージックビデオ編』

その他コンテンツのレポートは以下をご覧ください。

■「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館」体験コンテンツのレポートはこちら
https://www.para-sports.tokyo/join/report/beyond_stadium_2023_report02
■「BOCCIA BEYOND CUP」のレポートはこちら
https://www.para-sports.tokyo/join/report/boccia_beyond_cup_2023_report

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※当日のイベントの様子は、以下のURLから動画でもご覧になれます。
ライブ配信アーカイブ『BEYOND STADIUM 2023 with ボンボンTV、HIMAWARIちゃんねる』
(配信期間:2025年3月31日まで)
https://www.youtube.com/watch?v=RCVY3KWP4Kw

20240124

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