可能性のオンパレード!パラアスリートたちの注目ポイントを熱血プレゼン!「Yell for パラアスリート!」レポート

2021.09.09
可能性のオンパレード!パラアスリートたちの注目ポイントを熱血プレゼン!「Yell for パラアスリート!」レポート

パラリンピック開会式を直前に控えた8月22日(日)、「Yell for パラアスリート!」と題して、パラリンピックの見どころや競技の魅力、応援ポイントを発信するライブ配信が実施されました。

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矢作奈穂子さんとお笑いコンビのアルコ&ピースの平子祐希さんがMCとして番組を盛り上げます!

MCに負けない!? にぎやかなゲスト陣

アルコ&ピースの平子さん、矢作さんと一緒にイベントを盛り上げてくれたのは、パラスポーツ大好き芸人こと、みんなのたかみちさん。いつもはMCが多いたかみちさんですが、この日は熱血プレゼンター役として登場。平子さんから「MCをご卒業されて……」と、勝手に卒業宣言される一幕も。そんな平子さんにツッコみながらも「今日はプレゼンター役として、よろしくお願いします!」とやる気満々。

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解説者として、シドニーパラリンピック 車いすバスケットボール日本代表のキャプテンを務めた根木慎志さんも登場。現在は日本パラリンピアンズ協会副会長、東京都のパラ応援大使、さらには、今回のパラリンピックでは、選手村の副村長も務められ、多彩すぎる肩書に一同驚き。

以前、平子さんに「おしゃべりおじさん」と名付けられたという根木さんは、パラリンピアンの仲間たちから『おしゃべりおじさ~ん!』と呼ばれるようになったと告白。この日もたくさんおしゃべりする宣言からスタートです。

パラスポーツへの注目度は大きく上昇!

オリンピック・パラリンピック自国開催に向けて、徐々にパラスポーツへの注目度もあがっています。根木さんによると「僕が選手だった2000年頃は、あまりパラリンピックについて知られることのない時代だったので、ちょっとうらやましいです(笑)」と話し、子どもたちはオリンピック・パラリンピック教育という形で、学校でも勉強しているのだそうです。幅広い世代へ認知が広がっていることが伝わります。

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みんなのたかみちさんも「知れば知るほど、競技の魅力だけでなく、選手の個性、考え方を知ることが魅力のひとつになるんじゃないかと感じています」とコメント。さらには、世界的なプロテニスプレーヤーのフェデラー選手が、ある記者から「なぜ日本から世界的な選手が出ないのか?」 と問われたときに「国枝慎吾(車いすテニス選手)がいるじゃないか」と答えたというエピソードを披露。「それほどパラスポーツへの注目度が世界中で上がっている」と熱く紹介しました。

平子さんは、以前チームビヨンドの配信番組で強烈なタックルをお見舞いされた車いすラグビーの池崎大輔選手を紹介。「絶対に許さないんだから!」と恨み節(?)が炸裂するシーンも。たかみちさんによると、池崎大輔選手は平子さんとのこのやりとりを楽しんでいるそうで「また番組に出たいって、スタッフに伝えているらしいです(笑)」と話していました。

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相手の弱点を突く戦略が勝利の鍵「パラ卓球」

イベントでは、注目のパラスポーツを紹介するコーナーに。1つめの競技として、8月25日~9月3日まで開催されるパラ卓球が紹介されました。たかみちさんも「日本選手がメダル獲得するんじゃないか」と期待を寄せています。

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ラケット、ボールなどは一般の卓球と同じです。立位、車いす、障害と3つの部門に分かれ、さらに障害の程度によってもクラスが変わります。見どころはなんといっても「相手の弱点を突く戦略が勝利の鍵というところ」。相手の弱点を突いていくことが勝利につながる重要なポイントなのだそう。

また、障害によって卓球台の“見え方”が異なってくるとのこと。それをわかりやすく表現した卓球台があるのだそうです。

こちらは「Good Design Award」も受賞したという卓球台で、さまざまな障害を持つ選手が見ている世界を可視化したもの。通常の卓球台で試合をしていても、障害によって台の見え方が異なることが伝わります。例えば、手が短い選手だと卓球台が円のように見えているのだそう。

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車いすユーザーでもある根木さんは「例えば、手前側はみなさんとそれほど変わらないですが、ネット際は車椅子がある分当然打ちにくい。僕らにとっては、ものすごく長い卓球台でプレイしている感覚なんです」。

みんなのたかみちさんは、小さな筒に卓球玉を通すというスゴ技を魅せてくれた岩渕幸洋選手に注目していると話します。世界ランク3位と言うこともあり、「このテクニックを駆使して、どんな活躍を魅せてくれるか本当に楽しみ」と期待を寄せていました。

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根木さんの注目選手は、ポーランドのナタリア・パルティカ選手。パラリンピックで4大会連続金メダルという記録を持っていることに加え、北京大会では世界で2人だけになるオリンピック・パラリンピック両方に出場されたという実績を持ちます。今回の東京大会でも両方に出場しています。「オリンピック・パラリンピックの枠を大きく超えた中の共生社会を実現して、自らの競技で示している素晴らしい選手ということで、彼女の活躍に期待したい」と話していました。

コーナーの最後はパラ卓球にまつわる「パラスポーツクイズ」が行われました!

Q. 車椅子ダブルスにある独自のルールはどれでしょう。

1、交互に打たなくてもOK
2、2人同時に言ってもOK
3、相手ボールが自分のコートで3バウンドしてもOK

答えは「1、交互に打たなくてもOK」。車いすはなかなか動きづらいので、交互に打たなくてもOKとのこと。とにかく2人で協力しながらゲームを進めることが重要になってくるスポーツなのです。

Q.パラリンピックで使う卓球台はオリンピックとほぼ同じですが、一つだけ車椅子競技を考慮した部分があります。それは何でしょうか?
1、ネットが低い場合
2、ラインが太い
3、台と足のエンドラインが40センチ以上離れている

答えは「3、台と足のエンドラインが40センチ以上離れている」。立っているときと異なり、足が前に出る車いすに配慮した形になっているのだそうです。

まさかのオリンピック超え!?「パラ陸上」

注目のパラスポーツの2つめは、8月27日から9月5日まで開催されて、すべての日程でメダリストが決まるというパラ陸上。この競技の注目ポイントはなんといってもオリンピックを超えるような記録が出てくるところ。

2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは、男子1500mT13のクラスで上位4位の選手の記録がオリンピックの金メダル記録を超えていたことが話題になりました。また、2014年のドイツ選手権、走り幅跳びT64のクラスでドイツのマルクス・レーム選手が健常者を超える記録をたたき出したことも。オリンピックへの出場も希望されたそうですが、義足がジャンプにどう影響しているのか正確な分析が出ておらず、断念したのだとか。

こういったエピソードからも、オリンピックを超える記録が続々出ることが期待できます。

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みんなのたかみちさんが注目する選手は「陸上が一番多くて難しい」と悩みながらも、マルクス・レーム選手に対抗して、走り幅跳びの山本篤選手を挙げました。

山本選手は義足を履いていますが、義足も進化していくので、義足に合わせた肉体作りが必要なのだそう。ただ、そういった努力の結果、走り幅跳びの世界記録が、ここ20年で2m50cmも伸びているのだとか。「ものすごい迫力でしょうね!」とMCの平子さんも感心の声を上げます。

一度に飛ぶ負担が大きい競技のため、根木さんによると「山本篤選手もトレーニングの方がはるかに多く、飛ぶ練習はそれほどやっていない」とのこと。最高に研ぎ澄ませた状態で本番勝負という競技なのだそうです。そういった裏事情を知ると、見方も変わりそうですね。

根木さんは、走り幅跳びの中では兎澤朋美選手に注目します。前回の日本選手権では、義足が外れるというトラブルもありましたが、義足にあわせるためにさらなるパンプアップをして、今回のレースに間に合わせてきたという折れない心が素晴らしいと話していました。

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コーナーの最後にはパラ陸上にまつわる「パラスポーツクイズ」が行われました!

Q、視覚障害者のトラック競技やマラソンでは、伴走者が必要不可欠です。選手と伴走者が離れないようにするにはどうしているでしょうか?

A、輪の付いたロープをお互いに持って一緒に走る。

このロープはガイドロープという名前のほか、日本では「絆」と呼ばれることも。伴走者と選手が一心同体になって走るからこそのネーミングです。

カナダのレジェンド選手も復活!? 超絶テクニックにも注目!「車いすバスケットボール」

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続いての注目競技は、8月25日から9月5日まで開催される車いすバスケットボール。オリンピックでもバスケが盛り上がったこともあり、注目度が高い競技です。日本では2000年から井上雄彦氏の漫画『リアル』でも認知度が高まったほか、1960年に行われたパラリンピックの第1回大会から実施されている歴史あるスポーツでもあります。

『リアル』が始まった2000年は、根木さんが代表選手として活躍していた年。根木さんによると「井上先生はシドニー大会以降すべて現地へ足を運んで応援している」とのこと。まさしく“リアル”な体験から作品は生まれています。

たかみちさんはこの競技の面白い点について「ポイント制」をあげています。選手にはそれぞれポイントが割り当てられ、数が小さいほど障害が重く、大きいほど障害が軽いことを示しています。出場する5人全員で14点になるようにしなければなりません。「その中でどの選手を出場させていくかというのが、この競技の魅力なんです」。
さらに根木さんからは、ポイント制について「障害の重い選手も軽い選手もみんな出てもらうための仕組みになっている」ところが面白みにつながっていると話してくれました。

可能性のオンパレード!パラアスリートたちの注目ポイントを熱血プレゼン!「Yell for パラアスリート!」レポート
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ゴールの高さは一般的なものと変わらないため、力のある平子さんでも車いすに乗った状態では「スリーポイントシュートが入らなかった」とのこと。
そんな難しいスリーポイントシュートを永田裕幸選手が連続で決めるスゴ技動画をみんなで鑑賞。見た平子さんから「届いているのが、まずすごい」と感心の声。無事スリーポイントシュートを決めたシーンでは、思わず拍手が出ていました。
〇永田選手のスゴ技動画はこちらからご覧いただけます。
https://www.para-sports.tokyo/sports/sugowaza/

続いての注目選手として、たかみちさんは正確なシュートを武器に戦う豊島英選手をピックアップ。今回のキャプテンも務められています。同じくキャプテンを務めた、根木さんも一番注目している選手だそうです。

また、海外の選手だと、世界中の車いすバスケットボール選手が憧れているといっても過言ではないという、カナダのパトリック・アンダーソン選手が大注目と、根木さん、たかみちさんともに口を揃えます。

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今まで出たパラリンピックではすべてメダルを取っている選手で、これまでに2度引退していますが、その時カナダはメダルが取れていないのだそう。「もし、日本とカナダの対戦があったら最高!」と根木さんも目を輝かせていました。

コーナーの最後は車椅子バスケにまつわる「パラスポーツクイズ」です!

Q、パトリック・アンダーソン選手は引退し競技から離れていた際、何の活動に力を入れていたでしょうか?

A、音楽活動

奥さんと一緒にアコースティックバンドをされていたそうで、「SNSにアップされているのを見たけど、本当にプロフェッショナル!」と根木さんも認める本格的な活動だったそうです。

Q、車いすバスケットボールはルール上、ジャンプをしてはならないが、それを補うテクニックのひとつとして選手が使いこなしている技術は何でしょうか?

A、ティルティング

ティルティングというのは、車椅子を片側だけ浮かして高さを出すテクニックのこと。ちなみにパトリック・アンダーソン選手は、ティルティングをしながら車いすの片輪を外して付けるといった曲芸が出来るほど、体と車いすが一体化しているそうです。ぜひ観戦する際に注目してみてください!

パラアスリートたちを応援すれば、新たなチャレンジへの勇気がもらえる!

あっという間にお時間になった今回の放送。みんなのたかみちさんは「時間が少なすぎて熱さが伝わらなかった」と悔しさをにじませていました。根木さんは「大会直前にこんなイベントを実施してもらえて感謝です。できないことを工夫や努力でできるようにしている、可能性のオンパレードのような大会になっています。見ることで、自分がこれから新たなチャレンジをすることへ結びついて言ったらいいなと思っています」と話してくれました。

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パラリンピックの見どころや注目のパラアスリートをお届けした1時間。パラスポーツの可能性を十分に感じられたイベントになりました。配信の模様は下記URLからご覧いただけます。ぜひパラスポーツの魅力を感じてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=XSxfXAMF0yY

20210909

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