2021年8月8日（日）、TBSラジオ『アルコ&ピース D.C.GARAGE』と「TEAM BEYOND」がタッグを組んだスペシャルライブ配信イベントがメンバーも新たに開催されました。

今回は、パラ柔道から2008年北京パラリンピック日本代表の初瀬勇輔さん、ブラインドサッカー女子日本代表のエース・菊島宙選手、そして国際大会や世界選手権でも結果を残し続けるパラバドミントンプレイヤー・島田務選手が参加。

今回もアルコ＆ピースの二人とともにパラアスリートとのトークや、パラスポーツ大好き芸人みんなのたかみちさんによる「パラスポーツ・クイズ」、目隠しした状態でサッカーボールをコーンに当てる対決など、和気あいあいとした雰囲気の中、パラスポーツの魅力をお届けしました。

アスリートならではの本音が飛び出す！「パラアスリートのここだけ座談会」

3回目のライブ配信では、パラアスリートメンバーが一新。これまで配信イベントを大いに盛り上げてくれた車いすラグビー日本代表・池崎大輔選手は東京2020パラリンピック出場に向けて、今回の収録は不参加でしたが、アルコ＆ピース平子さんは「共演NGにした！（笑）」と収録現場の笑いを誘っていました。

最初のコーナーは、定番となった「パラアスリートのここだけ座談会」。箱からランダムに質問を選んで、パラアスリートのみなさんに回答してもらいました。

最初のトークテーマは「試合中にヒートアップしちゃいました」。パラバドミントンの島田選手は、試合中に集中してしまうと「歓声が消えて、バドミントンのシャトルの音と車いすの音しか聞こえなくなる」というこれまで一度しか体験したことがない超集中状態を紹介。

逆にパラ柔道の初瀬さんは「歓声や指示はよく聞こえる」と言います。4分間という短い時間だからこそ、「柔道は途中で“待て”がかかって組み直すことがある。そういうタイミングで熱くなっていたのが冷静になっていく」と話していました。

ブラインドサッカーの菊島選手は、にこやかに笑いながらも「相手にファウルされると怒ってしまう」と告白。怒りをプレイにぶつけて「多くの点を取っていく」とかっこいい発言をする一方、監督であるお父様と試合中に親子げんかをするというほっこりエピソードも披露していました。

2つめのテーマは「日々の生活で得なこと、困ること」。島田選手は得なこととして「覚えてもらいやすいこと」、困ることとして「電球など変えるときに困る」と、車いすユーザーならではの理由をあげると、初瀬さんからは目が悪くなったことで「見た目で人を判断しなくなった」というエピソードがあげられました。

見えないからこそ、声のトーンには敏感とのことで、好意を抱いているのか、冷たい感じなのかはすぐ分かってしまうのだとか。相手の表情がわからないからこそ、会話の間を恐れて「めっちゃしゃべるようになった（笑）」と話していました。

3つめのテーマは「競技をやっていて最も楽しい瞬間！」。この質問に対して、「声援」や「勝ったとき」とアスリートらしい答えをする島田選手。平子さんから「スマッシュを決めた瞬間と相手からのスマッシュを返した瞬間、どちらが気持ちいいか」と質問が投げかけられると「返した方が気持ちいい」と笑顔で回答してくれました。

島田選手と同じように「点を取って勝ったとき」と答えた菊島選手に対しては、「点数をたくさん取ったのに負けた試合と、勝ったけど自分が活躍できなかった試合のどちらが嬉しいか」と、平子さんから質問が投げかけられます。それに対して菊島選手は「モヤモヤ残るけど、勝った方がうれしい」と勝負に身を置くプロのアスリートらしい回答がありました。

初瀬さんは、ワンプレイで決まる柔道だからこそ一本をとったときの感覚について「勝負が一発で決まるので、サヨナラ満塁ホームランみたいな感じです」と、野球に例えて教えてくれました。柔道の一本勝ちの痛快さがよくわかります。

パラアスリートたちのプライベートがクイズに！「パラスポーツ・クイズ」

トークに続いて、パラスポーツ芸人・みんなのたかみちさんによる「パラスポーツ・クイズ」コーナーへ！ 前回、アルコ＆ピースにコーナーの進行ぶりをツッコまれていた、みんなのたかみちさん。「今回は絶対いちゃもんつけさせない！」と気合いが入っています。

Q1、パラバドミントンが初めてパラリンピックの正式競技に採用されたのはいつの大会からでしょう？

当然、パラアスリートのみなさんは答えを知っているので、アルコ＆ピース酒井さんが回答することに。少し自信なさげでしたが、自信ありげに「東京2020大会」と解答し、見事正解！あまりに簡単な問題に対して、平子さんからは「もうちょっといじわるでもいいのでは？」とのツッコミも。その結果、2問目はよりプライベートな質問になりました。

Q2、本日のゲスト菊島宙選手はアニメが大好き。さて、菊島選手の好きなアニメは何でしょう。

アルコ＆ピースのお二人は「そのアニメ俺らも知ってる？」と不安げ。菊島選手は「知ってます！」と自信満々答えます。さて、答えは……？

A、『進撃の巨人』

『銀河鉄道９９９』『鬼滅の刃』など数多くのアニメがあがりましたが、最終的には初瀬さんが回答して正解に。ちなみに菊島選手がこの作品を好きな理由は、好きな声優さんがたくさん出ているからだそう。特にお気に入りのキャラは善逸！菊島選手の今どきの若者らしい表情が垣間見られました。

そして３問目もゲストにまつわる問題です。

Q3、本日のゲスト初瀬勇輔さんは、以前、パラ柔道をテーマに短歌を詠（よ）んでいます。
「暗闇で　掴むぶ厚い　奥襟の　小さな揺れが　○○○○」
さて、〇〇〇〇の部分には何が入るでしょうか？

パラ柔道は相手が見えない状態で組んで試合をはじめます。その瞬間を詠んだ句とのことで、アルコ＆ピースの二人は、なかなか答えが出てきません。初瀬さんから「動揺するとか……」とヒントも出てきましたが、答えは……

A、お前の心

みんなのたかみちさんからヒントやジェスチャーでやっと導き出された答えがわかったところで、クイズは終了。視聴者からのコメントでは「素晴らしい短歌です」というコメントも寄せられ、初瀬さんもうれしそうでした。

視覚を使わずに声だけで動きを伝える、「オフタイム体験」

今回の体験は、日本ブラインドサッカー協会の小島さんに教えてもらいながら行う「オフタイム体験」。これは、視覚をなくして、声のみで背の順に並ばせたり、体操の動きを説明したりする音声コミュニケーションプログラムです。コミュニケーションの重要性や相手の立場になって考えることで、障害に対する理解を体感できるプログラム。今回はゲストを含めて５名いるので、平子さんがガイド役、４名が目を閉じてその動きを行うことになりました。

まずは小島さんが行った動きを、平子さんが口頭で４人へ伝えます。もちろん４人は目を閉じているので、小島さんが何をしているか見えません。
最初のポーズは、腕を交差させるストレッチのポーズ。それを見た平子さんが声でみんなに伝達します。

「右腕を伸ばしてグーッとするやつ、ストレッチでやっている……」といった説明で４人はすぐに反応。見事課題をクリアです！一問クリアしたことで平子さんは自信をつけた

次は難易度をあげた動きにチャレンジ。手首のストレッチのポーズです。

酒井さん、島田選手はすぐに反応しましたが、初瀬さんと菊島選手は悪戦苦闘！　しかし、途中で最初の組み方について伝え方を間違っていたことに気づいた平子さんが言い方を変えると、すぐにクリアすることができました。

「ちょっと悔しい」という小島さん。次は両手をピストル型にして「ゲッツ！」で有名な動きをします。

みなさんすぐに手だけで反応しますが、小島さんから「完璧じゃない」とNGが。平子さんから「足とか腰をいれて、ぐっと膝を曲げて」と指示が飛ぶと、全員見事、動きをクリアできました。

なぜこんな動きが課題に？という声に、小島さんは「TBSの人が……」と裏側を話してしまう場面も。

ガイド役の平子さんは「シンプルな動きでも口頭だと伝わりづらい」と視覚がない状態で伝える難しさを実感できたようでした。

菊島選手が抜群のコントロール！「ブラインドサッカーシュート対決」

２つ目の体験は、アルコ＆ピースチームvs初瀬さん＆菊島選手チームに分かれて行われた「ブラインドサッカーシュート対決」です。３０秒という限られた時間の間に、目隠しした状態で対面にあるコーンにどれだけ当てられるか競います。島田選手はコーンを叩いたり声を出したりして、選手たちにコーンの場所を知らせるガイドを務めました。

先攻はアルコ＆ピースチーム。交互にシュートしていくも、なかなか当たらず…。島田選手も大きな声で「ここ！ここ！」と指示を飛ばします。しかし、タイムアップギリギリになんとか１個当てることができました。

後攻は初瀬さん＆菊島選手チーム。挑戦前に、菊島選手から「実はコントロールは苦手なんです」と謙遜したコメントがありましたが、始まってみると１球目から当てていき、すべてコーンに当てる快挙。さらに初瀬さんもコントロールの精度が高く、１球ヒットしていました。これにはアルコ＆ピースも驚きの表情でした。

悔しかったのか、平子さんから「もう１回できる？」「次は本気出していい？」とリベンジ宣言。島田選手に対しても「もっと強めに指示して！大阪弁で声出して」とプレッシャーをかけます。

そんななか始まった２回戦目、アルコ＆ピースの二人は島田選手の力もあり、次々とコーンに当てて、合計3球当てることに成功。続く、初瀬さん＆菊島選手チームは、やはりほぼヒットを連発！今度は、初瀬さんが全球当てるという快挙。合計5球当てた初瀬さん＆菊島選手チームが勝利という結果でした。

これまで配信した過去の動画もチェック！

最後にアルコ＆ピースが視聴者からのコメントをチェックすると「宙ちゃんうますぎ」「初瀬さんすごい」など、たくさんのコメントがリアルタイムで寄せられていました。

最後に対決の感想を聞いたところ、菊島選手は「こういった形でブラインドサッカーを知ってもらえて良かった」とコメント。初瀬さんは「この配信をきっかけに今月から始まるパラリンピックを見てくれるとめちゃうれしいですね」と話しながらも「島田選手の声が良かった」と、今回ガイド役を務めた島田選手の声を褒めていました。

またTEAM BEYOND×TBSラジオ「アルコ&ピース D.C.GARAGE」のYouTubeでは、過去の動画も配信しています。車いすラグビーの池崎選手にアタックされて絶叫する平子さんの姿も見られますので、ぜひチェックしてみてください！

そして「TEAM BEYOND」ではメンバーを募集中です。「TEAM BEYOND」は、パラスポーツの楽しさやパラアスリートの凄さなどをお伝えすることを通じて、パラスポーツに関心を持って、応援してくれるファンの方を増やしていこうという東京都のプロジェクトです。

メンバーになるとパラスポーツのメールマガジンが定期的に届いたり、観戦会やイベントに参加できたり、BEYONDグッズが当たるキャンペーンに応募できるなどさまざまな特典が受けられます。ぜひ登録をお願いします。

〇レポート記事の配信動画はこちらから
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