2019年11月5日(火)から7日間にわたって、COREDO室町テラスおよび日本橋周辺でパラスポーツを盛り上げる「BEYOND FES 日本橋」が開催されました!
イベント期間中は、毎日さまざまなゲストが登壇し、多彩なテーマでトークショーやイベントを展開。誰もが一緒に熱くなれるパラスポーツの魅力について発信しました。この記事では、小池百合子(こいけ ゆりこ)東京都知事も登場した特別ステージを中心に「親子で楽しむパラスポーツ」をフィーチャーします!
パラスポーツを通じて「ダイバーシティ都市 東京」をめざす
パラスポーツの面白さや難しさ、観戦の楽しみ方に迫る特別ステージには、小池百合子知事をはじめタレントの眞鍋(まなべ)かをりさん、ブラインドサッカーの菊島宙(きくしま そら)選手、菊島充(きくしま みつる)監督が登壇しました。
小池:ラグビーワールドカップに熱中された方もたくさんいたと思いますが、次はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックです。
ロンドン2012オリンピック・パラリンピックは、パラリンピックの成功こそが大会そのものを成功に導いたといわれています。何をもって成功なのか? それは観客で会場がいっぱいになること。是非みなさんも会場に足を運んで観戦の醍醐味を味わってください。
パラリンピックは1964年の東京大会で初めてオリンピックと一緒に実施されました。つまり、オリンピックとパラリンピックが同時に開かれたのは東京が世界で最初の都市だったんです。そして、現在東京で都はダイバーシティ都市をめざしています。パラスポーツとは、誰にでも活躍のチャンスがあることを示してくれるもの。パラスポーツでみんなが輝く、それを応援で証明したいと思っています。
パラスポーツ応援大使を務める眞鍋かをりさんは、一児のママでもあります。
そんな眞鍋さんは、パラスポーツへの思いを聞かれ「まわりのママ友でも子どもにパラリンピックの試合を見せたいという人が本当に多いんです。記念すべき大会を記憶に残してあげたいというのもありますが、パラリンピックが持つ共生の概念や人間の能力に対する感動、そういったものを味わわせてあげたいという気持ちがあります」と、情操教育の一環としてパラスポーツの可能性を語りました。
そして「子ども連れでのスポーツ観戦はハードルが高いという声も多いですが、バリアフリーという意味でも子どもと一緒にストレスなく出掛けられたらうれしいですね」と、あらゆる人に優しい環境の整備に期待を寄せました。
「音」に注目! ブラインドサッカー体験会
続いて、ブラインドサッカーのPK体験がスタート! はじめにブラインドサッカー埼玉T.Wings所属の菊島宙選手が、豪快なPKシュートを披露しました。
通常、ブラインドサッカー選手はボールを置いたらその場でシュートするそうですが、菊島選手はボールから5、6歩下がり走り込んでボールを蹴るのだとか。これは、一般のサッカー選手と同じ蹴り方で、ブラインドサッカー選手でこれができるのは世界で菊島選手だけだそうです。
ブラインドサッカーのコツとして、菊島選手のお父様でもある菊島充監督(埼玉T.Wings)は「しっかり耳をすまして、集中してボールの音や掛け声を聞いてください」とアドバイス。その言葉を受けて、まずは眞鍋さんがPKにチャレンジです!
ブラインドサッカーは初めてという眞鍋さん。アイマスクをしてゴール裏のスタッフ(コーラー)の声を頼りに勢いよく足を蹴り上げましたが、大きく空ぶってしまいボールに足が当たらず。気を取り直した二度目の挑戦で見事ゴールを決めました!
続いて小池知事の挑戦です
眞鍋さんと同じく今回が初体験となった小池知事も、一度目は惜しくもゴールならずとなりましたが、あらためてアドバイスを受けて二度目にチャレンジ。見事ゴールネットを揺らし、会場からも大きな拍手が送られました。
初めての体験を終えて「とにかく入って良かった」と、ほっとした様子で胸をなでおろしていました。
バリアフリーに誰でも楽しめる。それがパラスポーツ
最後に小池知事は「パラリンピックが成功したから東京2020大会が成功したというレガシーをみなさまと残していきたいと思いますし、そのレガシーをバリアフリーやユニバーサルデザインを反映した街づくりにつなげていきたいと考えております。これからもどうぞ応援のほどよろしくお願いいたします! 」と呼びかけて特別ステージを締めくくりました。
ママモデルとママアスリートが語る、パラスポーツ×親子観戦
「パラスポーツが私たちに教えてくれることって何ですか?」と題したトークショーを行ったのは、女性誌VERYでモデルを務める神山(かみやま)まりあさんとパラトライアスロンの谷真海(たに まみ)選手です。
ともに3歳と4歳の男の子のママでもあるお二人。小さなお子さんを連れたママ・パパが客席を埋める中、パラスポーツに触れることで子どもや親がどう変わるのか、また親として「パラスポーツ」を通して伝えられることは何かについて語り合いました。
Q:パラスポーツを通じて子どもに伝えたいことは?
谷:競技に出会うまでは、落ち込んだり将来を悲観したりしたこともありましたが、始めてからは気持ちがすごく前向きになりました。パラスポーツって人をポジティブにしてくれるものなんです。
神山:そういう気持ちを子どもたちにも感じさせてあげたいですね。スポーツを通じて前向きな気持ちになったり、頑張りが結果になって返ってきたり。あとチームで動くことの大切さなんかも是非学んでほしいです。
Q:東京2020パラリンピック、子どもと一緒にパラスポーツを観戦するコツは?
谷:難しいことは何もないですよ。気軽に公園に行く感覚で足を運んでもらえたら。子どもは感受性が高いので、障がいの有無はもちろん、さまざまな人種、国籍、言葉など、多様性というものを言葉で説明しなくてもその場にいるだけで理解できると思います。
神山:私、スポーツ観戦大好きなんですけどものすごくにわかファンなんです(笑)。それでもいいですか?
谷:もちろんです(笑)! 十分楽しめるので是非来てください!
Q:パラリンピックで何が変わる?
谷:ロンドン2012パラリンピック以降、障がい者の雇用率が上がるなど社会に良い影響を与えたそうなので、日本でも心のバリアフリーというか、学校や企業で多様な人が混ざり合い、お互いを尊重し合う社会に変わっていくのでは、と期待しています。
神山:せっかくパラリンピックが開催されるので、世界に誇れる障がい者に優しい街まちづくりに長けた日本であればいいなと思います。「すべての人に優しい都市」というイメージを構築できたらいいですね。
大人気のあのキャラクターが登場! ふれあいステージ
小さな子どもたちに人気を博したのは、日本テレビのお天気キャスター木原実(きはら みのる)さんと、天気予報のマスコットキャラクターそらジローによるふれあいステージです。
「木原さーん! そらジロー! 」
子どもたちの元気な呼びかけで木原さんとそらジローが現れると、会場を埋め尽くすたくさんの親子から大きな歓声が上がりました。
ここでは、親子で楽しみながらパラスポーツを学べるよう、そらジローの動きを見て何のスポーツかを当てるジェスチャーゲームや、そらジローに関するさまざまな問題が出される○×クイズ大会などを実施しました。
「分かった人―? 」「はーい! 」
次々と上がる子どもたちの手。正解した子には木原さんからなんとプレゼントのサプライズも! みんな大喜びでクイズを楽しんでいました。
豪華な顔ぶれのスペシャルステージ 企業・団体によるステージも
ほかにもステージでは、著名人やパラアスリートを招いてのトークショーに加えて、TEAM BEYONDに参画する企業や団体による催し、ミニライブなども行われました。
パラスポーツをテーマにした作品の制作や、誰もが参加できるウェブ投票を通じて、一人でも多くの方にパラスポーツに触れてもらうためのプロジェクト「BEYOND AWARD 2017」。その音楽部門において、『うわむきごころ』で最優秀賞を獲得した、シンガーソングライターの如月愛里(きさらぎ あいり)さんによるミニライブでは、その美しい歌声と朗らかな笑顔で観客を魅了しました。
BEYOND AWARD 2017最優秀賞
如月愛里さんによるミニライブ
また、元オリンピック選手で母親の顔も持つ千葉真子(ちば まさこ)さんと、JBpress編集長の鶴岡弘之(つるおか ひろゆき)さん、パラ・パワーリフティング男子80kg級の宇城元(うじろ はじめ)選手によるトークショーでは「パラスポーツ×共生社会」をテーマに、パラスポーツを通じた新しい社会の在り方について考察しました。
千葉真子さん、鶴岡弘之さん、宇城元選手
によるトークショー
さらに特別ステージとしては、今年22年ぶりに再びサーキットを駆け抜けた、元ロードレース世界選手権ライダーの青木琢磨(あおき たくま)選手が登壇し、モータースポーツの魅力や自身の経験から考えるバリアフリーについて語り尽くしました。また、日本最高峰の全日本ロードレース選手権にOLとして働きながら参戦を続ける、難聴の女性ライダーである高杉奈緒子(たかすぎ なおこ)選手を迎えて、その魅力に迫りました。
青木琢磨選手による
パラスポーツ特別ステージPart 1
高杉奈緒子選手による
パラスポーツ特別ステージPart 2
このほか、7つの企業・団体によるステージでは、アスリートによるトークショー、ライブステージ、ファッションショーなどを通じて、パラスポーツにかける思いやその先の共生社会へのメッセージを発信しました。
鉄道弘済会・読売新聞社による
義足アスリートファッションショー
リーフラスによるパラリンピアン
安達阿記子(あだち あきこ)選手のトークショー
誰もが一緒に楽しめるパラスポーツ。ゲストのみなさんがそれぞれの立場で語った「多様性」「思いやり」「共生」といったメッセージが、よりよい社会をつくるきっかけになるかもしれません。是非ご家族で競技会場に足を運んでみてください!
主催者ステージのご紹介
今回ご協力いただいた企業・団体ステージのご紹介