パラトモ!プログラム シッティングバレー編パラトモ!プログラム シッティングバレー編

STEP3 語り合う!
@ワークセッション
2/18 ワイガヤ会議の様子


【パラトモ!プログラム シッティングバレー編STEP3:「語り合う!」】
「放課後BEYOND」のメンバーが、シッティングバレーボールを、観戦して、
プレーして感じたことを選手たちと一緒に語り合いました!

競技を観て、実際にプレーしてみて、選手と語り合う。
一度だけ観戦するのではなく、パラスポーツの魅力を深く知ることができる、TEAM BEYONDと、パラスポーツ各競技団体が共同で作っていく、「パラトモ!プログラム」。

今回は、シッティングバレー編です。
第3回目は、2017年2月18日に行われたワイガヤセッションの模様をレポートします。

〈パラトモ!プログラム シッティングバレー編のこれまで〉

シッティングバレーボールは座ったままで行う競技で、ルールの多くはインドア6人制バレーボールと共通していますが、サーブ、ブロック、アタックなどで立ち上がったり、飛び跳ねたりすると反則になってしまいます。1980年にパラリンピックの正式種目となり、日本では92年にチームが結成されました。昨年2016年に韓国・済州島で開催されたアジアシッティングバレーボール大会では、男女ともに優勝を果たしています。
“パラトモ!プログラム”シッティングバレー編として、TEAM BEYOND学生メンバーが参加。STEP1では日本シッティングバレーボール選手権大会を観戦し、STEP2ではシッティングバレーボール教室で実際にプレー体験。ゲストとして招かれた元バレーボール全日本代表の益子直美さんが見守る中、日本パラバレーボール協会代表理事・真野嘉久さんの指導を受け、日本代表の高砂進選手、齊藤洋子選手、長田まみ子選手、船戸奈津美コーチと一緒にコートに入り、本番さながらの白熱した練習試合を体験、楽しく汗を流しました。

〈シッティングバレーボールについて語り合う〉

“パラトモ!プログラム”STEP3のテーマは「語り合う!」。2月18日、東京・代官山ヒルサイドテラスで、放課後BEYONDメンバーと、元バレーボール日本代表選手の益子直美さん、日本パラバレーボール協会代表理事で、全日本女子チームの監督を兼任している真野嘉久さん、同協会副会長で元日本代表選手の竹田賢仁さん、現在日本代表選手の齊藤洋子さんです。

2015年から淑徳大学の女子バレーボール部の監督を務めている益子さんは、1996年の終わりからボランティアとしてシッティングバレーボールの日本代表チームに参加し、イランでの世界選手権にはマネージャーとして同行されています。

会場に集まった放課後BEYONDのメンバーは3つのグループに分かれ、それぞれのテーブルに、益子さん、竹田さん、齊藤さんが加わりました。前回の体験会で、益子さん、真野さん、齊藤さんとお会いしていることもあって、どのテーブルも初めから和気あいあい。大きめな付箋紙にサインペンで名前を書き、即席のネームカードをつくって胸に貼りつけ、まずは自己紹介。続いて、自分たちのグループにチーム名を付けました。「ホットレモン」「JUNK!」「ぎょうざとはくびしん」という、かなり個性的な名前がついたところで、シッティングバレーボールを体験した感想やそこでの発見について語り合いました。
「すっごく楽しかったです!」「うん、本当に楽しいスポーツだよね~」どのグループからも、まずは「楽しかった」という声が聞かれました。続いては、「見た目より難しかったですね」「身体が動かないよね」「うん、思ったようにボールの下に行けない」「もどかしいよね」「そうそう、頭でわかっていても身体が動かないんですよね」という意見が多く、「でも、私みたいにもともと運動音痴の人にとっては、参加しやすいスポーツかも」「みんな初心者だしね」という声も。「楽しい」と感じた理由としては、「チーム全員とすぐに声をかけ合えるようになった」「初対面の人ばかりなのに、気づいたら笑い合っていた」などが挙げられ、「障がい者も健常者も、男女も一緒にプレーできるところがいい」「障がいとかはまったく意識しなかった」という意見も多く出ました。

次のトークセッションのテーマは、「大学生の特徴や“あるある”、好きなモノやコト」。どのテーブルも一層盛り上がり、まさに“ワイガヤ”。学生たちの口からポンポン飛び出すSNS関連の言葉に、益子さんや竹田さんから時折「?」という表情も…。

〈シッティングバレーボールをメジャーなスポーツに!〉

「大学生の特徴や“あるある”、好きなモノやコト」をたくさん挙げてもらった理由は、シッティングバレーボールを見て、体験した感覚と、若者たちのインサイトをかけ合わせることで、彼らがシッティングバレーボールを応援するようになるアイデアを見出すため。 大学生の好きなモノやコトが出そろったところで、さっそくアイデアを出し合いました。楽しい雰囲気ながらも、全員の表情は真剣そのもの。「あんなに楽しめたんだから、もっと多くの人たちにそれを伝えたい」、みんなの表情からはそんな思いが感じられました。どんなアイデアが出されたのでしょう。グループごとに発表してもらいました。

チーム名「ぎょうざとはくびしん」

パラスポーツという位置付けではなく、「ニュースポーツである」と打ち出したほうがいいと思う。大学生がよく行く場所、たとえば「大江戸温泉物語」、「スポッチャ」などの施設内に気軽に体験できるコーナーをつくったり、身近なところでは、サークル合宿のレクリエーションに取り入れる、学園祭に参加するサークルの条件にしたり(笑)、学校の授業や体育祭の種目にしたらよいのではないか。話題性も必要なので、有名選手をつくる、あるいはミスター&ミスキャンパスのシッティングバレーボール対決などのイベント企画、ドラマ化やマンガ化、バラエティトーク番組で取り上げられるなどが実現できたらいいと思う。

チーム名「JUNK!」

シッティングバレーボールを大学生が好きな遊び、たとえばスノボのような位置付けにする。そのためには、流行っているというイメージづくりが大切。大学生が集まる渋谷などのエリアや「スポッチャ」などの施設内に、期間限定でもよいので気軽に体験できるコーナーをつくって、用具はレンタルを用意する。さらに、SNSで拡散力のある人に取り上げてもらい、若者の間で話題になっていることをアピールし、定着させていく。

チーム名「ホットレモン」

チャリティー番組で取り上げられたこともあると聞いたが、障がい者スポーツとしてではない発信もしていくことを考えると、バラエティ番組に取り上げられることが望ましい。取り上げてもらうためには、ある程度認知度を上げておく必要があるので、自分たち大学生が、ゼミの最初や新入生歓迎会のアイスブレイクなど学内のイベントなどで取り入れたりしていければと思う。シッティングバレーボールを“仲よくなるための新たな方法”として広めていきたい。
発表会は大盛況のうちに終わり、解散となりました。が、益子さんたちを囲んで写真撮影をし、さっそくSNSへ投稿するなど、会場にはいつまでも笑い声が響き渡っていました。

〈「確かな手応え」を感じた真野さん〉

現在、日本パラバレーボール協会代表理事と全日本女子チームの監督を兼任している真野嘉久さんに、3回にわたる“パラトモ!プログラム”についての感想を伺いました。
日本パラバレーボール協会は、1997年に設立した障害者バレーボール競技団体である日本シッティングバレーボール協会を前身として2014年4月に設立・法人化されました。日本パラリンピック委員会(JPC)加盟団体として、パラリンピックの正式種目シッティングバレーボールと、スタンディングバレーボール、パラビーチバレーボールの大会運営・普及活動を行う団体です。

「今日の発表会の中で、シッティングバレーボールを“ニュースポーツ”と打ち出したほうがいいという意見がありましたが、僕は以前からニュースポーツだと思っていました。ともかく、より多くの人にシッティングバレーボールを知ってほしい、その気持ちで今回の“パラトモ!プログラム”に参加してきましたが、私にとって一つのケーススタディとなりました。去年の12月の日本選手権大会にはじまって、今までシッティングバレーボールをまったく知らなかった若い人たちが『シッティングバレーボール』について語り合ってくれていること自体が画期的なことだと感じています。

シッティングバレーボールを常時やっていて、いつでもだれでも気軽に参加できる。そういう場所をぜひつくりたいと思います」
いつもより少し早口な真野さん、頭の中でシッティングバレーボールの今後についていろいろな想いを巡らしているように見受けられました。
「障がい者スポーツからパラスポーツという表現になり、次は“一生涯スポーツ”になる」と真野さんはいいます。「もう20年もしたら、僕だって車椅子だよ。そうなってもシッティングバレーボールはできるよ」と。
「趣味はシッティングバレーボールです。そういう会話が普通に聞かれるようになってほしい」それが、真野さんの目標です。

〈「女子大生に戻りたくなっちゃった~!」と益子さん〉

「JUNK!」チームのメンバーとして、終始楽しそうにトークセッションに加わっていた益子さんにも、3回にわたる“パラトモ!プログラム”についての感想を伺いました。 「吸収力とパワーに圧倒されました! そして、とっても素直。羨ましくなっちゃった。女子大生に戻りたい!大人は、障がいのことというと同情だけで、自分自身もそういうところがあったけど言葉を選んでしまう。でも、彼らと話していると、そんな必要はないと感じました。
彼らは、パラスポーツの選手を純粋にリスペクトしています」
益子さんの言葉から、益子さんがこれまで、心からシッティングバレーボールと向き合ってこられたことがしみじみと伝わってきました。
「真野さんもおっしゃっていましたが、若い世代にこんなにも受け入れられて本当に夢のようです。目の前に立ち塞がっていた大きな壁がなくなったみたい。時代の変化を感じますね。2020年にオリンピック・パラリンピックが開かれるって、こういうことだなと思いました」

2020年、シッティングバレーボール、ゴールボール、車いすフェンシング、テコンドーの4競技は、千葉・幕張メッセで開催されます。これに先立ち、4競技の国内団体が集まって「チーム幕張」が結成されました。今後、チーム幕張を中心にさまざまな活動が行われます。 「ボランティア? やれることはいっぱいありますよ。ボール拾いや練習の相手とか。バレーボール経験なくてもまったく問題ないの。気軽に訪ねてきてほしいな。せっかく、友だちになったんだから。これからもつながっていこうよ!」

パラスポーツを「観戦する!」・「プレーする!」・「語り合う!」の3回にわたる“パラトモ!プログラム”。これまで知らなかった世界を知ることは、とても素敵で意義のあること。自分の視野も、そして自分が生きる世界も一回り大きくしてくれます。
次回は、どんなパラスポーツとトモダチになれるのでしょうか。TEAM BEYONDでは、あなたの参加をお待ちしています!

20170830

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