パラトモ!プログラム シッティングバレー編パラトモ!プログラム シッティングバレー編

STEP1 観戦する!
@日本選手権
12/11 シッティングバレー 日本選手権の様子


【パラトモ!プログラム シッティングバレー編STEP1:「観戦する!」】
ショーアップされたシッティングバレー日本選手権大会を、学生メンバーが観戦しました!

競技を観て、実際にプレーしてみて、選手と語り合う。
一度だけ観戦するのではなく、パラスポーツの魅力を深く知ることができる、TEAM BEYONDと、パラスポーツ各競技団体が共同で作っていく、「パラトモ!プログラム」。

今回は、シッティングバレー編です。
第1回目は、2016年12月11日に行われたシッティングバレー日本選手権大会・決勝戦の応援の模様をレポートします。

〈シッティングバレーボールとは〉

シッティングバレーボールは、戦争によって身体が不自由になってしまった人々のためにオランダで考案されたスポーツです。基本的なルールは立ってプレイするバレーボールと同じですが、特徴的なのは、おしりから肩までの臀部(でんぶ)の一部が常に床に接触したままの体勢で行うこと。おしりが床から浮いた状態はリフティングといい、反則となります。コートはタテ5メートル、ヨコ6メートル、ネットの高さは男子では115センチメートル、女子では105センチメートルと定められていて、バレーボールより一回り小さいコートです(ボールはバレーボールと同じものを使用します)。
日本で初めてシッティングバレーボールのチームが結成されたのは1992年。国際大会では障がいの判定やプレーヤーの制限などに、日本国内の規定とは大きな違いがありますが、日本選手権大会ならびに西日本/東日本選手権大会に出場するためには、チームに1名以上の障がいのある選手がいることが条件となっています。

〈シッティングバレーボール日本選手権大会の様子〉

毎年12月、日本一を目指して全国各地からチームが集まり、日本選手権大会が開催されます。昨年2016年は12月10日(土)・11日(日)の2日間にわたって、東京・武蔵野総合体育館において第20回大会が行われました。

栄えある優勝チームが決定する11日、今大会では、TEAM BEYONDの協力の下、初めての試みとして、決勝戦のショーアップ演出を実施。スタジアムDJの高森浩二さんのMCで、元全日本代表の益子直美さんと、一般社団法人日本パラバレーボール協会代表理事の真野嘉久さんによる実況解説が行われました。
14時35分、女子の決勝戦がスタート。東日本選手権大会、全国親善交流大会in白馬を優勝で飾っている東京プラネッツ女組VS埼玉レッドビーズヴィーナスの試合は、序盤から緊迫した展開でした。


強烈なスパイク、それを阻むブロック。ネット際の攻防は手に汗握る迫力です。加点されるたびに、それぞれのチームから息の合ったかけ声が響きます。バックアタックが決まった瞬間、「レベルの高い戦いですね~。思わず鳥肌がたちました」と益子さん。「上半身の動きだけで打ち込まなければならないので、リズムをとるのがものすごく難しいんですよ。体幹がしっかり鍛えられていないとできません」と、自身の経験を交えて解説。益子さんは、1996年の終わりからボランティアとしてシッティングバレーボールの日本代表チームに参加し、イランでの世界選手権にはマネージャーとして同行しています。当時の選手たちのほとんどが、現役のプレーヤーとして活躍しているとのことで、「みんな本当にレベルアップしています!」と興奮気味に語っていました。
試合は、第1セット25-16、第2セット25-15で、東京プラネッツ女組が2-0のストレートで埼玉レッドビーズヴィーナスを下し、大会2連覇を飾りました。


男子の決勝では、千葉パイレーツとSOUL 36(魂)が激突。迫力ある試合展開に、応援にも熱がこもります。スパイクやバックアタックが決まると、観客席からはウォ~という唸り声。DJブースの益子さんも思わず「すごいな~」とつぶやくほど…。「守備専門のリベロ、19番の選手の動きに注目してください!」と解説にも力が入ります。第1セットを25-20で千葉パイレーツが先取、第2セットは25-18でSOUL 36(魂)が取り返して第3セットを迎えました。第3セットは15点を先取した方が勝利となります。熱戦を制したのは千葉パイレーツ。15-10で見事、SOUL 36(魂)を下し、2年ぶりの優勝、グランドスラムを達成しました。

〈パラトモ!プログラムSTEP1「観戦する!」の様子〉

今回、パラトモ!プログラム シッティングバレー編に参加したのは、TEAM BEYOND学生メンバーの「放課後BEYOND」。学生36名が、会場に応援に駆けつけました。放課後BEYONDのメンバーは、TEAM BEYONDのそろいのユニフォームに身を包み、スティックバルーンを手に声援を送りました。

放課後BEYONDのほぼ全員にとって、シッティングバレーボールの観戦は初めて。「迫力ありますね~」と驚きの表情をみせていました。学生たちの感想を聞いてみましょう。

難易度の高い競技だと思いました。ネットが低い分、素早く動かなければならない。ネット際のプレイも見どころですね。プレーヤーの年齢層が幅広くて、とても楽しそうなのが印象的です」
(学生団体TOKYO PLUS+ 三井田尚寛さん)

「ものすごい迫力ですね。障がいをもつ方が参加しているなんて、一見わからないほどです。プレイから『勝ちたい!』という強い気持ちが感じられますね。気おくれせずに、やりたいことをやるって、いいですよね。障がい者も健常者も一緒にできるのも、シッティングバレーの魅力だと思いました」
(学生団体デスモスチルス 執行優騎さん)

「コートにおしりを付けていないといけないなど、シッティングバレーボールならではのルールを知って興味深く感じました。その状態であのスパイクを打つのですから、上半身の筋力、すごいですよね」
(学生団体JASCA 水野彩香さん)

学生たちはこの日、準決勝から観戦。決勝戦ではDJが入ることで、観戦が一層楽しくなったとみなさん口々に声をそろえました。益子さんによる選手の紹介、真野代表理事との競技についての解説などによって、シッティングバレーボールについてますます関心が深まったようです。放課後BEYONDのメンバー全員が、「シッティングバレーボールのことをもっと知ってほしい。SNSなどで情報を発信します」と語ってくれました。

パラトモ!プログラム シッティングバレー編では、STEP2として、2017年2月に実際にシッティングバレーボールをプレーする、という企画を行いました。
その様子は、「パラトモ!プログラム シッティングバレー編、STEP2:「プレーする!」に続きます。ぜひご覧ください。

20170830

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