パラスポーツの魅力を伝えるために、今自分にできる一歩を考えてみよう!第一回「発見!パラスポーツ盛り上げ術」を開催

2018.07.18
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「義足のパラアスリートが走る姿がとてもかっこいい!」

「一緒にパラスポーツの試合観戦に行く仲間がほしいです!」

初めて会った人同士が、パラスポーツに対する熱い思いを語り合い、ときに共感し、ときには思いをぶつけ合う。そして最後には一緒にパラスポーツを応援する“仲間”になっている姿が、そこにはありました。

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5月24日(木)、慶應義塾大学の三田キャンパスにて第一回「発見!パラスポーツ盛り上げ術」を開催しました!集まったのはTEAM BEYONDメンバーと、パラスポーツに興味を持っている同大学牛島利明教授のゼミに所属する学生たちです。

パラスポーツの魅力を広めるためには、どんなことができるだろう?

今回は「パラスポーツが好き」という思いを持った人が集まり、「パラスポーツを盛り上げるために自分にできること」を話し合いました!

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まずはじめに、東京都オリンピック・パラリンピック準備局の安達紀子さんからTEAM BEYONDの説明と、これから目指す未来についてお話がありました。

安達さん:TEAM BEYONDは、東京2020大会はもちろん、それ以降もパラスポーツが社会に根付くようにという思いで活動をしています。今日はそのために一人一人ができることを考え、具体的なアクションにまで繋げていきたいですね。

ゲストトークを通して、パラスポーツの魅力とこれからを考える

早速トークセッションがスタート!ゲストは車いすテニスプレーヤーの古賀貴裕さん、スポーツライターの斎藤寿子さん、スポーツフォトグラファーの竹見脩吾さんです。

「パラスポーツを盛り上げるためにできること」をテーマに、ゲストの3人はどうやってパラスポーツにハマったのか、そしてパラスポーツの魅力と課題まで話が広げられました!

古賀さんは20代後半のときに、海で首の骨を折ってしまったことから、車椅子での生活が始まりました。「何かスポーツがしたい」と探しているときに偶然出会ったのが、車いすテニスでした。

古賀さん:車いすテニスにハマったのは、世界のトップ選手たちとも試合をするようになってからです。「自分の可能性をもっと広げたい」「日の丸を背負って戦いたい」と思い、打ち込むようになりました。

海外の試合では、地方大会で住民が一丸となって大会を盛り上げている様子をみて、「選手も観客も一緒に楽しめる」というパラスポーツの魅力に気づいたそうです。「パラスポーツを盛り上げてあげよう」という視点ではなく、みんな一緒に盛り上がってほしいと古賀さんは考えています。

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斎藤さんは、片足のスキーヤーである三澤拓選手をはじめてテレビで見たときに、身体のバランスや筋力の使い方に興味が湧き、パラスポーツそのものにハマったのだそうです。ドイツの車いすバスケットボールの全国リーグ「ブンデスリーガ」の紹介もいただきました。

斎藤さん:ドイツで車いすバスケのブンデスリーガは大人気で、2000人ほど入る会場はほぼ満員のこともしばしば。観客は名前入りのTシャツや、好きな選手のユニフォームを着て応援します。試合後は選手がスタンドから降りてくるので、ハグをしたり話をしたり、大盛り上がりなんですよ!

日本でもまずは東京2020大会に向けて、チケットを購入して観戦に行きたいと思う人を増やしていきたいと、期待を込めて話します。

竹見さんは、オリンピックとパラリンピックの撮影を通して、どちらにもそれぞれスポーツとしての面白さを感じたと話します。

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竹見さん:“こんな風にスポーツができるんだ!この種目はどうなっているんだろう?”と、どんどん興味を持ちました。

撮影していて思うのですが、観客がたくさんいるか、スタンドが空いてしまっているかの違いはとても目立つんです。リオパラリンピックでは写真によっては空席が目立ってしまっていました。でもロンドンパラリンピックでは満席の会場も実現しています。東京2020大会では選手に応援を届けるためにも、満員の会場で開催したいですよね!

日本ブラインドサッカー協会の理事を務めている慶應義塾大学牛島利明教授も、パラスポーツを盛り上げるためには、もっと多くの人に伝えていく必要があると考えています。

牛島教授:スポーツは競技人口に観戦客の数が伴う傾向にあるのですが、パラスポーツは競技人口が圧倒的に少ないですよね。これから新しくパラスポーツと出会う人にきっかけをつくっていくことが大切なのかもしれません。

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パラスポーツを盛り上げるためにできることを、熱く語り合おう

ゲストの熱いトークでパラスポーツへの思いが高まったあとは、参加者のみなさんが主役となるワークショップタイムです!

パラスポーツを盛り上げるためには、それを取り巻く環境を整えていくことも大切なことです。でも、きっと私たち一人一人の小さなアクションを積み上げることでも、大きなムーブメントに繋げていけるはずです!パラスポーツの魅力を身近な人ひとりに伝えるだけでも、数百人、数千人とその輪は広がっていくのです。

今回のワークショップのテーマは、「家族や友人にパラスポーツの魅力を伝え、関心を持ってもらうためにできることは?」。参加した一人一人が今できることを考えました。

早速、TEAM BEYONDメンバーと牛島教授のゼミ生合同でチームに分かれて、パラスポーツへの思いを熱く語ります!

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「車いすマラソンって時速50キロも出るんですよ!すごくないですか!?車椅子も格好いいし、走るより全然速いんですよ。」

「競技数の多さと意外性が魅力!こんな競技があるのか、こんな動きができるのかと毎回発見があります。」

「障がいがあってできない動作があったとしても、選手はその上で戦略を立てるんですよね。自分の得意を磨いたり、相手の選手の弱みも研究した上で戦い方を考えるのがすごい!」

みなさんは目をキラキラと輝かせ、パラスポーツの魅力を存分に語ります。

次は、そんな魅力を周囲に伝える時に感じる“難しさ”を話し合います。熱く語る参加者の輪にゲストも加わって、白熱した議論をしている様子もありました。

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「以前、義足や義手の技術が進んでいることを友人に話したら、『パラスポーツってそんな魅力があるんだね!』とびっくりされたことがあります。」
「最初は競技によって違う応援の仕方がわからなかったです。」

パラスポーツのルールや応援の仕方は、一人で理解するのは難しいといった意見も多く見られました。

「一回観戦したり、体験するとめちゃくちゃ楽しいのがわかるはずだと思うんですよね!でもその1回目のきっかけがなかなかないのかなって。」

そしていよいよ、パラスポーツの魅力を人に伝えるために私たち一人一人にできることを考える時間です!ディスカッションで熱が高まった会場では、おもしろいアイデアがどんどん生まれていきます。

「応援グッズを友達とおそろいで作って、おしゃれをして楽しく観戦とかだったら取り組みやすいかな。」

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「それをSNSにアップして、もっと輪を広げることもできそう!若い人に伝えるにはSNSの工夫も大切かもしれないですね。」

「子どもたちにパラスポーツを身近に感じてもらうために、選手に授業しに来てもらっても良いのかな。」

大学生として、親として、社会人として。参加者一人一人が違う視点を持って意見を話すことで、「その視点はなかった!」と新しいヒントをもらい合いながら、アイデアづくりは進んでいきます。

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自分にできることってなんだろう?すぐに実践できるアイデアを一歩に

最後にお待ちかねの、グループごとのアイデア発表の時間です!

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「まずは自分が興味を持つことで周囲にも魅力を伝えられるはず。東京2020パラリンピックのボランティアに応募したいと思っています!」

「私は写真が好きなので、ハッシュタグをつけて、インスタグラムにパラスポーツの素敵な写真を投稿してみます。」

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「子どもたちと一緒に勝利のブーケを作って、大会に行って選手たちに届けます」

SNSや写真など自分の好きなことを通して発信をしたい、周囲の人に直接語りかけてパラスポーツの魅力を伝えたいなど、自分を起点とした「私だからできる」様々なアイデアが飛び交っていました。数十個集まったアイデアのひとつひとつを実践すれば、きっとパラスポーツの魅力を社会に広めていくことに繋がるはずです!

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最後に、東京都オリンピック・パラリンピック準備局の安達紀子さんから挨拶と、今後のTEAM BEYONDの活動のお知らせも伝えられました。

「みなさんの熱い想いが、本当に心強いです。誰もが活躍できる社会をつくるきっかけのひとつとして、パラスポーツを広めることが第一歩になると思っています。ぜひみなさんと一緒にパラスポーツを盛り上げていきたいです!」

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プログラム終了後も会場は大盛り上がり!連絡先を交換して一緒に観戦に行こうと話す方、パラスポーツを広めるためにアクションを起こそうと意気投合する方などもいました。

パラスポーツを通じて強い絆を育んだ様子の参加者たち。これからは仲間として、ともにパラスポーツを盛り上げていきましょう。

TEAM BEYONDでは今後も、パラスポーツの観戦会や体験会など、様々なイベントを開催する予定です。「パラスポーツ盛り上げ術」のようにみなさんと一緒にパラスポーツの今後を考える機会も増やしていきますので、ぜひご参加ください!

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