2019年11月5日（火）、東京都が主催するパラスポーツの一大イベント「BEYOND FES 日本橋」が、COREDO室町テラスおよび日本橋周辺エリアを舞台に開幕しました！

パラスポーツを応援する人を増やすためのプロジェクト「TEAM BEYOND」の活動の一環として行われたこのイベント。2017年にスタートし、これが3回目の開催となります。渋谷、丸の内に続いて、今回の会場は日本橋。「みんなが楽しめる！それがパラスポーツ！」をテーマに、11月5日（火）～11日(月)の1週間にわたってさまざまな角度からパラスポーツの魅力を広く発信しました。

東京2020パラリンピックへの期待も高まる中、大いに盛り上がったオープニングイベントの様子を中心にお届けします！

たくさんの来場者であふれた大盛況のオープニングセレモニー

秋晴れの空の下、11月５日（火）には開幕を伝えるオープニングセレモニーが行われました。

はじめに挨拶を行ったのは、東京都オリンピック・パラリンピック準備局次長の延與桂（えんよ かつら）さんです。

延與：いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックまで300日を切りました。観戦チケットの第一次抽選販売では過去最高の約39万人の方から申込みがあったそうで、関心の高まりを実感しています。大会本番では満員の会場で、世界から集まるアスリートを、是非みんなで一緒に応援したいと思います。

東京都ではTEAM BEYONDプロジェクトを 3年前に立ち上げ、現在130万人を超えるメンバーに参加していただいています。本日は多くの企業やお店、人々が集まってにぎわいを見せているここ日本橋において、TEAM BEYONDの取組の一つであるこのイベントをみなさまと一緒にスタートできることを大変嬉しく思います。ステージイベントや競技体験会、企業のPRブースのほか、スタンプラリーなども用意していますので、どうぞこのBEYOND FES 日本橋でパラスポーツの魅力や迫力を体感してください。

続いて、ご後援をいただいた中央区副区長の齊藤進（さいとう すすむ）さんからもご挨拶をいただきました。

齊藤：開催地となったここ日本橋は、江戸五街道の起点。ここからパラスポーツの魅力をみなさまとともに全国に発信できることを大変光栄に思っています。

このイベントでは、中央区も「折り鶴ウェーブ－中央区おもてなしプロジェクト－」と題したブースを出展しています。来場者のみなさんに折っていただいた折鶴を全国・全世界から中央区にお越しになるみなさまにプレゼントすることで、平和や日本文化を世界に広めていきたいと考えています。

東京2020大会の成功は、オリンピックだけでなくパラリンピックがいかに成功裏に終わるかがポイント。このBEYOND FES 日本橋がパラリンピック成功の架け橋だと思っていますので、是非一緒に盛り上げていきましょう。

TEAM BEYONDメンバーとしてパラスポーツを盛り上げてくれているAKB48チーム８からは、坂口渚沙（さかぐち なぎさ）さん（北海道代表）、吉川七瀬（よしかわ ななせ）さん（千葉県代表）、太田奈緒（おおた なお）さん（京都府代表）の3人が駆けつけてくれました。

TEAM BEYONDのキュートな衣装で登場した3人。イベント期間中に実施されるパラスポーツ体験の中で気になる競技を聞かれた太田さんは「以前車いすラグビーを経験させていただいたときにすごく楽しかったので、ここでまた体験できるのがすごく楽しみです！ 」と笑顔を輝かせました。

現役選手とコーチが語る、車いすラグビーの魅力

車いすラグビー元日本代表キャプテンで日本代表アシスタントコーチの福井正浩（ふくい まさひろ）さんと、車いすラグビー日本強化指定選手に選ばれている壁谷知茂（かべたに ともしげ）選手は「車いすラグビーについて」をテーマにトークショーを展開しました。

Ｑ：車いすラグビーの魅力・見どころは？

福井：パラリンピック種目の中で唯一ぶつかり合いがルールとして認められている競技なので、そこが最大の魅力です。オフェンス用とディフェンス用の車いすはそれぞれ形状が違っていて、少し長い方は比較的障がいの重いプレーヤー、コンパクトな方はボールを持ってトライをする比較的障がいの軽いプレーヤーが乗ります。4人制の競技ですが、チームワークによる攻防も見どころの一つです。

Ｑ：日本チームの成績は？

福井：現在は世界ランキングで2位。2018年の世界選手権では12カ国が参加した中で初めて優勝を勝ち取ることができたので、東京2020パラリンピックでは是非金メダルを取りたいと選手・スタッフ一同頑張っています。ただ、先日東京体育館で上位8カ国が集まって行われた国際大会「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」では3位で終わってしまったので、この悔しさも本番に向けての良い経験にしたいと思っているところです。

Ｑ：どのように応援してほしい？

壁谷：車いすラグビーは健常者のラグビーとは少し違っていて、頻繁にトライを取れる競技。どちらかというとディフェンスをいかに成功させるかが勝利のカギになるので、日本がディフェンスをしているときに声援を送ってもらえたらうれしいですね。

Ｑ：今後の抱負は？

壁谷：やはり東京2020パラリンピックで金メダルを取りたいです。現在チーム一丸となって、選手だけじゃなく支えてくれているスタッフやメカニックのみなさんも全力で情熱を注いでくれて、みんなで準備しているところです。是非この機会に車いすラグビーに注目していただければ。よろしくお願いします！

飛び交う声援！ AKB48チーム8スペシャルパフォーマンス

オープニングセレモニーの締めくくりは、AKB48チーム8の坂口さん、吉川さん、太田さんによるミニライブ！

ステージでは、夢に向かって頑張る人に向けた応援ソング『夢へのルート』、AKB48チーム８パラスポーツ応援テーマソング『生きることに熱狂を！』、そして、大好きなものへの熱い思いを歌った『大声ダイヤモンド』の計3曲を披露。会場に詰めかけた多くのファンのみなさんによる声援が飛び交う中、元気いっぱいの歌とダンスでイベントを盛り上げました。

会場中に響くクラッシュ音！ 迫力満点の車いすラグビー体験会

オープニングセレモニーに続いては、パラスポーツ競技体験会として車いすラグビーのタックル体験が行われました。AKB48チーム8の坂口さん、吉川さん、太田さんが実際の競技用車いすに乗り、壁谷選手からタックルを受けることに。

「タックルを受けるときは両手を膝の上に乗せて肘を伸ばし、上体を少し後ろに反らせておくと前に転ぶようなことはないですよ」。壁谷選手のアドバイスを受けて、いざ挑戦です！

速度を増して正面からタックルに向かう壁谷選手。車いす同士がぶつかった時には「ガツン！ 」という大きな衝突音が会場に響きわたりました。

車いすが後ろへと跳ね返されるほどの衝撃の威力に、見守っていたファンからも歓声が上がりました。

タックルを受けた感想を聞かれ、坂口さんが「衝撃はあるけど車いすが守ってくれるので、安心感もありました」と答えると、吉川さんも「すごく迫力があるので是非みなさんにも体験してほしいです！ 」とアピール。太田さんも「ぶつかったときはドキッとしますが、車いすのクッションがしっかりしていて体もまったく痛くありません。迫力あって楽しいですよ！」と安全性を伝えました。

体験の最後には、アスリートによる本気の全力タックルとして福井コーチと壁谷選手が本番さながらのデモンストレーションを行いました。

トップスピードで真正面からぶつかりあうお二人。先ほど以上に大きなクラッシュ音、ぶつかった瞬間車いすの車輪が宙に浮くほどの激しい衝撃に、会場全体から大きなどよめきが沸き起こりました。

目にも耳にも大迫力の車いすラグビー。多くの来場者がそのパワフルなプレーに魅了されていました。

歴史と文化を感じる街、日本橋がパラスポーツ一色に

迫力、興奮、そして感動……。BEYOND FES 日本橋では、パラスポーツの魅力をあますところなく紹介することで競技会場に足を運んで観戦・応援していただくファンを増やすため、見て、体験して、食べて、学べるさまざまなプログラムを実施しました。

毎日異なるテーマ・ゲストによる特別ステージをはじめ、誰でも気軽に参加できる競技体験会、TEAM BEYOND企業・団体によるPRブース、「食べあるキング」と「格之進」がコラボしたオリジナルメニューの販売など。盛りだくさんの企画がつまったパラスポーツの祭典、それがBEYOND FES 日本橋です。

ほかにも、パラスポーツ競技を学べるパネル展示と連動したスタンプラリーを展開。日本橋エリアを巡って、集めたスタンプの数に合わせてTEAM BEYONDオリジナルグッズをプレゼントしました。

小さなお子さまから大人まで、パラスポーツをキーワードにみんながつながる、みんなが楽しめるイベントとなりました。

盛大に、そして華やかにスタートしたBEYOND FES 日本橋。パラスポーツファン、またこれまでパラスポーツに触れる機会のなかった人を含め、より多くの方にその魅力が伝わったのではないでしょうか。