レポート
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2022.12.12
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EXILE TETSUYAや高橋みなみ、パラアスリートも参戦！ 「BOCCIA BEYOND CUP 2022」
2022.11.25
2022年11月5日（土）、東京都渋谷区千駄ケ谷にある東京体育館にて「BEYOND STADIUM 2022」が開催されました。この日はパラスポーツコンテンツと同時進行で「BOCCIA BEYOND CUP」が行われ、「ボッチャ東京カップ2023」本大会出場権をかけて全45チームが熱戦を繰り広げました。
本記事では、著名人やパラアスリートなど多数のゲストチームが参加したBOCCIA BEYOND CUPの模様をご紹介します。
ボッチャ東京カップ2023本大会出場権獲得を目指して、全45チームが集結！
午前10時から始まった開会式には、「BEYOND STADIUM 2022」総合司会のEXILE TETSUYAさんや高橋みなみさん、ジャングルポケットの太田博久さんが登場しました。
BOCCIA BEYOND CUP開催にあたり、東京都生活文化スポーツ局長の横山英樹さんから挨拶がありました。今年は96チームから応募があり、40チームが抽選で選ばれたとのこと。「ボッチャの人気が広がっていることを実感しています。今日はパラアスリートをはじめ、多彩なゲストも選手として参加されます。ぜひ頑張ってください」と話してくれました。
続いて、EXILE TETSUYAさんが参加者を代表して選手宣誓を行いました。
全45チームが参加した本大会は、トーナメント方式の勝ち抜き戦です。前半・後半の2エンド方式で、持ち時間は5分。優勝チームは、2023年3月に開催される一般社団法人日本ボッチャ協会主催大会「ボッチャ東京カップ2023」への出場権が与えられます。
この日、大会に参加した6つの著名人チームのメンバーはこちら。
ドリームチームAは、EXILE TETSUYAさん、高橋みなみさん、伊吹とよへさん（TikToker）、佐伯タカシさん（TikToker）。
HEROsチームは、車いすバスケットボール元日本代表チームキャプテンの根木慎志さん、元ハンドボール選手の東俊介さん、元サッカー選手の菅和範さん、元フェンシング選手の高橋優作さん、パーソルキャリアdoda編集長の大浦征也さん。
ドリームチームBは、生駒里奈さん、みんなのたかみちさん、いわたまありさん（TikToker）、わいざむらいさん（TikToker）。
パラアスリートチームは、パラテコンドー選手の太田渉子さん、パラ卓球選手の立石アルファ裕一さん、車いすバスケットボール元日本代表チームキャプテンの豊島英さん。
仮面女子チームは、猪狩ともかさん、木下友里さん、涼邑芹さん。
メイド喫茶橙幻郷チームは、奥村はなさん、夢野めろさん、夢野まろんさん、楊むいさん。
著名人チームが一般応募チームと対戦。初戦を勝ち抜いたのは？
開会式が終わるとすぐに、トーナメント1回戦がスタート。2分間のウォーミングアップ（投球練習）のあと、試合が行われました。著名人チームも各コートに分かれ、一般参加チームと対戦。著名人チームの試合の模様を中心にお伝えします。
まずはドリームチームAと「チームK」の対戦。「チームK」は家族で結成されたチームで、息子さんがボッチャ競技者だそう。
投げる瞬間は、観客も固唾をのんで見守ります。いつも大きな舞台やライブに出演しているTETSUYAさんも、ボッチャの球を投げるときの緊張感はまた一味違うようです。高橋みなみさんは、なかなか狙った場所に落とせず苦笑い。結果は9対0で完敗でした。
試合後、EXILE TETSUYAさんは「お恥ずかしい結果で……惨敗でした」と残念そうな表情。高橋みなみさんは、「相手チームの集中力がすごいなと思いました。悔しいですね。このメンバーでまたやりたい」と話していました。
ドリームチームBは、「ミニオンズ」チームと対戦。ミニオンズは、ボッチャ大好きな親子3人のチームです。
「スポーツにはあまりいい思い出がない」と話す生駒さんでしたが、試合では良い投球を連発。見事、2対1で勝利しました！
試合後、生駒里奈さんは「スポーツは苦手でコンプレックスがありましたけど、これは楽しいですね」と笑顔。ボッチャ経験者、みんなのたかみちさんは「初戦はアドバイス役でしたが、3人のプレーが素晴らしかった！」と、生駒さん、いわたまありさん、わいざむらいさんのチームワークを褒めていました。
アスリートを中心に結成されたHEROsチームと「相模レッツ」の対戦。相模レッツは、会社の仲間が集まったボッチャチームとのこと。対するHEROsチームは、ハンドボールやサッカー、フェンシングなど世界で活躍するアスリートを集めてチャレンジ。しかし試合結果は、2対0で残念ながら、HEROsチームの初戦敗退となりました。
HEROsチームのメンバーは「ボッチャは初めてでしたが、なかなか思い通りにいかなかったですね。ボールを弾くことで近くなったり遠くなったり、ゲームとしての面白さを感じました。またやりたいです」と話していました。チームリーダーの根木慎志さんも「優勝を目指していたんですが、難しかったですね」と悔しそう。HEROsとして、今後もパラスポーツを盛り上げていきたいと話していました。
猪狩ともかさん率いる「仮面女子」チームと、「ヘタリーヌdeボッチャ」チームの対戦は、5対0で仮面女子チームの敗退。
猪狩ともかさんは、「昨年はいい結果だったんですけど、今回は完全に準備不足でした」と悔しそうな表情。他のメンバーも「作戦会議をしたけど、ボールが思った方向に行かなくて……でも楽しかったです」と話してくれました。
「メイド喫茶橙幻郷」チームは、家族で結成された「ハッピー」チームと対戦。見た目はメイド姿ながら、球を投げる表情は真剣そのもの。狙いどおりに球が飛び、メンバー全員で喜ぶ場面もありました。結果は4対1で「メイド喫茶橙幻郷」チームの勝利！
試合後に話を聞いたところ「今年の2月くらいから月１回は練習していたので、その成果が出ましたね。難しい場面もありましたが、みんなで作戦を考えて乗り切りました。次の試合も頑張ります」と喜んでいました。
「パラアスリート」チームは、パラテコンドーの太田渉子さん、パラ卓球の立石アルファ裕一さん、車いすバスケットボールの豊島英さん。対戦相手のチーム「スマイルかまたボッチャ部」は、地域スポーツクラブ「NPO法人スマイルかまた」で月に3～4回ボッチャを楽しんでいるそうです。
各競技のパラアスリートが集まったとはいえ、ボッチャに関しては初心者だったようで、なかなか思うようにいかず、6対0で初戦敗退となってしまいました。太田さんは「方向や距離感が難しかったですね。初戦敗退だけは避けたい、とみんなで話していたんですが……」と苦笑い。立石さんは、「自分の球を近づけるだけじゃなくて、相手の邪魔をしたり邪魔をされたり。奥が深いスポーツだなと改めて感じました。創意工夫や戦術が必要ですね」と語っていました。
初戦を勝ち抜いた著名人チームは次も勝てるか？
著名人チーム6チームのうち、「ドリームチームB」と「「メイド喫茶橙幻郷」チームが初戦突破。次にコマを進めました。
ドリームチームBの2戦目の対戦相手は「バンビーズ」。車いすの競技者が所属するボッチャクラブです。ドリームチームBは、ボッチャ歴5年を誇るみんなのたかみちさんのアドバイスもあり善戦したものの、結果は2対0で2回戦敗退となりました。
試合後、いわたまありさんは「最後まで何があるか分からないし、ルールは簡単でも奥深い。これを機に本格的に始めようかな（笑）」とボッチャの魅力にハマった様子。わいざむらいさんも、「悔しいですね。でもボッチャの面白さを心に刻みました」と話していました。
みんなのたかみちさんは「ミラクルショット連発で凄かった」と生駒里奈さんの投球を絶賛しつつ、「負けたことで、またやりたいと思ってもらえたんじゃないかな。敢えて負けたということにしておいてください」と笑顔。生駒さんは「球技は本当に苦手なんですけど、唯一ボッチャのボールとだけは友達になれそうな気がします！」と嬉しそうに話してくれました。
続いて、「メイド喫茶橙幻郷」チーム。2戦目は「ハッピースマイルズ」チームと対戦しました。東京パラリンピックで初めてボッチャを見て感動し、仲間を集めて作ったという高校1年生のチームです。
試合中、たびたび集まって作戦を立てながら進める「メイド喫茶橙幻郷」チーム。こちらも善戦したものの、2対0で敗退となってしまいました。
試合後、メンバーは「第2エンドに巻き返せるかな、と思っていたんですけど、戦略ミスも投球ミスもあって……。1球1球思い返せるぐらいです」と、まるでプロ選手のようなコメント。ボッチャにかける想いが伝わってきます。
「見た目がメイド姿なので、真剣にやっていないように見られるかもしれませんが、けっこうガチでした！だから結果だけは残したかったんですけどね。もっと練習を積んで また来年チャレンジしたい」とリベンジを誓っていました。
ハイレベルな戦いが繰り広げられた決勝戦、果たして優勝チームは？
いよいよ決勝戦、45チームの頂点が決まります。決勝まで勝ち上がったのは、月に3回は練習しているという「K.B.WAVE」チームと、東京都三鷹市を中心に活動している「BOCCIA BASE TOKYO」チームです。決勝戦は特別に、東京2020パラリンピックでボッチャ日本代表の監督を務めた村上光輝さんに解説いただきました。
赤のボールを投げる「BOCCIA BASE TOKYO」チームには、「ランプ（勾配具）」を使う選手がいました。一見、操作が難しそうに思えますが、村上さんいわく「ランプの選手は、白いジャックボールにビッタビタにくっつけてきます。精度が高いんですよ」とのこと。その解説どおり、絶妙な位置にボールを投球。会場からも大きな拍手が起こります。
対する「K.B.WAVE」チームは青のボール。作戦を立てながら進めていきます。村上さんは「予想以上にハイレベルな試合展開ですね」と興奮気味に解説していました。
ボッチャで優勢か劣勢かを見るポイントの一つは、投げられるボールの数です。投げられるボールの数があるほど、試合を有利にすすめるためのチャンスがあります。
赤ボールを投げる「BOCCIA BASE TOKYO」チームが残り2球となったところで、ランプの選手が登場。ボールをプッシュすることで有利に進めようと画策します。しかし、複数得点が取れそうな場面でややズレが生じ、1点どまり。第1エンドは「BOCCIA BASE TOKYO」が1得点で終わりました。
続く第2エンド。ジャックボールは先ほどとは違い、4ｍくらいの近い距離に投げられました。「第１エンドと同じくらいの場所や距離だと投げやすいんですよね。前の投球感覚が残っているので」と村上さん。ジャックボールの配置も試合を左右する大きなポイントです。
「BOCCIA BASE TOKYO」のアプローチは狙い通りにいかず、苦しい展開。逆に青ボールの「K.B.WAVE」チームが攻め続けます。
「BOCCIA BASE TOKYO」は前半に1点を取っているので、最悪でも1失点で同点に持ち込む戦略に持っていきたいところ。しかし終盤、「K.B.WAVE」チームが4球を残し、かなり優位な状況に。プレッシャーのかかる場面でも、きっちり決めてきます。
審判に得点を確認したところ、青が2点獲得。第2エンド、見事な逆転で「K.B.WAVE」チームが優勝となりました！
メンバー同士でメダルを掛け合う表彰式
最後にBOCCIA BEYOND CUP表彰式が行われました。
第3位は「ミラソメ」チーム。ボッチャの試合経験はなかったものの、本大会のために頑張って練習してきたとのこと。メンバー同士で微笑ましくメダルを掛け合っていました。チームの代表者は「まさか3位まで上がれるとは思っていなかった」と喜びの表情。
同じく第3位は、「酒井医療ボッチャ同好会」チーム。リハビリテーション機器や介護浴槽のメーカーの社員で結成されたチームです。代表者は「すごく楽しかったです。ボッチャ大好きです！」とボッチャ愛あふれるコメントを残していました。
準優勝は「BOCCIA BASE TOKYO」チーム。代表者は「とても楽しかったです。とにかくこのメンバーで大会に出られてよかった」とチームメンバーをたたえていました。
そして栄えある優勝は、「K.B.WAVE」チーム！ EXILE TETSUYAさんから金メダルが授与されました。「ボッチャ東京カップ2023」への出場権ボードを手に笑顔が溢れます。
代表者によると、「K.B.WAVE」は川崎市役所の職員を中心に結成されたチームとのこと。川崎市でボッチャを広める普及活動も行っているそうです。「試合2日前は6時間かけて練習しました。その成果が出たのと、緊張に打ち勝ってプレーできたのが勝因だと思います」と話していました。
今回優勝した「K.B.WAVE」チームが出場するボッチャ東京カップ2023は、2023年3月に開催予定です。今後のボッチャ大会にもぜひ注目してみてください。
