2023年11月5日（日）、東京体育館で「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館～パラスポーツ ワンダーランド～」が開催されました。ステージコンテンツや体験コーナーと並行して、誰でも参加できるボッチャ大会「BOCCIA BEYOND CUP」が行われ、「ボッチャ東京カップ2024」本大会出場権をかけて熱戦が繰り広げられました。

過去最多50チームが参加！
今年の「BOCCIA BEYOND CUP」は昨年を上回る118チームから応募があり、その中から抽選で選ばれた44チームと、著名人やパラアスリートなどから成るゲストチームを加えた全50チームが参加しました。
ボッチャは重度障害者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目。年齢、性別、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒に競い合えるスポーツです。
今回、障害のある方がメンバーに含まれるチームは全体の半数以上、メンバー全員小学生のチーム、大学・職場の仲間で結成されたチーム、普段から地域で一緒にボッチャを練習しているチームなど、多種多様なチームが集まりました。

開会式では開催にあたり東京都生活文化スポーツ局の横山秀樹さんから挨拶がありました。「ボッチャは障害のあるなしにかかわらず誰もが楽しめるスポーツ。ぜひ周りにその楽しさを広げていっていただきたい。」と話してくれました。イベントアンバサダーの鈴木福さん、和合由依さんからも「みなさん、がんばってください！」と参加者にエールが送られました。
まずは準備運動として参加者全員でラジオ体操を実施。小林よしひささん、ミライトワ・ソメイティと一緒に体を動かしました。

著名人やパラアスリートも真剣勝負
大会には「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館」のゲストも参加。ティモンディ高岸さん、中西麻耶選手（パラ陸上）、てれび戦士稲毛さん、池村さんが「チームオレンジ」として、ティモンディ前田さん、根木慎志さん（パラ応援大使）、てれび戦士松尾さん、シェパードさんが「チームブルー」として、はるな愛さん、小林よしひささん、倉橋香衣選手（車いすラグビー）、瀬戸勇次郎選手（視覚障害者柔道）が「チーム愛」として、HIMAWARIちゃんねる、猪狩ともかさん（パラ応援大使）が「チームなかよし」として、トーナメントを戦いました。

ゲストチームが参加する第1試合は観客の注目度も高まりました。残念ながら全チーム初戦敗退ではありましたが、ムードメイカーとして初戦を賑やかに盛り上げつつ、一投一投真剣な眼差しで投球しているゲストのみなさんの姿は、多くの観客にパラスポーツの魅力を伝えてくれました。

大会はトーナメント方式でしたが、多くの方に少しでも複数のゲームを楽しんでもらえるよう、敗退チーム同士のフレンドリーマッチ（交流戦）の場も設けました。合計20試合実施し、勝ち進むことはできなかったチームも、純粋にボッチャを楽しむたくさんの笑顔が見られました。

ハイレベルな戦いが繰り広げられたトーナメント
トーナメントが進むにしたがって、勝負も熾烈になっていきました。準々決勝・準決勝ともなると、どのチームも持ち時間を十分に使って、一投一投をチームで議論し戦略的に投球する姿も見られ、楽しむ中にも勝負にこだわる姿勢があふれ出ていました。
そんな緊迫感あるムードが立ち込める中、準決勝に勝ち上がってきたのは、小学生中心に構成されたチーム「まねきねこ」。大人のチームを続々と撃破、勝ち上がるにつれ次第に周囲からの応援・声援も多くなっていきました。惜しくも準決勝で敗退、3位となりましたが、試合中の歓声は今大会一番だったかもしれません。
もうひとつの3位のチームは「STAR-Z」。友人同士で結成されたチームで、メンバーに障害のある方が含まれます。こちらも白熱した試合を見せてくれました。

いよいよ決勝戦、果たして優勝チームは？
決勝戦は「１st MIND」対「KB.Wave」の強豪同士の対戦となりました。
「１st MIND」は会社の仲間で結成されたチーム。決勝まで相手に得点を与えない完封勝利という圧倒的な力で勝ち上がってきました。対する「KB.Wave」は昨年度のBOCCIA BEYOND CUPの優勝チームで2連覇を目指します。
日本ボッチャ協会の新井大基さんとアイドルグループ仮面女子のメンバーで、パラ応援大使の猪狩ともかさんの実況・解説が入り、4エンドでのガチンコ対決となりました。

試合の流れを最初に引き寄せたのは「１st MIND」。決勝戦も1エンド目は3-0、2エンド目も3-0、瞬く間に2エンド先取しました。

チーム戦の場合は一人2球ずつ、スローイングボックスも移動できないので、投球するときの感覚や角度が重要です。それぞれのチームの戦術によって、同じ人が連続で投球したり、一人ずつ交代で投球したり、対応はさまざま。時にはチームで相談しながら、次はどこに投げるのがいいのか、残りの球数など様々な要素から2手、3手先を読み投球する、まさに究極の頭脳戦です。

第３エンドで踏ん張った「KB.Wave」。スーパーショットを連発し、このエンドは0-3と取り返しました。

6-3で迎えた最終第４エンド。選手だけでなく、試合を見守る観客のみなさんも含め、コートの周辺は緊張感が高まります。緊迫した中でも、時折コミュニケーションを取って仲間をリラックスさせる、チーム戦ならではの場面もありました。
両チーム一歩も譲らない投球が続き、「KB.Wave」がこのまま勢いづくかと思われましたが、第4エンドは1-0で「１st MIND」の勝利。トータル7-3で優勝は「１st MIND」でした！
悔しそうな「KB.Wave」でありましたが、互いに健闘をたたえあい、最後は拍手で試合を締めくくりました。

「１st MIND」のみなさん、３月のボッチャ東京カップ2024での活躍をお祈りしています！

その他コンテンツのレポートは以下をご覧ください。

■「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館」ステージコンテンツのレポートはこちら
➡https://www.para-sports.tokyo/join/report/beyond_stadium_2023_report01
■「BEYOND STADIUM 2023 in 東京体育館」体験コンテンツのレポートはこちら
➡https://www.para-sports.tokyo/join/report/beyond_stadium_2023_report02

——————–

※当日のイベントの様子は、以下のURLから動画でもご覧になれます。
ライブ配信アーカイブ『BEYOND STADIUM 2023 with ボンボンTV、HIMAWARIちゃんねる』
（配信期間：2025年3月31日まで）
⇒ https://www.youtube.com/watch?v=RCVY3KWP4Kw