TEAM BEYOND×WOWOW 「PARA-SPORTS ACADEMY」青山学院大学で実施

2017.10.30
TEAM BEYOND×WOWOW 「PARA-SPORTS ACADEMY」青山学院大学で実施

「パラリンピックを契機とした障がい者スポーツ支援」をテーマに、TEAM BEYONDとWOWOWが共同で大学生を対象に展開する特別授業、「PARA-SPORTS ACADEMY」。その第3回が10月3日(火)、青山学院大学総合文化政策学部の「エリア文化論」の講義内で行われました。

担当の井口典夫教授によれば、「エリア文化論」は幅広い視点から「街で今、何が起こっているか」に注目し、ハードとソフトの両面から街づくりを考えるという講義です。2年生から4年生まで約120名の受講生にとって、「パラリンピック」や「障がい者スポーツ」はもしかしたら、あまり馴染みのないトピックだったかもしれません。

でも、青山学院大学が位置する渋谷区は、東京2020パラリンピック競技大会でウィルチェアーラグビーとバドミントンの会場となる国立代々木競技場、卓球の会場となる東京体育館を擁し、メインスタジアムとなる新国立競技場とも隣接する、大会の中心となるエリアのひとつ。そんな青学生だからこそ、大会開幕前に少しでも触れる機会をもち、関心をもってほしい。そして、積極的に大会に関わってほしい。今回のアカデミー開催にはそうした期待も込められていました。

授業はまず、TEAM BEYONDを運営する東京都の担当者によるレクチャーから始まりました。「青学は駅伝の強豪校ですが、沿道に応援に行く人は?」との問いかけに、手を挙げた学生は数名でしたが、応援に行く理由として「同じ大学の選手が活躍する姿に興奮するから」という声がありました。選手との関わりの強さが観戦の動機に影響することがうかがえます。

さらに、パラリンピックなどに関する最近の世論調査結果も紹介され、東京2020大会に向けて関心は確実に高まっているものの、パラスポーツの会場観戦の経験者はまだ少なく、またパラリンピックを会場観戦したいという興味自体も薄いという現状が伝えられました。

アスリートは「応援が力になる」と口をそろえます。東京都は2020年にパラリンピック会場を満員にして選手を盛り上げ、応援することが、世界各地から集まる約4,400名のパラアスリートに対する「最高のおもてなし」だと考えていて、そのために今必要なことは、例えば、青学生にとっての駅伝選手のように、「選手を知り、ファンになる」こと。そこで、都はさまざまなことに取り組んできており、新たに10月20日(金)から11月11日(土)まで渋谷マークシティを中心に「BEYOND FES 渋谷」を開催予定であることも発表。青学から徒歩圏内で行われるイベントということで、来場を呼びかけていました。

■“WHO I AM”シリーズの選手の姿が、学生を刺激!

つづいて、WOWOWのプロデューサーが登壇。同社は2016年より国際パラリンピック委員会(IPC)と共同で、“WHO I AM”という大型ドキュメンタリーシリーズを制作・放送中です。1シーズンに約8選手をピックアップし、2020年まで5シーズンにわたって世界中から選りすぐりのトップ・パラアスリートを密着取材して選手の素顔に、そして、魅力に迫るという大型シリーズです。すでにシーズン1が昨年10月から放送されていますが、パラスポーツ、パラアスリートの認知向上とともにパラリンピックファンを増やすことの一端を担うと大きく期待されているシリーズです。
講義では、いよいよ10月29日から始まるシーズン2のトレイラー(予告編)やダイジェスト版などが上映されました。そこには、アスリートとして頂点を目指す努力や苦悩にくわえ、“WHO I AM”=「これが自分だ」という輝きを放つ選手たちの生き生きとした姿があふれています。学生たちも真剣な眼差しでスクリーンに見入っていました。

TEAM BEYOND×WOWOW 「PARA-SPORTS ACADEMY」青山学院大学で実施

プロデューサーは、WOWOWがこのシリーズを立ち上げた理由や作品に込めた思いなどを語り、特に「障がいは選手にではなく、我々の側にある」という「気づき」が大きなきっかけだったと明かします。いくつかの国際大会を取材し、選手たちと触れ合うなかで、「パラリンピックは障がいがあって困難を抱えた人たちが頑張っているところ」といった既成の価値観は崩れ去ったそうです。「困難を抱えた人なんて、どこにもいなかった。母国の代表選手として高いプライドとオーラに包まれ、人生をエンジョイしている人ばかりだった」

そして、「パラリンピックにも、ウサイン・ボルト級のスーパースターがたくさんいる。多くの人に知ってほしい」という思いも、“WHO I AM”を制作するモチベーションになっているといいます。そんなスーパースターたちが、3年後、東京にやってくるのです。「観戦でも、ボランティアでも、何らかの形で参加してくれたら、私たちもとても嬉しいです」と学生に向けて熱く語りかけました。

最後に、まとめとして都の担当者が再登壇。「オリンピック・パラリンピックは大会だけが目的でなく、開催準備を行う上で街のクオリティを上げていくという目的もある。それは、スポーツだけでなく、芸術やテクノロジー、環境や福祉などあらゆる分野に波及させたい。ぜひ皆さんにも参加してほしい」と強く訴えて、講義を終えました。

TEAM BEYOND×WOWOW 「PARA-SPORTS ACADEMY」青山学院大学で実施

このあと、受講生たちから寄せられた感想には講義の内容に大きく刺激を受けた様子が感じられました。

≪パラスポーツは初めて観たが、エネルギッシュな選手の姿に感動≫
≪「障がいは選手にでなく、我々の中にある」という言葉が響いた。無意識だけど、バリアをつくっていた気がする≫
≪2020年に海外から来日する多くの方を、ウェルカムな雰囲気で盛り上げるのは、私たちの責任だと思った≫

“WHO I AM”が鮮烈な印象を与え、好奇心を刺激したことも読み取れます。

≪選手の生い立ちや背景を知って興味が深まった。パーソナリティを知って、もっと見てみたいと思った≫
≪強いメンタルやバイタリティに感動≫
≪普段スポーツはあまり見ないが、選手のストーリーや生き方は映画のようだった≫
≪映像にナレーションがなく、かえって選手の言葉がダイレクトに伝わってきた。選手と直接、話してみたくなった≫
≪試合中継だけでなく、時間をかけて選手に密着して「個性」を伝えることは大切だと思った≫
≪「インスタが好き」と聞いて、選手のインスタをさっそくチェック。親近感が増した≫

新たな世界を知ったことで、次の行動を考えた学生もいたようです。

≪体験しないと分からないものがある。動画を観て、(障がいに対する)偏見が減った気がする。自分でも、人々の考え方を変えるような作品を作ってみたい≫
≪オリンピックのほうが上というイメージがあったが、パラリンピックも同じくらい迫力があり、選手一人ひとりにドラマがあった。(パラスポーツ)観戦への敷居が低くなった≫
≪今後、観戦したときは、SNSで積極的に発信したい≫
≪パラリンピックにも人を動かす力があると感じた。オリンピックに比べ、パラリンピックは触れる機会が圧倒的に少ないので、平等に伝える仕事に、私も関わってみたくなった≫

TEAM BEYOND×WOWOW 「PARA-SPORTS ACADEMY」青山学院大学で実施

授業は90分ほどでしたが、学生にとってこれまで接点のなかったパラスポーツとの貴重な出会いの場となったようです。パラリンピックへの関心が薄いのは、ただ知らないだけ。触れる機会が少ないだけ。そこに働きかければ、まだまだパラスポーツファンは増やせるはず――。そんな伸びしろも感じることができた、第3回「PARA-SPORTS ACADEMY」でした。

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