健康増進やストレス解消など様々な目的で多くの人に親しまれているランニング。チームビヨンドではそんなランニングを切り口としてパラスポーツの魅力を知っていただくため、パラアスリートと一緒に走るランニングイベントを開催しました。
「長距離は苦手だけど、走ってみたい。一人だと挫折しそうなので、できれば誰かと一緒に」「最近ランニングを始めたので仲間がほしい」といった初心者や、「走るのが日課で週末は大会に出ています」とった上級者、そして「パラスポーツの観戦は好きだけど自分も何かやってみたい!」というパラスポーツファンの方々へ。走力は問わず、走ってみたいという気持ちがあればOK。年齢・性別・体力・障害の種類も関係なく、「みんなで一緒に走ってみませんか?パラアスリートと一緒に!」というシンプルなイベントです。
開催は2023年10月22日(日)の 朝。場所は1964年の東京パラリンピックでメイン会場となった都立代々木公園陸上競技場(通称:織田フィールド)。第1部と第2部合わせて、10名のパラアスリートとおよそ50名のランニング愛好家が集まりました。アスリートは、パラトライアスロンの選手やパラ陸上・短距離選手など、現役高校生からOBアスリートまで、種目もキャリアもさまざまです。トレーニングで日々走り込むのには慣れていますが、一般の方と一緒に走ることは初めての方がほとんどのため、この日を楽しみにしてくれていました。
<参加して下さったパラアスリート(50音順)>
・古畑 篤郎 選手(アルケア株式会社所属、ロンドン2012パラリンピック車いす陸上競技100m・200m出場)
・櫻井 円 選手(AC・KITA所属)
・多川 知希 選手(AC・KITA所属、リオ2016パラリンピック男子リレー銅メダル)
・遠山 勝元 選手(三菱商事所属)
・永田 務 選手(BESS所属、東京2020パラリンピック男子マラソン銅メダル)
・秦 由加子 選手(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン所属、リオ2016パラリンピック・東京2020パラリンピック トライアスロン入賞)
・花岡 伸和 さん(特定非営利活動法人関東パラ陸上競技協会 理事長、アテネ2004パラリンピック・ロンドン2012パラリンピック マラソン入賞、パラ応援大使)
・村竹 陽太 選手(AC・KITA所属)
・吉川 琴美 選手(AC・KITA所属)
・米岡 聡 選手(三井住友海上火災保険株式会社所属、東京2020パラリンピック トライアスロン銅メダル)
準備体操後、グループにわかれてランニング。1アスリートにつき、参加者5〜6名のグループで、おしゃべりできるぐらいのペースで400mトラックをぐるぐる走りました。「普段どんな練習をしているの?」「タイムを縮めるには?」などトレーニングについてアスリートに尋ねるチームもあれば、「ケーキが好きなんですか!じゃあ最近オープンしたあそこのお店はいきました?」といった共通の趣味の話しで盛り上がるチームも。息が上がってきたら無理に話さずともチームの話に耳を傾ける「聞き専」もありです。
車いすのアスリートが入ったチームでは、競技用の車いすレーサーのフォルムを直近で見たり、ひと漕ぎでこんなに進むんだ!と驚いたり、漕ぎ続ける選手の二の腕のたくましさに気づいたり。最後の1周の際、真っ向から短距離勝負を挑み、潔く惨敗する猛者も(悔しかったそうです)。
視覚障害のアスリートが入ったチームは交代でアイマスクをつけてみたり、伴走者になって「テザー」と呼ばれる紐でつながってみたりしながら走りました。競技ではランナーより前に出て引っ張ると反則になってしまいます。逆に遅く走ってもアスリートの足を引っ張ることになるため、息をぴったり合わせないといけないのです。
キッズチームは小学生の女の子が休まず完走。そのガッツに、大人もアスリートも触発されました。男の子たちも途中レーサーに乗って走りました!義足のアスリートの走りにも興味津々でした。
途中1回、休憩とチーム替えを実施。休憩時は各チームで記念撮影をして、いい写真がいっぱい撮れました。今回、このイベントのサポートスタッフとして、チーム分け時のアテンドや、自己紹介時の盛り上げ、走っている最中のペースメーカーを務めてくれたのが「ランニングと朝食」というサークルのメンバーたち(おにぎりとトーストを食べているイラストのTシャツを着ている人たちです)。このサークルは年齢・性別・走力問わずランニングへの参加のハードル低くし、朝食を楽しみに走ろう!というコンセプトのもと毎週末活動しています。今回のイベントに参加後、サークルに入った方もいらっしゃいました。
ランニングを終えた後はクールダウンで代々木公園内を歩き、国立オリンピック記念青少年総合センターへ。サンドイッチを食べながらの交流会です。ランニングの際、話し足りなかったことを深掘りしたり、話したことのないアスリートのテーブルに行って話しかけたり、各テーブルゆるゆるとトークで盛り上がりました。
「お腹すいたね」「いい運動になった」「まだまだ走れるね」といったランニング後の素朴な感想から始まり、女性アスリートの普段のメイクの仕方、パラアスリートが街中で困ったときのことなど話題が広がりました。参加者の方がこれからパラリンピックに出るにはどうする?といった作戦会議をしたテーブルや、中には東京パラリンピックのメダルをかけさせてもらったラッキーな参加者も!
「一緒に」走り、走った後は「一緒に」食べることを通して、アスリートも参加者も同じ空気を共有することができました。また一緒に走れる日を願って、それぞれランニングを続けたり、一緒に走ったアスリートを応援したいと思います!
当日の様子は、YouTube動画でもご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。