パラスポーツを盛り上げたい!「今できること」を考えた企業・団体メンバーワークショップ(第2回)

2019.03.25
パラスポーツを盛り上げたい!「今できること」を考えた企業・団体メンバーワークショップ(第2回)

「社内でパラスポーツを盛り上げたいけど、何から始められるだろう?」

自分の会社で今取り組んでいること、これから取組を検討したいしたいこと、目標に向かうための一歩…話し合っているうちに、熱が入って大きな盛り上がりを見せていたのは、TEAM BEYONDの企業・団体メンバーのみなさんです。

パラスポーツを盛り上げたい!「今できること」を考えた企業・団体メンバーワークショップ(第2回)

1月24日(木)、「パラスポーツ支援」の形を考え、具体的に行動するきっかけを作る、パラスポーツワークショップを開催!まずはゲストトークとして、スポンサー支援をはじめとする様々なパラスポーツ支援を行う企業様から、事例を紹介してもらいました。その上で、自社でできることを考えグループで共有し、さらにアイデアを深めていきます。

各参加者はどのような「パラスポーツ支援のための一歩」を見つけたのでしょうか?この日の様子を紹介します!

パラスポーツを盛り上げるためにできることを考えよう

まずはじめに、東京都オリンピック・パラリンピック準備局 パラリンピック部 大会・観戦促進担当課長の浅川 健太郎さんより、今回のイベントの趣旨をお伝えしました。

浅川さん:参加いただいた企業のみなさんの中には、すでにパラスポーツ支援を始めている企業・団体もあれば、まだ着手できていないという方もいるかもしれません。今日のワークショップを通して、それぞれがヒントを持ち帰ってもらえると嬉しいです。

パラスポーツを盛り上げたい!「今できること」を考えた企業・団体メンバーワークショップ(第2回)
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続いて参加者同士で自己紹介をしました。一人一人、パラスポーツへの関心度もさまざまな様子。パラスポーツを共に盛り上げる仲間を探しているという方もいれば、これまでパラスポーツに関わる機会がほとんどなかったという方もいました。

それぞれ立場は違っても共通に持っていたのは「自分の会社で少しでもできることを考えたい」という思いです。そこで今回は、長年に渡り様々な視点からパラスポーツ促進に取り組んできた、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様の事例を紹介。経営企画部次長の倉田秀道さん、同社の人事部に所属する視覚障害者柔道の選手・石橋元気さんがゲストで登場しました。

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パラスポーツ選手が競技と業務を両立できる環境づくりとは?

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競技団体への支援やパラアスリートの雇用、観戦会の開催など様々な取り組みを行うあいおいニッセイ同和損害保険株式会社。もともと社内にスポーツ文化はありませんでしたが、2013年に、パラスポーツ支援のためにできることを考え始めました。

社内で掲げた「障がい者スポーツ支援を通じた共生社会への理解」という方針に向かって最初に力を入れたのが、社内でパラスポーツへの関心を高めること。全国の拠点で観戦会を開催し「観る」ことを大切にしたといいます。

倉田さん:予算の限られた中で業務用スティックバルーンを購入したり、お揃いのビブスはしっかり作ったり。社長自ら観戦に来て「これはすごい!社員に広めなければ」と発信もしてくれました。そうして少しずつ社内でパラスポーツが浸透していったんです。

さらに障がいのある方の支援につながるようにと、2015年までには選手を18名雇用。この時大切にしたのは、選手が競技と業務を両立できる環境を整えることでした。

倉田さん:パラスポーツの選手の親御さんたちにヒアリングをしたら、自分が先立った後に子どもが社会で適応できるか、経済的に心配という声が多かったんです。そこで引退しても継続して雇用できるようにしようと考えました。

パラスポーツを盛り上げたい!「今できること」を考えた企業・団体メンバーワークショップ(第2回)
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練習環境や時間を作り出すなど、会社が応援をすることで選手は強くなっているとのことです。そして一緒に仕事をしている選手が努力して強くなっていく姿を見ているから、社内はさらに盛り上がる。そんな連鎖が生まれているのです。

石橋選手からは、企業に所属する選手の視点が伝えられました。石橋選手は普段マッサージルームでヘルスキーパーとして16時まで勤務をし、練習に向かいます。本来勤務は17時までですが、石橋選手は1時間分の勤務時間を練習に充てているのだそう。

石橋選手:土日に試合があった分は平日にお休みをもらうこともできて、仕事をしながら競技に打ち込める環境があると感じています。サポートがあって、応援もしてもらえるからこそ、会社への恩返しをしたいと、より強い気持ちで競技に取り組むようにもなりました。

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参加者のみなさんはメモを取りながら、じっくりと倉田さんと石橋選手の話に耳を傾けていました。

「自分の会社では何ができるだろう?」と考え込んでいる様子の方たちも。
ここからはゲストトークを踏まえて、参加者一人一人が社内の現状や、支援の手法について具体的に考えていきます!

パラスポーツを盛り上げたい!「今できること」を考えた企業・団体メンバーワークショップ(第2回)

「自分の会社でできること」を具体的に考え、共有する

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「まずは観戦に行くことで、応援の楽しさを見出してもらう」

「あまり知られていないけれど、パラスポーツ指導員の資格があるので、研修項目に取り入れてはどうだろう?」

自社で行える支援手法と、その支援を行うメリットを書く時間には様々なアイデアが飛び出します。その後はアイデアをチーム内で共有し、お互いの意見を交換しました。

たくさんの支援方法をメンバーに共有していたのは、KNT-CTホールディングス株式会社の小松弘愛さん。組織が連携して一緒にできる取り組みがあるのではないかと話します。

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小松さん:複数の企業が連携してパラスポーツの大会を作って開催しているのがいいなと思っていて。ただそれだと大きい会社でしかできないので、いくつかの団体で協力して行うのも良いなと思いました。

それを受けてメンバーからは「自社とどこかでぜひ共同でプロジェクトがやりたい」との声も挙がります。他にも、社内や自分の周囲の人たちに伝えていくために様々な形での「発信」が必要だという話に。ここで石橋選手もディスカッションに加わり、選手ならではの視点も伝えられました!

石橋選手:選手としてできることとして、SNSでの発信は頑張っていきたいと思いました。あとはやっぱり、試合に来てもらったり、一緒に「体験」することで僕自身も一体感を得られることがあったんです。

石橋選手の意見を聞いて、「発信」だけでなく「体験」も大切にしようとチームの考えが深まっていきます。一人一人違う立場だからこそ出会える新しい発想の数々に、ディスカッションは盛り上がりました。

今すぐにでも「自分にできる一歩」とは?

各チームで意見が交わされた後は、「所属する部署内で」「部署をまたいで」「社をあげて」「企業間で」それぞれできることを整理して、発表をする時間です!

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パラテコンドーで活躍する太田渉子選手(ソフトバンク株式会社所属)が参加していたチームでは、太田選手から「応援があってこそ活動ができる」と応援の力について語られたそう。「このワークショップのメンバーで太田選手の応援に行って、応援の輪を広げていきたい」との意見も出ていました。

他にも新聞社に所属するメンバー発案の「パラスポーツの記者を増やす」、「パラアスリートを応援するために飲み会を開く」といった意見も。

トヨタ西東京カローラ株式会社の高野晃一さんからは、会社として、そして個人としても取り組みたいことが語られました。

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高野さん:会社としては障がいのある方が安心して乗れるような自動運転技術により力を入れたいという思いが強くなりました。あとは社内で既に開催しているボッチャの体験会を今後も続けていきたいです。個人としてはまず観戦に行くことから始めます。

色々な企業の人たちがいるからこそ、それぞれの立場から具体的な意見が出ていたことが伺えます。

発表が終ったあとも、倉田さんや石橋選手にパラスポーツ支援について相談に行ったり、他のグループの参加者の方と情報交換をしたりと、参加者それぞれが熱い想いで交流している姿がありました。

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多摩信用金庫に勤める杉野逸平さんはチームメンバーと、「自分がこれから取り組む一歩」について力強く語ります。

杉野さん:今の業務の中でもやれることもあるなって。例えば弊社では広報誌を地域に配っているので、パラスポーツのイベント情報を入れてみること。他にも地域のイベントのお手伝いを、パラスポーツの大会の運営の手伝いに置き換えたり、色々と考えられそうです。

立場や状況が違っても、「自分や自分の会社が今できること」はあるはず。ゲストトークを聞いて、そしてチームでのワークを通して、参加者一人一人が自分の一歩を具体的にイメージできた時間となったのではないでしょうか。

今日の機会を生かして、会社間での連携取組も生まれそうな、そんな気運が高まっていました。

TEAM BEYONDでは企業・団体メンバーの募集を行っています!ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。

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20190325

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