「いっけーいけいけいけいけピーター!」「アックス!チャチャチャ!」
熱狂的な応援が繰り広げられた、大田区総合体育館にて開催したパラスポーツ観戦・応援イベント「BEYOND STUDIUM」。
真剣な眼差しで試合を見つめ、試合展開とともに選手と一緒に喜んだり、悔やんだり。「応援する側」も特別な思いを持ってこの日を迎えました。
パラ・パワーリフティングとウィルチェアーラグビーの試合、そしてトークショーやミニライブ、競技体験と盛りだくさんなプログラムで行われた本イベント。今回は、当日選手に絶えず応援を送っていた参加者のみなさまの様子をお伝えします!
熱狂と静寂を繰り返す!パラ・パワーリフティングの応援
まずはじめはパラ・パワーリフティングの試技からスタート。真っ暗な会場の中で、ベンチプレス台にスポットライトが集まっています。選手入場時、観客席から大きな拍手とともに一人一人の愛称を呼んで、選手を鼓舞しました。
「ファイトー!いけいけ!」「フレーフレーマコト!」
観客席の通路にTEAM BEYONDビブスを着用して立っているのは、事前に開催されたワークショップで今回のイベントのために応援方法を考案してくれた応援リーダーの方々です!さらに青空応援団、全日本女子チア部も一緒に応援をリードし、会場を盛り上げます。
パラ・パワーリフティングの応援では、選手がベンチプレス台に上がり集中する時間になると一旦声援はストップ。静寂の中で選手に注目が集まり、いよいよバーベルを上げる瞬間になると、選手のベンチプレスを後押しするように客席からも「おー!」と声を出して、応援を送ります。
選手をじっと見つめ、ベンチプレスが成功すると嬉しそうにスティックバルーンを叩いていたのは、菅間瑞季さんと坂口秀俊さん。
菅間さん:大学の授業で子どもたちにボッチャを教えに行ったことがあって、パラスポーツが気になっていて。今日は楽しみにしていました!
坂口さん:パラスポーツは体が直接ぶつかるわけではないけれど激しさがありますよね。パラ・パワーリフティンは選手同士が接触することはなくても、気迫があってすごいなって!
お二人とも今回が初めてのパラスポーツ観戦ですが、試合前にルール解説や応援方法のレクチャーを受けていたので準備万端!楽しそうに観戦をしていました。
激しいタックルで大迫力!ウィルチェアーラグビー
続いてウィルチェアーラグビーの試合前には、ゲストアーティスト「Little Glee Monster」が歌で選手たちを応援してくれました。スティックバルーンを持ってパフォーマンスを楽しんでいたのは、Little Glee Monsterがきっかけで今日のイベントを知ったという村越麻乃さんと坂口瑞穂さんです。
坂口さん:歌が聞けることも、試合が見られることも本当に楽しみだったんです!選手は本当にすごいの一言。私には到底真似できないなって。
村越さん:もともとラグビーの観戦にはよくお父さんと行っていたので、ウィルチェアーラグビーも楽しみに来ました。パフォーマンスも楽しめて、新しいパラスポーツも知れて嬉しいです!
パフォーマンスが終わるとLittle Glee Monsterのメンバーは選手とハイタッチをしながら応援席に戻り、いよいよウィルチェアーラグビーの試合に移ります。ウィルチェアーラグビーの応援は、会場を半分に分けてAXE(アックス)とRIZE CHIBA(ライズチバ)のそれぞれのチームに声援を送りました。
「ゴーゴーレッツゴー!」
会場で声を合わせて応援する中でも、選手の動きを見ながら「あっ惜しい!」「いけいけ!」と一人一人自然と声が出ている様子。激しいタックルで選手が車いすごと倒れる場面では、心配そうに選手を見つめる人もいました。
大接戦の試合展開に、後半は会場全体で選手を激励するウェーブも繰り広げられ、観客席からも試合を盛り上げます!思いが届いたかのように、選手は最後の最後まで迫力あるプレーで会場を沸かせていました。
家族で参加していたのは澤田智美さん、智也さん、夏帆ちゃん、海叶くん。「パラスポーツを子どもにも伝えたい」と観戦や応援、競技体験を楽しみに参加したのだと智美さんが話してくれました。
智美さん:子どもに発達障害があり、療育に通っているのですが、そこで色々な人に出会いました。パラスポーツを通して、様々な人がいることを子どもにも身近に感じてもらえたらと思っています。
体験して、応援して、改めて実感するパラスポーツの楽しさ
試合観戦後は会場で、パラカヌー、陸上、車いすバスケットボール、ボッチャ、車いすフェンシング、ウィルチェアーラグビー、パラ・パワーリフティング、ブラインドマラソンと、8つの種目の体験会も行いました。
競技観戦・応援を存分に楽しんだ様子のTEAM BEYONDメンバーたち。会場では最後に応援リーダーたちが集まり、1日の振り返りをしました。
この日の応援は、アイドルの猪狩ともかさん(仮面女子)と応援リーダーのみなさんで考案したものを実践しました!力を合わせて応援する中で、だんだんと仲良くなっていったと言う応援リーダーたち。元々は一人で参加していたけれど、今ではすっかり仲間と感じているのだと、徳田無我さん、八木政道さん、丹羽光太郎さんは話します。
八木さん:自分から応援の声を出しはじめて、ずっと続けるのはとても大変でした。でも、みんなで頑張るのはやっぱり楽しい。練習の時は「応援しなきゃ」という気持ちだったけれど、今日は試合に挑む選手を見ていたら自然と声が出てきましたね。
鈴木陽介さんは1999年に怪我をして車いす生活となり、そこから20年近く車いすバスケットボールを続けています。プレイヤーでもあるからこそ感じる、応援の大切さを話してくれました。
鈴木さん:応援がないと、練習と同じ環境で力も出づらくなると思います。自分も応援されると嬉しいし、応援する側になっても選手から力をもらえるんです。今日は知り合いの選手がいたのでさらに熱が入って、自分もこれからも頑張ろうと思えました!
周囲と一緒に応援することで笑顔になったり、選手からも励ましを受け取ったり、さらに応援する中で仲間と出会えたりと、応援の楽しみ方は様々。あなたもTEAM BEYONDに参加して、パラスポーツの魅力に触れて、体験して、一緒に応援してみませんか?
TEAM BEYONDではまだまだメンバーを募集中です。今後も競技観戦やイベントを開催予定ですので、ご参加ください!